郵便局1万人削減許さない 現場からの訴え② 1万人削減でなく人員増を 関西 新大阪局の現実覆す!

週刊『前進』04頁(3132号02面04)(2020/05/18)


郵便局1万人削減許さない
 現場からの訴え②
 1万人削減でなく人員増を
 関西 新大阪局の現実覆す!


 新型コロナウイルス問題は郵政職場の人員不足の深刻な現実、総非正規職化をテコにした民営郵政の反労働者的正体とその破産を白日の下にさらしている。にもかかわらず、この3月、日本郵政は「郵便局1万人削減案」を打ち出した。絶対に阻もう。
 郵政職場の許しがたい現状がはっきり分かる事態が起こっている。関西合同労組新大阪郵便局分会が20春闘要求の一環として新大阪郵便局にコロナ対策要求を突きつけて闘う過程での、新大阪局の対応がそれだ。

コロナ疑いでも深夜勤務を強要

 3月22日夕刻、出勤前にT組合員が「熱がある。何カ所かのライブハウスに行ったので新型コロナウイルス感染の疑いがあるから休ませてくれ」と電話したところ、T組合員が勤務する輸送部の副部長から「とりあえず出勤して局で体温を測れ」との指示。納得がいかないながらもT組合員が出勤し、体温を測ると37・3度。当然、勤務に入らず帰れと言われるであろうと思ったT組合員に対して、副部長はただちに勤務に入ることを命じて翌朝までの深夜勤務を強要した。
 この対応は間違っていると感じたT組合員は、勤務明けに輸送部の対応に抗議するために総務部を訪れた。T組合員の訴えに対して総務部の職制は耳を傾けるどころかこれを暴力的に封じ、「警察を呼ぶぞ」などと暴言を吐いた。それどころかT組合員の次の勤務日、3月25日に別の輸送部副部長がT組合員に「対話」を強要し、総務部に抗議に行ったことと、そこでのT組合員の発言を理由に「始末書」の提出を求めてきた。
 誰が考えても常識はずれで、誤っている新大阪郵便局の新型コロナ感染への対応の間違いを指摘・抗議したら、解雇も含む懲戒処分の対象にするというのだ。しかも、この一連の対応は3月6日に新大阪局ゆうパック部の労働者が新型コロナウイルスに感染していたと発表した直後のことだ。

「この現実変えてくれ」が切実な声

 ここに示されているのは、極端な人員不足の中で労働者の命などどうなってもいい、とにかく業務遂行を第一にするという新大阪郵便局の反動的な意思である。週3〜5日の密室での深夜労働によって病気休職の労働者が常に存在している現実。もちろんその大きな原因として職場で横行するパワハラの問題もある。さらに強労働・低賃金のために労働者が次々に辞めていく現実。
 その結果、年休すらかなり前に申請しなければ取れないし、取ることが出来ない場合さえある。「この現実を変えてくれ!」という全労働者の切実な声をバックに、関西合同労組がくりかえし「人員を増やせ!」と要求しても「人員は足りている」と開き直り、すべて拒否してきた。その結果がこの事態なのだ。
 だからこそ新大阪郵便局、そして日本郵政・日本郵便はこの破綻を乗り切るためにより一層、非正規労働者に犠牲を強制しようとし、さらには1万人削減まで狙っている。関西合同労組は、新大阪郵便局の2千人非正規労働者すべての怒りを団結したひとつの力に変え、非正規労働者の「奴隷工場」と化した新大阪郵便局のこの現実を根底から覆す。こうして、「1万人削減絶対反対!」の闘いは開始されている。
(関西合同労働組合・山口幸一)
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