コロナ情勢の重大化に際し訴える 全労働者民衆の団結で命を守ろう 緊急事態宣言粉砕し安倍打倒へ!

週刊『前進』04頁(3122号01面01)(2020/04/06)


コロナ情勢の重大化に際し訴える
 全労働者民衆の団結で命を守ろう
 緊急事態宣言粉砕し安倍打倒へ!


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 新型コロナウイルス感染症の世界的大流行(パンデミック)を引き金とした世界経済の急激な分断・収縮が、1929年大恐慌も超える大恐慌の爆発を引き起こしつつある。第2次大戦後も延命に延命を重ねてきた資本主義の全矛盾が最終的な爆発局面に入った。全国の同志の皆さん、全ての闘う労働者人民の皆さん!革共同はこの重大情勢に際して訴えます。この情勢に立ち向かい、社会を崩壊の危機から救うことができるのは、労働者階級の団結した闘いだけだ。何よりも闘う労働組合を全国の職場によみがえらせること----これを軸にあらゆる分断を打ち破り、安倍政権を打倒して社会を根本から変革する力をつくりだそう。

資本主義の命脈は尽きた29年を超える恐慌の危機

 新型コロナウイルスへの感染者は4月1日現在、世界全体で85万人、死者は4万人を超えた。その数はさらに増加する勢いだ。
 中国・武漢からの報告に始まったこの感染症は、今やアメリカ、イタリア、スペインなどで最大の猛威をふるっている。中でも米の感染者数はあっという間に中国を抜き、3月末には18万人を突破した。世界最先端の「高度先進医療」に巨額の金が投じられてきたはずの米国で、マスクも人工呼吸器も、隔離に必要な病床も圧倒的に不足し、大量の患者が何の治療もなしに放置されている。米国内では今後、最悪24万人の死者が出るとの予測もあり、真っ先に行われているのはなんと「臨時遺体安置所」の設置という惨状だ。
 イタリアなど欧州でも、日本でもどこでも状況は同じだ。医療の崩壊は今回のパンデミックで始まったのでは断じてない。それ以前にとっくに崩壊していた。「命より金」の新自由主義のもと、医療が資本の金もうけの手段にされ、公立病院の解体や極限的なコスト削減による医師・看護師の絶対的な不足が進行し、必要な人に必要な医療を提供できない恐るべき状態に社会全体がたたきこまれてきたのだ。そこをコロナが直撃したにすぎない。
 問題は感染症だけではない。今や「コロナ解雇」の嵐が全国、全世界の労働者を襲っている。施設閉鎖や休業が強いられる中、非正規労働者や外国人労働者が真っ先に首を切られて路頭に放り出されている。中小零細企業の倒産、廃業とそれに伴う解雇・失業も続出し始めている。非正規職の低賃金労働者にとって解雇は直ちに飢えにさらされ、住む家を失うことにつながる。文字通り生存の危機に直面するのだ。絶対に許してはならない。
 しかも現在はまだ序の口だ。生産の縮小と信用の収縮、経済全体の大崩壊がこれから一挙に全世界的に進む。それは2008年のリーマンショックをも1929年の世界大恐慌をも超える、これまで経験したことのない激烈な大恐慌となる。第2次大戦の終結直後のように、数十万、数百万人規模の失業者が路上にあふれ、餓死者が続出する事態にもなりかねない。
 これに対して、労働者階級が進むべき道はただ一つだ。資本主義の命脈はもはや完全に尽きた。このままでは殺される! 全民衆の生命と生活はもはや、現存する帝国主義やスターリン主義の国家指導者によってではなく、彼らを実力で打ち倒し、彼らにとって代わる労働者階級自身の団結した闘いによってしか守れない。崩壊した医療の再建もその中でこそ可能になる。このことを徹底的にはっきりさせ、直ちに全力で立ち上がろう。

全土戒厳令・首都封鎖で戦争体制構築を狙う安倍

 各国の政府、支配階級はコロナ情勢に対して、「これは戦争だ」と叫んで国境封鎖、国内での「非常事態」宣言=戒厳令の施行にこぞって乗り出している。だがそれは労働者人民の命を守るためではなく、「治安の危機」「統治の危機」の突破という一点を目的としたものであり、支配体制の延命のみを必死に図るものだ。その最たるものが日本の安倍政権である。
 安倍はそもそも、政権の陥った危機をのりきり、改憲への道をこじあける手段として、7月東京オリンピック開催を絶対不可欠とし一切に優先させてきた。その結果、新型コロナへの初動対応を遅らせ、事態を深刻化させた。その破産に追いつめられる中、今度は一転して一斉休校を首相の独断で命令し、緊急事態宣言の発令を可能とする新型インフルエンザ特措法の改定を超特急で強行した。そして東京都知事・小池とともに全土戒厳令・首都封鎖へと必死に動いている。
 そこには労働者民衆の命や生活への考慮など、最初からひとかけらも存在しない。外出制限や休業を命じながら、それによって収入を絶たれる労働者人民への補償はしない。その一方で延期したオリンピックの開催にはあくまで固執し、巨額の国家財政を追加投入して強行しようとしている。「史上最大規模の緊急経済対策」なるものも大資本の救済が最優先だ。
 安倍の狙いは、このコロナ情勢を利用して戦争体制づくりを一気に推し進めようとする点にある。「緊急事態宣言」の発令は、集会やデモの禁止、土地・家屋の強制使用、輸送業務などへの労働者の強制動員。さらに政府による報道管制をも可能にする。まさに改憲攻撃の先取りそのものだ。
 すでにその発令を待たずに集会・イベントの中止や労働者人民の政治活動の全面的な「自粛」が強制されている。安倍がその腐敗を居直り、独裁権力を握って改憲・戦争に突き進むためにコロナを「国難」としてふりかざすことを、断じて許してはならない。事実、「政治休戦」が叫ばれているその中で、大軍拡予算や労働法制の改悪がまともな審議もなしに次々と国会を通過している。この「自粛」攻撃の最大の狙いはメーデーの圧殺だ。
 安倍は、労働者階級の怒りの爆発を今何よりも恐れている。連合をはじめとした既成の労働運動指導部の無残な総屈服を現場からの決起で打ち破り、5・1メーデーを断固闘いとろう。安倍と小池による首都戒厳令と対決し、安倍を打倒して労働者階級が社会の全てに責任をとる決意を示す時だ。5・1を総反撃の出発点として闘おう。

職場に労働組合をつくりストライキで闘おう!

 今や世界の労働者階級が団結して決起し、資本の支配を打ち倒す革命をやりぬいて、労働者民衆自身の手で社会の運営を開始する以外に出口はない。すでにその闘いは全世界で始まっている。日本の労働者もこれに続こう! 闘う労働組合と労働運動の再生こそが鍵を握る。全国の職場と地域で直ちに必死の闘いに立ち上がろう。
 香港、イタリア、アメリカ、韓国をはじめ全世界で一斉に闘われているのは、労働組合を中心とした命と生活を守るための不退転の闘争にほかならない。医療現場の要求をはじめ感染拡大を阻止するために必要な一切を、国家すなわち支配階級の全面的な経済的負担と責任で直ちに保障することを求める闘いだ。
 安倍政権は全社会に「自粛」を強要しながら、休業の発生に伴う労働者の賃金補償、仕事そのものを失うことになる膨大な数の非正規労働者や個人事業主の補償については、いまだに何一つ約束しようともしない。給付金も出さずに「1世帯につきマスク2枚を全戸配布」などとふざけきった対応に終始する安倍に、怒りの声が沸騰している。
 労働者が生存の危機に直面しているにもかかわらず、なおも自己の利害と延命のみを追い求める資本家階級とその政府に対し、今こそ労働者階級の要求をストライキで強制する闘いに立たなければならない。これを出発点に、彼らの打倒と労働者権力の樹立に向かって攻め上ろう。

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