関生弾圧粉砕し国鉄解雇撤回へ 労組の団結権守りぬこう

週刊『前進』04頁(3128号03面02)(2020/04/27)


関生弾圧粉砕し国鉄解雇撤回へ
 労組の団結権守りぬこう

コロナ解雇と対決

 新型コロナウイルスへの感染がさらに広がり、安倍政権は緊急事態宣言を全国に拡大した。恐慌が現実となる中で、解雇や賃金補償のない休業の攻撃が、広く労働者にかけられている。
 生活の道を断たれた多くの労働者が、労働組合に結集して闘う道を選び始めた。緊急事態宣言という実質的な戒厳令と対決し、労働者への感染を防ぐための措置を最大限に取りながら、資本との闘いを築くことは、容易ではない。
 しかし、この困難に立ち向かうことの中に、労働組合運動が全面的に力を取り戻す道がある。1987年の国鉄分割・民営化以来、後退を強いられてきた労働運動が、反撃に転じる時はまさに今だ。
 これは、労組否認の攻撃を打ち破って切り開かれる。タクシーなどの運輸業界を典型に、資本はコロナ情勢下での解雇を、労組との交渉はもちろん説明さえせず、「当然のこと」として押し切ろうとしている。
 そうした攻撃と対決する最前線が、国鉄決戦と全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への大弾圧を粉砕する闘いだ。

20春闘を転機にし

 「労働組合のない社会」を狙うJR東日本の攻撃は、首相官邸の指示を受けて2018年2月から始まった。同年8月には、関西生コン支部への弾圧が開始された。その狙いは、まさに労働組合をなきものにすることにあった。
 これに加え、経団連と安倍政権は今年の春闘で、さらに重大な攻撃を仕掛けてきた。春闘で資本は、トヨタ労組をあらかじめ全面屈服させて、「人事評価でベースアップを決める」という制度を労組側から提案させた。人事評価で賃金水準が決まるのなら、労資交渉も春闘も必要はない。トヨタ労組は労働組合としての存在意義を自ら否定した。
 資本は、労組との交渉で賃金や労働条件を決める「集団的労使関係」を解体し、個別の労働者との契約で一切を決めるあり方に転換しようとしている。連合の御用労組さえ、存立基盤が奪われる。資本はそこまで踏み込んだ。20春闘はコロナウイルス問題がなかったとしても、歴史の転機に位置するものだった。

中労委命令許さず

 国鉄労働者1047名の解雇撤回を求める動労総連合の申し立てを、中央労働委員会は1度の調査期日も開くことなく却下・棄却する命令を下した。そこにあらためて示されたのは、労組の団結権と集団的労使関係を否定したいという国家権力と資本の意思だ。
 動労千葉と動労総連合は国鉄分割・民営化以来30年を超える解雇撤回闘争の中で、JRから動労千葉組合員を排除するために作られた「不採用基準」の策定は不当労働行為だったと最高裁に認めさせた。さらに、その基準を作ったのはJR設立委員会だったことをつかんだ。これは、解雇を撤回する責任がJRにあることを突き付ける決定的な事実だ。これをもとに動労総連合は、新たな申し立てを労働委員会に行った。
 中労委が調査もせずに反動命令を出してきたのは、事実を調べれば、JRに対して解雇撤回の命令を出さざるを得なくなるからだ。
 JRは、国鉄分割・民営化に協力した御用労組さえ解体して「労組なき社会」をつくる先頭に立っている。そのJRに「不当労働行為による解雇は撤回せよ」という命令が出されたら、安倍と経団連が進めてきた労組否定の攻撃の全体が崩れる。だから中労委は、安倍政権の意を受けて、調査もせずに反動命令を下したのだ。
 国鉄分割・民営化による労組解体と大量首切りの攻撃は、「国鉄赤字を解消し国鉄を再建するため」として問答無用で強行された。今また労働者には、コロナという「非常事態」を口実に問答無用の解雇・賃下げの攻撃がかけられている。
 だからこそ、労働組合の団結権を実力で資本に認めさせなければならない。1047名解雇撤回を軸とする国鉄決戦と、関西生コン支部を守り抜く闘いは、その主戦場だ。そこには、勝利を切り開くための豊富な経験も蓄積されている。
 コロナ情勢のただ中でこそ、団結権をめぐる攻防に勝ち抜き、労働組合運動をよみがえらせよう。

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