団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(3130号04面04)(2020/05/11)


団結ひろば 投稿コーナー

チェルノブイリ34周年弾劾
 広島・反戦被爆者の会 中島 健

 4月26日は、34年前にウクライナのチェルノブイリ原発で無謀な実験により停止中の黒鉛炉が大事故を起こした日です。私は広島連帯ユニオンとNAZENヒロシマが共催する原爆ドーム前集会と中国電力本社抗議デモに参加できました。
 多くの市民団体や平和団体が「緊急事態宣言」に震え上がって例年の抗議行動を取りやめる中、唯一の反原発行動になりました。朝日新聞の若い記者が同行し、良い記事を書いてくれました。また、記事を見た人からは「ヒロシマの声が聞けた。よかった」との声も届きました。
 振り返ると1986年のチェルノブイリ事故で一挙に大衆化した反原発運動でしたが、その直後の国鉄分割・民営化を経て、総評が解散し、その一環として電力資本の中で反原発を闘っていた電産中国地方本部が自主解散しました。電力総連という「原発推進組合」に吸収されたのです。
 その結果、会社は、事故隠し、データねつ造、原発立地の自治体での選挙介入等々の不正がフリーハンドで行えるようになりました。どれだけ労働組合の闘いが重要かを示しています。それに輪をかけたのが第1次安倍政権です。2006年、すでに国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性が指摘されていたにもかかわらず、安倍首相は「日本の原発でそういう事態は考えられない」として、一切の対策を拒否したのです。11年3・11の大事故の原因をつくりました。
 今、安倍政権が狙っているのは、被爆地ヒロシマをダシにして、事故の責任よりも復興だと脅して、例えば子どもの甲状腺がんについても原発事故とは無関係だと科学者や医者に言わせています。オリンピックと核武装のためのプルトニウムをため込むことが至上命令になっているからです。
 だから、今こそヒロシマは1945年8月6日の原点に返って、核と人類は共存できないと、反原発の旗振り人にならずにはおれないのです。4月26日の行動を安倍の緊急事態宣言を理由にネグレクトするのは、やはり違うと思います。感染恐怖ばかり垂れ流すテレビを切って、街に出よう!

給付は世帯主でなく本人に
 島根 宮沢 梓

 今月1日から、新型コロナウイルスの緊急経済対策として打ち出された「一律10万円給付」のオンライン・郵送申請受付が開始されました。申請の権限は世帯主に限られ、世帯主名義の銀行口座に家族分の給付金が振り込まれるというものです。
 家父長制の本質がむき出しの形となってあらわれてきたのが今回の話だと思います。どんなに「対等」に見える夫婦や親子の関係でも、いざというときにはまるで「世帯主」の所有物であるかのように扱われるのです。さらに、「世帯主」の意志ひとつで給付の有無が決められてしまうため、経済的DV被害者や、親の権力が強い家庭の子どもは、10万円を受け取ることすらできない可能性があります。全員が「一律」に給付を受けられる保証なんてどこにもありません。
 安倍政権は「世帯主」申請の根拠を「迅速な事務手続のため」などとして正当化を図っていますが、これが家父長制と、家父長制に支えられている資本主義を維持する目的で決定されたものであることは明らかです。
 アルバイト先の女性労働者たちが、「夫に10万円をちょうだいとお願いするのは肩身が狭い」「横取りされたらどうしようか」と、政策に不満を漏らしていました。当然の怒りだと思います。SNS上でも、「給付はひとりひとりの口座に」「世帯ではなく個人に!」といった民衆の怒りの声が大爆発しています。
 皆、家父長制資本主義の欺瞞(ぎまん)に気づき始めています。今こそ声を上げよう。

第一交通分会に不当命令
 多摩連帯ユニオン書記長 加納敏弘

 3月11日、多摩連帯ユニオン第一交通武蔵野分会に対して、東京都労働委員会の命令が出ました。第一交通武蔵野が小倉裕分会長に対して行った数々の不当労働行為への救済申し立てを却下する不当命令でした。
 第一交通産業は、「日本一のタクシー会社」として、M&A(合併・買収)方式で弱小のタクシー会社を吸収合併し、のし上がったグループ企業です。暴力団の力で労働組合をつぶし、低賃金・長時間労働でタクシー労働者の命さえもむしり取ってきた極悪企業です。
 都労委の命令は、全面的に会社側の主張を踏襲するものでした。会社側が暴力乗務員を使って小倉分会長への威迫行為を行ったにもかかわらず、「それは乗務員の個人的行動にすぎない」と決めつけ、組合側の主張を全面的に退けています。小倉分会長が精神疾患と頸椎(けいつい)変性症で休職し、「2カ月間の休職」で「自然解職」とする就業規則の規定を小倉分会長にだけ適用するという明らかな不当労働行為に対して、都労委は、「就業規則に書いてあるから」という理由で、救済申請を蹴っているのです。これでは何のために労働委員会があるのかわかりません。
 コロナ情勢下で、タクシー労働者にも生活破壊が襲いかかっています。「ロイヤルリムジン」では、コロナを理由とした一斉解雇が乗務員に言い渡されました。冗談ではありません。日本でのタクシー労働者のコロナ感染第1号は第一交通の労働者でした。長時間・低賃金で労働者を酷使し、新型コロナ感染の危険にさらし、あげくの果てにクビを切る。こんなことを許してたまるものか!
 多摩連帯ユニオンは、コロナ情勢に対抗する闘いの一環として、中央労働委員会闘争を闘います。

赤い団結マスクでメーデー
 香川連帯ユニオン A

 5月1日夕方、香川連帯ユニオンとその仲間たちは、メーデー行動の一環としてJR高松駅前で街頭宣伝を行いました。めずらしい赤い団結マスクで登場した私たちに皆が注目し、「緊急事態宣言とコロナ解雇反対!」のビラは帰路を急ぐ労働者に瞬く間に受け取られていきました。
 閑散とする飲食店街......。自粛という名の自己責任―責任転嫁を許してはならない。政府はただちに生活費用を全額補償しろ!
 コロナ以前の生活が戻らないならば生活と命を守るためにも、役立たずの政府を倒し、私たちで新しい社会と時代、歴史をつくっていこう!と決意を新たにした20メーデーでした。

小林利行同志を追悼する
 革共同神奈川県委員会

 小林利行同志が2月2日、多発性骨髄腫で亡くなりました。享年67です。
 小林同志は70年安保・沖縄闘争への大反動としてあったカクマル反革命との内戦に決起し勝利しました。
 その後、相模原で西村あやこ市議選を闘いました。その中でいくつもの労働相談を受け、地域合同労組の必要性を感じて数人の仲間と検討し、2011年5月に湘北合同労組を結成。委員長となり、特に非正規労働者や外国人労働者の労働相談に体重をかけました。タンザニア、マリ、ブラジル、ペルー、フィリピン、ネパールなど。タンザニア労働者への賃金不払いには、夜間、新宿まで出かけて対策に当たりました。
 1月22日、組合員数人で小林委員長の見舞いに行きました。ペルー労働者が労働災害にあい、言葉がわからないがゆえに個人請負形態に追い込まれ、労基法の適用もされなかったが、粉砕し全面勝利を勝ち取ったことを報告すると、喜び満面の笑みを浮かべました。
 小林同志は労働学校にも力を入れ、学校長としてけん引し、鈴木コンクリート工業分会闘争の報告を行いました。「賃労働と資本」に関する話では、郷里の長野県の野麦峠に言及し、マルクス主義を日本資本主義に引きつけて話しました。
 国鉄闘争のオルグでは自宅の最寄りの駅の組合員のオルグも行い、国労組合員との関係を強固につくりました。厚木基地反対のイベントでも、私たちのブースに来た労働者を長時間にわたって粘り強くオルグしていたことが印象的でした。
 小林同志は温厚な人柄で、相手の話をじっくり聞き的確なアドバイスをするなど、労働者階級への信頼にあふれた生き方に多くの同志が深い信頼を寄せていました。小林同志は闘いの先頭に立ち、組合員と共に湘北合同労組の骨格を形成。同労組は先日初めて分会結成を勝ち取りました。
 私たちは小林同志の遺志を受けついで階級的労働運動を発展させ、拠点建設を軸に、革命に向けて猛然と前進していきます。

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