コロナ下で辺野古建設続行 基地強化を進める安倍倒せ
コロナ下で辺野古建設続行
基地強化を進める安倍倒せ
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、安倍政権は4月7日に「緊急事態宣言」を発した。安倍はこの緊急事態宣言を水路にして改憲への道を進もうとしている。しかしハッキリしたことは、安倍政権の危機は彼らの思惑を超えて進んでいるということだ。労働者階級の命と未来を守るための闘いが開始されている。その最先端の攻防が、名護市辺野古への新たな米軍基地建設を阻止する闘いだ。緊急事態宣言後も辺野古での工事は続いている。われわれは、命と未来を守る闘いを中断することなど断じてできない。「復帰」48年の5・15沖縄闘争を、沖縄と全国の労働者階級が心を一つにして闘おう!
辺野古新基地建設は破綻
辺野古への新基地建設が破綻的な状況にたたき込まれている。4月5日付の琉球新報は、大浦湾側の6件の護岸・岸壁工事の契約が3月末までに打ち切られていたことを報道した。工事が行われたのはいわゆる「K9護岸」の3分の1だけ。ここは初めて埋め立て工事が開始されたところだが、3分の1だけ工事を進めたあとは土砂の陸揚げ用の桟橋として使用されてきた。それ以外の五つの護岸・岸壁は着工もされないままだ。大浦湾側の軟弱地盤の問題が何ら解決できていないことを防衛省が自認したということだ。しかし、そのために総計302億円も支出されてきた。
追い詰められた防衛省は、護岸で囲わないで土砂を投入するというデタラメを行おうとしている。そして10日には設計変更申請に向けた「環境監視等委員会」での検討プロセスを終えて、今月中にも沖縄県に変更の申請を行おうとしている。緊急事態宣言下でも辺野古への新基地建設を進めようという安倍政権を許すわけにはいかない。
しかし、これらすべてが安倍政権の危機と破綻を鋭く示している。辺野古側の埋め立て工事も予定より1年以上遅れている。防衛省は「台風などの影響」と言っているが、辺野古で、安和で、本部町塩川地区で、日々不撓(ふとう)不屈に繰り広げられてきた闘いが強制した現実だ。
だが、だからこそ安倍は沖縄全体の基地強化を急ピッチで進めようとしている。5日には、3月に地対空・地対艦ミサイル部隊が配備された陸上自衛隊宮古島駐屯地の編成完結行事を開催。県内でも新型コロナの感染が拡大し市や医師会が延期や自粛を要請する中での強行に、住民から「市民を守らず危険にさらす」「島を軍事要塞にするな」と怒りの声が上がった。
基地の島の矛盾あらわに
10日には普天間基地から発がん性が指摘される有機フッ素化合物の一種PFOSが含まれた泡消化剤が敷地外に流出。基地の近くの子ども園の園児の頭上にも風にあおられて降り注いだ。「泡が飛んでいる!」「トックリキワタの木の綿が飛んでいる」と園児たちが騒いだことで大人たちも気付いた。子どもたちはそれが危険なものであることなど知らないのだ。
しかし翌日、除去作業現場を訪れた普天間基地の司令官は「雨が降れば収まるだろう」と暴言を吐き、回収の責任を放棄する姿勢をあらわにした。絶対に許すことができない。
そして米軍は9、10日、津堅島沖でのパラシュート降下訓練を2日連続で強行。一方で、米国防総省の方針に従って「安全保障上や部隊の運用に与えうるリスク回避」を口実に軍隊内での新型コロナ感染者の情報を一切隠している。県内で3人確認されたという報道以降は何もない。
この間、キャンプ・ハンセンや嘉手納基地に入る車両に対しては健康確認が行われ、ゲート周辺で渋滞が発生している。しかし、米軍基地から出る車両に関しては素通りだ。「悪く言えば、基地の外に感染を広げても自分たちだけ助かればいいという姿勢。誰を守るためにいるのか、こういう時にはっきりする」と、嘉手納基地関連の業務に就く労働者が怒りをあらわにしている(4月11日付沖縄タイムス)。
「基地の島」の現実は、何ら変わっていない。むしろ、この緊急事態宣言下で「基地の島」の矛盾が噴き出している。この矛盾との最先端の攻防を担っているのは、やはり基地で働く労働者だ。基地労働者が動くとき沖縄の労働運動が動き、米軍基地を揺るがすことができる。
5・15沖縄闘争に立とう
「基地の島」ゆえに強制されてきた「非正規職の島」の現実の中で、新型コロナの感染拡大によって観光産業は壊滅状態となっている。さらに農業や水産業なども大きなダメージを受けている。丹誠込めて育てた何万本ものキクが破棄され、水産物も県外に移出できない。「基地の島」「非正規職の島」ゆえの医療体制の貧弱さは、感染症の蔓延(まんえん)の中で一気に命の問題に直結する。生きるために、未来を守るために、職場や地域、学園で闘いが開始されている。
その中で迎える「復帰」48年・沖縄戦75年の5・15沖縄闘争は、新たな闘いに向けた挑戦の開始だ。辺野古新基地建設を阻止し、安倍を打倒し、米軍基地の全面撤去へ。「基地の島」の変革を通して、「非正規職の島」の変革へ。世代をこえた団結を生み出し、今こそ沖縄全島ゼネストへ闘いを推し進め生き抜こう。沖縄の労働者階級は、その力を戦後75年の闘いの中で培ってきたことに自信と確信を持って闘おう。
沖縄と本土の労働者階級の団結した闘いとして、「復帰」48年5・15沖縄闘争を全国で闘おう!
〔革共同沖縄県委員会〕