福島・二本松郵便局で集団感染 会社に対策要求しよう
週刊『前進』02頁(3127号02面01)(2020/04/23)
福島・二本松郵便局で集団感染
会社に対策要求しよう
福島県の二本松郵便局(二本松市)で新型コロナウイルスの集団感染が発生した。地元紙の報道によると2、3、4次まで感染が拡大し、確認された人は総数で16人(4月15日時点)になる。これほどの感染拡大の原因は郵政資本が感染防止対策を怠ったこと、さらに極度の人員不足にある。命を守るため、郵政労働者は防止対策と人員増を要求しよう。
二本松局では今月7日に感染者が初確認された。また郵政関連で感染者が確認された職場は他に、東京の大森郵便局、東京逓信病院、京都中央郵便局、新大阪郵便局など、二本松局も含め全国で18に上る。(4月17日、日本郵政発表)
家族なども含めて16人の感染を確認
二本松局関係ではその後も感染確認者が続出し、職員9人、元職員(3月31日まで勤務)1人、職員の家族4人、家族のうちの1人の職場の同僚1人、この同僚の知人1人の計16人の感染が確認された。感染が確認された二本松局の職員・元職員の職種は「配達担当」3人、「窓口営業部」2人、「金融コンサルティング部」4人、「総務部」1人である。
家族なども含めこれほど多くの感染確認者が出た(さらに増える可能性もある)責任は日本郵政会社・日本郵便会社にある。新型コロナウイルス感染が世界中に拡大し、日本でもその危険性が叫ばれていたにもかかわらず、会社は感染防止対策をおろそかにしていた。たとえば、感染者が4人も集中している金融コンサルティング部(保険などを扱う)は12人が在籍するが、2人の役職者以外は幅120㌢ほどの机を向き合わせ3、4人が対面で仕事をする状況だった。
さらに、局では全職員の検温などの対策さえとっていなかった。また、職員たちは発熱や倦怠(けんたい)感、味覚・嗅覚障害などの症状があったにもかかわらず、人員不足のために出勤し続けざるをえなかった。15日までに感染が確認された職員・元職員10人のうち7人は発症日以降も出勤していた。残る3人のうち2人は勤務中に発症したと認められており、発症後に1日も勤務しなかったのは1人だけだったのだ。
これらの事実の前に、日本郵便東北支社の古屋正昭支社長は10日の記者会見で、積極的な努力や関与の不足を全面的に認め、謝罪せざるをえなかった。局の関係者も「身近にウイルスがあるという前提で対策を講じるべきだった」と、必要な対策がとられていなかったことを語っている。
極度の人員不足も感染拡大の原因だ
感染が拡大した原因が、もう一方で、郵政職場の極度の人員不足にあることは明らかだ。2007年の郵政民営化以降、郵政職場では1万5千人もの人員が削減され、無理しなければ職場が回らない状況が日常化している。2月26日、山形県でバイクで郵便配達中の労働者が死亡するなど交通事故も多発し、郵便事故が頻発している。これらも極端な人員不足によって、過重な仕事を時間に追われながらこなさざるをえないことが背景にあるのだ。この過酷な現実の上に、しかもコロナ危機真っただ中の3月、「郵便局1万人削減案」が発表された。絶対に許せない。職場では「これ以上減ったら、職場は破綻する!」「逆に1万人増やせ!」の声が渦巻いている。怒りを行動に移すことが今、本当に必要だ。
家族の命を守るためにもコロナ感染対策を要求し、労務管理をやめさせよう。全体朝礼、安全スローガンの指差し呼称、郵便体操時の整列と掛け声——これらは飛沫感染の温床だ。直ちにやめさせよう。人員不足も大問題だ。仲間と語り合い、団結して「人を増やせ!」と声を上げよう。