女性の怒り「自粛」吹き飛ばす 各地で3・8国際婦人デー行動

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週刊『前進』04頁(3116号04面01)(2020/03/16)


女性の怒り「自粛」吹き飛ばす
 各地で3・8国際婦人デー行動


 2020年3・8国際婦人デーに、全世界で女性たちが差別と抑圧、貧困への怒りを解き放ち、集会、デモ、ストライキに立った。新型コロナウイルスの感染拡大を利用して「自粛」を迫り、戦争体制への転換を図る安倍政権ら世界の資本家階級とその政府のもくろみを吹き飛ばし、社会変革の主体として登場した。

東京
 職場要求が次々と

 東京では3月8日、としま区民センターで国際婦人デー集会を開催しました。実行委員会で、当初予定した講師を招くのではなく、新型コロナウイルス情勢下で職場・地域で始まった闘いを訴えて自粛ムードを打ち破ろうと決定。135人が参加しました。
 星野全国再審連絡会議の星野暁子さん、三里塚芝山連合空港反対同盟婦人行動隊の宮本麻子さんの発言、動労千葉のメッセージに続いて、基調報告で婦人民主クラブ全国協議会の川添望さんが安倍政権を徹底弾劾。「休校・休業・解雇、賃金カットなどに対して女性は怒りを爆発させている。その怒りの先頭に立って闘おう」と訴えました。
 三浦半島教組の労働者が「突然の休校宣言で職場の非正規職員はどうなる! 給食に納品する地域の八百屋さんはつぶれないか? 安倍首相は子どもの命を守るなどと言うがどの口で言うのか!」と怒りの発言。
 病院職場からは「職場でコロナ患者が出た場合の自宅待機者への賃金補償、感染を阻むための対策を組合として要求した」と報告がありました。介護職場からも「緊急申し入れで在宅部門にラビネット消毒液を支給させた」と闘いの前進が語られ、自治体労働者も「仲間の資料を参考に要求書を出したい」と述べました。児童館の仲間は「この過程で現場の労働者の力を自覚した」と語りました。
 常磐線全線開通と闘う茨城の仲間が3・11反原発福島行動を呼びかけ、郵政非正規ユニオンの仲間のメッセージが紹介され、コンビニ関連ユニオンの仲間が東大阪の松本オーナーへの支援を訴えました。
 風雨の中をデモに出発。自粛ムードを打ち破り、生きるために闘おう!という呼びかけは沿道の圧倒的注目を集めました。
(T)

関西
 解雇・セクハラNO

 新型コロナ戒厳令をぶち破って、エルおおさかでの関西3・8集会には105人が結集した。
 歴史的大弾圧の中、関西生コン支部の坂田冬樹副委員長が駆けつけ、「婦民全国協の女性闘士の皆さんに敬意を表します。物流・鉄道を止める闘いで、団結すれば社会を変革できる。山をも動かせる!」と檄(げき)を飛ばした。
 集会実行委員会の深町加代子さんが基調報告を行った。「安倍はコロナを使って改憲をやろうとしている。今、資本は女性を非正規にたたき込み、セクハラ・パワハラで怒りの声を封じ込めようとする。奈良非正規解雇セクハラ裁判はこれに敢然と立ち向かった。今後大きな闘いの軸となる。3・8の意義を改めて鮮明にし、プロレタリア革命に向かう拠点をつくろう! 戦争反対で職場、街頭に鮮烈に登場しよう」と呼びかけた。
 続いて、婦民全国協、八尾北医療センター労組、全国水平同盟、奈良市従業員労組女性部、朝鮮戦争に反対する在日朝鮮人の会などから発言があり、会場は熱気に包まれた。
 最後に「改憲・戦争を阻止する決議」「星野再審勝利決議」を採択した。
 デモには同会場で中止となった反原発集会に来た人も合流し、西梅田公園まで戒厳令をぶち破る春一番となった。
(Y)

広島
 団結した力を実感

 広島国際婦人デー集会は3月8日、「被爆75年の広島で女たちは立ち上がろう! 今こそ国際連帯で改憲・戦争をとめよう!」を掲げ、35人が参加しました。実行委員会が「憲法連続学習会を重ねてきた。なぜ広島に原爆が落とされたのか?」と軍都広島の歴史をスライドを使い解説。原爆詩人、栗原貞子さんの闘いと詩を報告しました。
 自由討論では、婦民全国協の仲間が中心に立った昨年の拡声器規制条例に反対する取り組みが報告されました。教育労働者からは、「安倍政権のコロナ対策としての一斉休校は戦時を思わせる。職場・地域で怒りの声が満ちている」との意見が出されました。
 安芸太田町議会議員の大江厚子さんは弾圧に負けずに3月議会をやり抜いていると報告しました。
 広島の繁華街・アーケードを通り原爆ドームまで、集会禁止ムードを吹き飛ばしてデモ行進しました。
 交流会では、ふだん言えないことをもっと話し合える会にしたいと積極的な意見が出されました。コロナウイルスの感染拡大という医療と社会の崩壊、特措法改悪―緊急事態宣言は改憲・戦争への道。集会準備から成功へ、実行委の女性の団結の力を実感しました。
 8・6ヒロシマへ具体的に取り組み、仲間を拡大していきましょう!
(高陽第一診療所労組・矢田三恵)

福岡
 被爆者先頭にデモ

 3月7日、福岡市立中央市民センターで国際婦人デー集会を開催しました。主催者から婦民全国協福岡支部長が「新自由主義で医療崩壊をもたらしておきながら、新型コロナウイルスの感染拡大を口実に緊急事態を宣言し、改憲をやろうとする安倍政権は打倒しかない」と開会あいさつ。
 メイン企画として映画「ひろしま」を上映しました。婦民全国協会員で長崎の被爆者のHさんが、「私も映画の女子高生と同じ体験をした。皆さんと一緒に行動できてとても元気になった。これからも頑張ります」と決意を語りました。
 学童保育の現場からは「休業補償」なき「一斉休校」の下で、長時間の過重労働となっているという怒りの告発がありました。
 集会には教育労働者をはじめ新たな参加者が加わり、広島に続いて福岡―九州で「改憲阻止教職員100人声明」運動をつくる出発点となりました。
 雨中でしたが、Hさんを先頭に安倍への怒りを爆発させ、天神警固公園までのデモを元気に貫徹しました。
(福岡・A)

東北
 水道民営化阻止へ

 3・8国際婦人デー東北行動実行委員会は3月8日、仙台市内で「命よりカネもうけの社会をかえよう」「水道民営化を阻止しよう」をテーマに、佐久間敬子弁護士(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)からお話を受けました。
 全国初という宮城県の「上、工、下水道事業のみやぎ型運営方式」は、公共インフラの民間への売り渡し、民営化です。「官から民へ」は安倍政権の政策そのものです。「誰のための水道民営化か」「その必要はない」と核心をつく内容で、理解が深まりました。 阻止の運動はこれからです。街頭でも反応が熱く、「納得いかない」「署名ないの?」など怒りの声が多く聞かれました。
 雇いどめ撤回を求める村岡さん裁判と介護現場、3・11反原発福島行動に向けて婦民全国協福島支部から報告を受けました。
 休校、催し物中止、フリー・スペース閉鎖などの自粛ムード、権力の監視をはらいのけ47人が集まりました。参加者から「もの言うことも自粛か?」「緊急事態宣言、根拠のあいまいな入国制限でレイシズム、差別が強まる」など怒りが集まる一日となりました。
(東北実行委・谷康子)

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