命を守らず安倍独裁と改憲・戦争狙う 緊急事態宣言の全国拡大弾劾!

週刊『前進』02頁(3127号01面01)(2020/04/23)


命を守らず安倍独裁と改憲・戦争狙う
 緊急事態宣言の全国拡大弾劾!


 安倍政権は新型コロナ対策特措法にもとづき、4月7日に東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡の7都府県に対して発令した「緊急事態宣言」を、4月16日には一気に全国に拡大した。さらに、従来からの7都府県に北海道・茨城・石川・岐阜・愛知・京都をも加えた13都道府県を「特定警戒都道府県」に指定して、外出や移動の制限、休業などの徹底をとくに強力に行うよう求めた。
 「自粛」であり強制ではないと言うが、実際には行政権力の権限をフルに使って全土に事実上の戒厳令を敷くものだ。担当大臣である西村康稔経済再生相は4月13日の国会で、「もっと強制力をもったものにすべきだという国民の総意があるなら、法整備に向けて検討することはやぶさかではない」と答弁した。現行の特措法には罰則がないため政府・権力の出す要請・指示に従わなくても処罰はない。だが今後は、処罰も可能な体制をつくるというのである。
 すでに新宿など東京の都心部では、特殊警棒を手にした3人1組の警官が路上にいる人の動きを監視し、片っ端から威圧して回るということが起こっている。こんなことが日常的にまかり通れば完全な警察国家、治安弾圧国家の再来だ。絶対に許してはならない。
 そもそも安倍や小池による緊急事態宣言の発令は労働者民衆の命を守るためでは断じてない。その真の狙いは、コロナ感染の拡大という全社会的な危機を最大限に利用し、コロナ戒厳体制のもとに一切の反政府的な声と運動を抑え込むことによって、改憲・戦争攻撃への扉を一気にこじ開けようとする点にある。
 その証拠に、「宣言」発令で直ちに収入の途絶や生活の破綻に直面する労働者人民への救済措置はほとんどなく、最も切実な医療現場への緊急支援すらも具体的にはゼロに等しい。「国難」だから耐え忍べとひたすら犠牲を強要するだけだ。他方では、沖縄・辺野古への米軍新基地建設の工事が「コロナ戒厳令」の真っただ中でも止まることなく、沖縄県民の反対の意思を踏みにじって連日強行されている!
 さらに安倍はこの機に乗じてあわよくば独裁権力を一手に握り、腐敗した政権の延命を図るとともに、改憲と戦争に向けた諸法案を次々と閣議決定し、実質審議ぬきで国会通過・成立させようとたくらんでいる。コロナ感染拡大阻止のためには「憲法に緊急事態条項が必要だ」との主張をここぞとばかりあおり立て、野党勢力の総屈服を引き出して改憲への道を開こうと狙っている。

関生・武委員長の即時奪還へ闘おう

 安倍の「緊急事態宣言」とその全国への拡大は、民衆の命を逆に一層の危険にさらすものだ。何よりも集団感染の危険が最も高い入管収容所や全国の拘置所・刑務所からの収容者の解放を拒否していることに、その犯罪性が示されている。
 労働組合つぶしの大弾圧により、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の武建一委員長が不当な未決勾留を強いられている大阪拘置所では、刑務官8人の感染(4月17日現在)が発覚した。武委員長の即時奪還を求め声を上げよう! 安倍の改憲へのあがきを許さず、安倍打倒へ、5・1メーデーを新たな出発点に闘おう。

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