団結ひろば 投稿コーナー
週刊『前進』04頁(3126号04面05)(2020/04/20)
団結ひろば 投稿コーナー
現場の声をもっと大きく! 千葉 内川康一
最近コロナウイルスの影響で職場でも検温とマスク着用が義務付けられ、1カ月分のマスクが会社から支給されました。朝礼もなくなったので仕事前に雑談をするような機会もめっきりなくなりましたが、作業中に暇をしているときや送迎のバス車内の会話を聞いていると政府の対策がいかにダメなのか、という政権批判の声がちらほら聞こえます。今まではこういうことはほとんどありませんでしたが、現場の労働者はちゃんとこういう空気を敏感にくみ取っているんだと実感しました。
しかも大多数を占める労働者への補償がないままに外出自粛をしろという国や自治体の「要請」への怒りも現場でも大きくなっています。当たり前です。大多数の労働者は貯蓄もなく労働をやめればそのまま飢えて死ぬのです。
しかも労働者に渡す金はないが、大企業へは返還不要の資金注入を行うのです。労働者が必死で納めた税金が、企業に還元される、これこそ不要不急の対策ではありませんか。国がどっちを向いて政治をしているのか一目瞭然です。
一方で、ネット上などではこうした政府の横暴を批判する人に対して「頑張っている政府を批判するな」という戦前の国防婦人会や隣組のようなことを言う人がいるのも事実です。
私は戦後生まれなので戦時中の空気を知りませんが、おそらくこういう状況で声の大きな政府応援団がはびこったのでしょう。改憲を行うということは、こういう人たちに刃物を与えるようなものです。絶対に許してはいけません。
現場の労働者の声はまだ小さいですが、全国にあまねく存在しており、もっと大きなものにしていくことができるはずです。今こそNOを突きつけましょう!
簡易卒業式でも「国歌斉唱」 北海道 雪村麻琴
神奈川県内に住む知人の子どもが今年高校を卒業した。神奈川県では例年3月冒頭に高校の卒業式が行われるが、新型コロナ感染拡大で一斉休校した。知人から聞くと卒業式は卒業生と教職員のみで行われた。卒業生の保護者にしてみれば、卒業の晴れ姿を見ることが出来ないことは至極残念とは思うが、新型コロナ感染予防のためには一定やむを得ない、と納得せざるを得ないところであったと思う。
ところで卒業式の内容はどのようなものであったか気になって聞いてみると、来賓祝辞などがなく簡素なものになっていたが、「君が代」斉唱はしっかりあったというから驚きだ。
厚労省が2月17日に示した「新型コロナウイルス感染を防ぐには」で「新型コロナウイルスは飛沫(ひまつ)感染と接触感染によりうつるといわれています」とある。
飛沫感染の危険を冒してでも「君が代」斉唱にこだわる。生徒の健康よりも国家の象徴への無条件的服従が大事。「国歌斉唱」の意味をこれほど示す事例はなかなかないと思う。
官邸の番犬・黒川弘務の罪状 東京 田宮龍一
安倍が「定年延長」という脱法行為までして検事総長に就かせたい黒川弘務(東京高検検事長)とはいかなる人物か。09年に小沢一郎が政治資金規正法違反に問われた「陸山会」事件で、黒川は法務省の大臣官房審議官として、小沢つぶしに暗躍し頭角を現した。11年に法務省大臣官房長就任。15年4月に公職選挙法違反の小渕優子衆院議員が不起訴処分、16年には大臣室で建設会社から現金を受領した甘利明が秘書ともども嫌疑不十分で不起訴となる。捜査現場に圧力をかけた黒川の仕業とされる。
その手腕を買われ、16年9月に黒川は法務事務次官に就く。森友学園問題で黒川は籠池泰典前理事長逮捕(17年3月)へと現場の尻をたたいた。むろん安倍夫妻を守るためだ。
18年3月には財務省の森友学園の決済文書の改ざんが表面化するが、黒川は大阪地検特捜部の追及意欲をつぶし、5月には佐川宣寿前国税庁長官(当時)らが不起訴処分となる。また、法務省「悲願」の共謀罪成立とバーターで、籠池の口封じ逮捕の密約が、菅義偉官房長官と黒川との間で交わされたと言われる。
総工費約9兆円の国家的プロジェクトであるリニア中央新幹線の工事談合事件では、17年12月に東京地検特捜部がゼネコン4社を強制捜査した。直後に、黒川と同期で疑惑を徹底追及すると目されていた林真琴刑事局長が、官邸によって突然名古屋高検検事長へと異動させられ、年が明けると捜査は葛西敬之名誉会長らJR東海経営陣に遠く及ばず尻すぼみとなった。
19年1月に東京高等検察庁検事長に就任。「官邸の番犬」としての黒川の罪状はここに書ききれない。
そして今、黒川は「桜」「IR」などの腐臭を放つ安倍を守るため、林を押しのけて検察トップに据えられようとしているのだ。