「復帰」48年5・15アピール 辺野古基地阻止・米軍基地撤去 沖縄と全国の決起で安倍倒せ

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週刊『前進』02頁(3131号01面02)(2020/05/14)


「復帰」48年5・15アピール
 辺野古基地阻止・米軍基地撤去
 沖縄と全国の決起で安倍倒せ


 安倍政権は4月7日に発令した「緊急事態宣言」を5月31日まで延長すると5月4日に決定、階級闘争を圧殺し、改憲へ歩を進めようとしている。「復帰」48年・沖縄戦75年の5・15沖縄闘争は、この「緊急事態宣言」下での闘いとなった。かつて朝鮮戦争下で「土建争議」に立ち上がり、さらに米軍政下で闘い抜いた沖縄の労働者階級の闘いの経験と蓄積がその真価を発揮する時代が到来した。「緊急事態宣言」をもてこにして辺野古への新基地建設をあくまでも強行する安倍政権を許すな! 安倍への怒りを解き放ち、改憲阻止・日帝打倒へ! 「復帰」48年・沖縄戦75年の5・15沖縄闘争へ、沖縄と全国で立ち上がろう!

軟弱地盤と県民の闘いで工事が停止

 3年前の4月25日から護岸工事が開始された辺野古新基地建設は、大浦湾側の軟弱地盤問題と、何よりも沖縄県民の不屈の闘いの継続で破綻的な状況にたたき込まれている。沖縄防衛局は3月末には少なくとも6件の護岸・岸壁工事の発注を打ち切った。
 そのような中、沖縄防衛局は、4月21日に大浦湾側の軟弱地盤の改良工事に伴う設計概要変更承認申請書を沖縄県に提出した。県が新型コロナ対策で出勤する職員を2分の1に減らしている中で事前連絡もない暴挙だ。しかも提出されたのは県庁ではなく、名護市にある沖縄県北部土木事務所だ。書類の形式審査のために、在宅勤務中の担当職員1人が急遽(きゅうきょ)呼び出される事態となった。「緊急事態宣言」が改憲の先取りであり、その中で安倍政権は辺野古新基地建設をあくまで強行しようというのだ。
 しかし、このときすでに辺野古での工事はストップしていた。4月16日に関連業務作業員の新型コロナ感染が判明し、翌17日から防衛局は工事をいったん中止した。河野太郎防衛相は17日の会見で工事を進める考えを示していたが、受注業者の一部が工事中断の意向を示したことで事態は一転し、以降辺野古での工事は止まったままだ。
 新型コロナウイルスとそれに伴う「緊急事態宣言」下での辺野古新基地建設の危機と破綻は、安倍政権の危機と破綻そのものだ。安倍政権を打倒して、辺野古新基地建設を阻止する決定的な好機が到来した!

米軍崩壊の危機と基地労働者の闘い

 米軍関係者の5月1日時点での新型コロナ感染者総数は9497人に上ると報道されている。特に海軍では集団感染が頻発している。千人以上の感染者を出した空母セオドア・ルーズベルト他4隻の空母に続き、駆逐艦キッドでも5月1日時点で78人の感染者数が報告されている。その中で米海軍は環太平洋合同演習(リムパック)を8月17日から31日に実施すると発表した。しかし通常は1カ月以上かける演習を2週間に短縮し、しかも海上演習のみとした。
 米軍は必死に新型コロナの感染拡大を抑え込もうとし、さらに感染者数の非公開という方針を取っている。沖縄においても嘉手納基地内で家族含めて3人の感染者数を公表して以降、総数を非公開としている。しかし米海兵隊第3海兵遠征軍(3MEF)は4月17日、新型コロナの感染拡大を受けて所属軍人や軍属、家族らに対して基地外の公共交通機関や飲食店の利用禁止を決定。さらに20日には軍人・軍属のみならず基地労働者などの関係者に対して、自宅に最大72時間分の飲料水や食料品などの生活必需品の貯蔵を準備する命令が発出された場合は、これに即して行動するよう通達を出した。
 これらの意味することは、米軍内での新型コロナ感染が深刻な状況になっているということだ。実際、基地労働者に対して「接近禁止」が指示される建造物は、「感染者の隔離施設」だと認識されている。米軍の保養施設や食堂なども相次いで閉鎖されている。そして基地労働者は1週間交代での勤務形態とされている。「世界最強の軍隊」であるはずの米軍が、実際には機能崩壊状態にたたき込まれている。アメリカ帝国主義の危機が米軍の崩壊として進行している。米兵の生きていくための決起は不可避だ。
 兵士と基地労働者が闘いの最前線に立つ時代が到来した。このような情勢の中で、沖縄の基地労働者は米軍基地内でのさまざまな職場闘争に立ち上がっている。「復帰」48年の5・15沖縄闘争は、沖縄の労働運動と階級闘争の新たな時代の始まりだ。

安保・沖縄闘争の発展かけ5・15へ

 「基地の島」ゆえの「非正規職の島」の矛盾が噴き出している。「観光産業」はすでに壊滅状態だ。コールセンターでは「運営方針」として「出社社員3割対応の実施」という東京本社からの通知の中で「沖縄拠点は対象外」とされ、密集した職場環境を強制されている。そしてすでに1人の感染者が確認されている。農業も水産業も、「収穫してもそのまま廃棄」「収穫しても本土に出荷できない」という状況が続いている。所得が「半分以下」33%、「食料買えない」26%(琉球新報5月8日付)という命を脅かす状況になっている。
 4月10日には、普天間基地から人体に有害な有機フッ素化合物(PFOS)を含む泡消火剤が市街地に流出する事故が起きたが、米軍は「雨が降れば収まる」と居直った。5月の宜野湾市の調査では基準を超える汚染物質が検出された。
 この我慢ならない現実をいかに覆していくのか、闘う路線と方針が求められている。「復帰」48年5・15沖縄闘争は、沖縄が日米安保体制下の「基地の島」である限り、沖縄県民は生きていくことができない、と沖縄と全国で闘いに立ち上がる日だ。それは同時に、「沖縄戦を繰り返さない!」という決意を新たにする日だ。辺野古新基地建設を絶対に阻止し、米軍基地の全面撤去へ。安倍政権を今こそ打倒しよう! 沖縄の労働者階級人民は沖縄全島ゼネストへ立ち上がろう! 安保・沖縄闘争の勝利へ、全国で5・15沖縄闘争を闘おう!
〔革共同沖縄県委員会〕
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