辺野古 最高裁が反動判決 安倍に追従し基地建設容認

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週刊『前進』04頁(3122号02面03)(2020/04/06)


辺野古 最高裁が反動判決
 安倍に追従し基地建設容認

土砂搬入阻止の実力闘争に恐怖

 沖縄県が名護市辺野古の埋め立てを止めるために起こした2件の訴訟のうち、通称「関与取り消し訴訟」について最高裁(深山卓也裁判長)が3月26日、上告を棄却し、県側の敗訴が確定した。辺野古新基地建設を強行する安倍政権に追従し、弁論も開かずに出した反動決定だ。絶対に許すことはできない。
 この裁判の経緯は以下の通りだ。米軍の新基地建設のための辺野古埋め立てについて、仲井真弘多知事(当時)が2013年12月に「県外移設」の公約を覆して埋め立てを「承認」したが、18年8月に翁長雄志前知事が埋め立て予定海域の軟弱地盤などを根拠に「承認を撤回」。防衛省沖縄防衛局がこれを不服として審査請求を申し立て、19年4月に石井啓一国交相(当時)が「撤回を取り消す」裁決を行った。
 その後、県は沖縄防衛局の審査請求は行政不服審査制度の悪用であり、これを同じ国側の国交相が裁決するのは違法であると、総務省の第三者機関に審査を申し出たが、却下され、7月にこの「関与取り消し訴訟」を提訴した。10月に福岡高裁那覇支部が「訴訟の対象にならない」と県の訴えを退け、県側が上告していたが、今年3月26日に最高裁が棄却し県側の敗訴が確定した。
 辺野古新基地建設に対しては19年2月の県民投票で、投票総数の72・15%が埋め立てに「反対」した。沖縄県民の意思は明確だ。しかし、この思いを日々踏みにじって工事が強行されている。17年4月に護岸工事が始まり、18年12月から土砂投入が続いている。資材と土砂がダンプカーなどで搬入される米軍キャンプシュワブのゲート前では搬入阻止の座り込みが闘われ、海上からの船を使った搬入に対してはカヌー隊が阻止行動を闘っている。コロナ情勢で労働者人民に「自粛」を要請する一方、沖縄防衛局は土砂投入をこれまで通り続けると表明している。これが支配階級のやり方だ。新基地建設を実力で阻もう。

自衛隊新部隊が南西諸島に配備

 辺野古新基地建設が強行される中で、自衛隊も増強されている。
 16年3月に与那国島に陸上自衛隊与那国駐屯地が開設され、沿岸監視隊160人が配備された。宮古島では19年3月に警備隊380人が配備された。そして、ちょうど75年前に米軍が慶良間(けらま)列島に上陸し沖縄戦が始まった日でもある今年3月26日、宮古島に新ミサイル部隊240人が配備された。さらに18年3月に相浦(あいのうら)駐屯地(長崎県佐世保市)に陸自水陸機動団=日本版海兵隊が、19年3月には鹿児島県奄美大島に警備隊とミサイル部隊550人が配備された。そして、石垣島での駐屯地建設が南西地域での陸自配備計画の総仕上げに位置付けられ、宮古島や奄美大島と同様の部隊が置かれようとしている。
 また、釣魚台(尖閣諸島)をはじめとした離島警備のためと称し、自動小銃やサブマシンガン、防護衣などを装備した151人の部隊を4月1日、沖縄県警に新設した。隊長は警察庁から派遣され、隊員のうち約40人は他の都道府県警からの出向者。今年度中に輸送用の大型ヘリ1機を沖縄県警に配備し、福岡県警にも別に1機配備する。
 米軍基地の密集する沖縄本島を挟む形で九州と南西諸島に自衛隊の新たな部隊を配備し、中国との戦争を構えている。戦争絶対反対、改憲阻止へ闘おう。
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