動労水戸 常磐線再開弾劾しスト決行 労働者・乗客を被曝させるな

週刊『前進』04頁(3118号01面03)(2020/03/23)


動労水戸 常磐線再開弾劾しスト決行
 労働者・乗客を被曝させるな

(写真 勝田車両センター前で怒りの抗議 線量測定も防護対策もなく常磐線全線開通を狙うJRを弾劾した【3月13日 ひたちなか市】)

 JR東日本は3月14日のダイヤ改定で、2011年3・11福島第一原発事故で不通区間となっていた常磐線の富岡―浪江間の運行再開を強行し、全線開通させた。今も放射線量が高く、帰還困難区域に囲まれているこの区間で列車を走らせることは、「復興オリンピック」を演出するために労働者と乗客に被曝を強制するものであり、絶対に許すことはできない。

線量を測定しろ!防護対策をとれ!

 ダイ改前日の13日、動労水戸は常磐線全線開通に反対して組合員3人が時限ストライキに決起し、勝田車両センターのゲート前で抗議行動を行った。ストは、木村郁夫委員長を含め運転士がこの日の始業から午後まで突入し、貫徹した。
 勝田車両センターは、常磐線を走った車両の検査・修繕、洗浄、清掃を担当する。車両センター前に動労水戸の組合員と動労千葉、支援者がかけつけ、20人で午前11時から1時間、JRに抗議し、労働者に対しては共に闘おうと訴えた。
 木村委員長は、常磐線を開通させてはならないと訴え、「これから常磐線を走り放射性物質が付着した列車がここに帰ってきます。線量を調べろ、防護対策をとれ、と一緒に闘いましょう」と呼びかけた。
 高野安雄交渉部長が12日に行った動労水戸とJR東日本水戸支社との団体交渉を報告した。動労水戸が試運転車両の床下のフィルターについたちりを調べたところ、通常の23倍の1㌔グラムあたり2350ベクレルという高濃度の放射性物質が検出された(本紙3114号)。「団交でこの検査結果を突き付けても、会社は『必要な除染は完了している。車両に放射性物質がつくとは考えていない。線量の測定はしない』という従来と同じ回答を延々と繰り返した。社員の命のことなど全く考えていない」と激しく弾劾した。
 石井真一副委員長はグループ会社のMTS(水戸鉄道サービス)が、労働者に放射線についての教育も対策もないまま車両の屋根裏のエアコンのフィルターの掃除や車両センターの清掃をさせようとしていることを弾劾した。動労千葉の渡辺剛史執行委員が「(放射能)23倍ちり問題は非常に厳しい問題です。共に闘います」と訴えた。
 正午から昼休みになり、車両センターで働く組合員がゲート近くに集まり街宣行動を激励した。

怒り必ず爆発する闘いはこれからだ

 3・11以来、動労水戸は被曝労働拒否・常磐線全線開通反対を先頭で闘ってきた。JRと安倍政権は全線開通を強行したが、被曝(とりわけ内部被曝)の問題は何一つ解決していない。動労水戸は車両のフィルターのちりに通常の23倍の濃度の放射性物質が付着している事実をつきとめ、記者会見で公表し、職場で組合情報を配布し、常磐線駅頭に立って訴えている。
 JRが車両の線量測定さえ拒否し、防護対策をとらないことに対する労働者と乗客の怒りはこれから爆発する。常磐線を通してはならない。動労水戸と共に労働者と乗客の命を守る闘いを続けよう。
このエントリーをはてなブックマークに追加