香港 民主化活動家15人を逮捕 新労組建設運動に恐怖
香港
民主化活動家15人を逮捕
新労組建設運動に恐怖
香港で4月18日、林鄭月娥(りんていげつが)政権は著名な民主化活動家15人の逮捕を強行した。昨年の「逃亡犯」条例改悪反対の幾つかの集会やデモを組織し参加したことが容疑とされている。
2月28日の李卓人氏、黎智英氏、楊森氏の逮捕に続く暴挙であり、この3人も今回再逮捕された。李卓人氏は、香港職工会連盟事務局長であり、昨秋以来、労働組合建設運動を呼びかけ、推進してきた一人だ。この逮捕が民主化運動だけではなく労働運動に対する弾圧であることは明白だ。
香港政府の4月12日の発表によれば、今年1〜3月までの3カ月間に新たに登録された労働組合の数は1578だ。これは18年1年間で登録された労働組合数16の約100倍、19年1年間の登録数142の10倍に当たる。香港で労働組合建設運動が、青年労働者を先頭に雪崩を打って進んでいることが分かる。
香港政府は、この新たな労働組合建設運動が急激に前進し、新型コロナウイルスの感染が拡大する情勢下で失業や解雇に反対して闘っていることに恐怖している。それが昨年来の「逃亡犯」条例改悪反対運動の継続・発展、ゼネストにつながることを恐れて、この大弾圧に踏み切ったのだ。
今回、立法会(国会)議員の梁耀忠氏も逮捕されており、今年9月に予定されている立法会議員選挙で、民主派が大前進することを恐れての暴挙でもある。
この大弾圧に怒った労働者・学生は、逮捕者が収容された各警察署前に集まり、不当弾圧を弾劾し、釈放を求める抗議行動に立ち上がった。こうした中で、同日午後6時近く、長沙湾警察署に拘束されていた李卓人氏も保釈された。
李卓人氏は、警察署前に集まった人々に「政府や警察が市民の集会・デモの権利を奪おうとしているのは違憲だ。警察の強圧的な態度や威嚇(いかく)を恐れず、民主と自由の声を上げ続けよう」「政府は『国家安全条例』を制定しようと圧力をかけてきている。政府が強硬手段を取ることに身構え、勇敢に声を上げ、あらゆる手段で団結して対抗しよう!」と力強く訴えた。
翌19日、香港民間人権陣線がこの大弾圧を許さず、7月1日に大デモを行うことを発表した。新型コロナウイルスの感染が拡大して以降初の大デモとなる。
今回の大弾圧は、香港の闘いにさらに火をつけた。国際連帯を貫き闘おう!