コロナ解雇粉砕・20春闘勝利へ 労働組合の団結力発揮しよう 安倍独裁の緊急事態宣言発動許すな
コロナ解雇粉砕・20春闘勝利へ
労働組合の団結力発揮しよう
安倍独裁の緊急事態宣言発動許すな
東日本大震災と福島第一原発事故から9年を迎えた11日、郡山市で反原発福島行動20が600人の参加で開催された。同日発表された春闘要求に対する主要企業の回答では、トヨタ自動車や鉄鋼大手3社などがいずれも「新型コロナウイルス感染拡大に伴う先行き不透明感」などを口実に7年ぶりのベアゼロとなり、他の企業もこれに続いて軒並み低額回答となった。安倍の一斉休校や自粛要請の影響で膨大な数の労働者が仕事を失い、生活が困窮する中、大資本は労働者を犠牲にして生き残ろうとしている。労働者が生きるために今こそ労働組合の闘いが必要だ。職場で闘いを拡大し、3・22新宿デモに決起しよう!
「東京オリンピック中止」の危機に焦り深める安倍
新型コロナウイルス感染症の拡大防止に名を借りた安倍政権の許しがたい暴挙が続いている。3月5日、安倍は韓国、中国からの入国者全員に対して、検疫所長が指定した場所で14日間の待機と日本国内での公共交通機関の使用自粛を「要請」すると表明した。韓国、中国には事前の相談もせず、政府の感染症対策本部で一方的に決定し、9日午前0時から適用した。
安倍は「水際対策の抜本的強化だ」と見え透いたうそをついているが、すでに国内で感染が拡大している状況であり、水際作戦という段階ではない。実際には「東京五輪開催の取り消しがささやかれるなど、危機に直面した安倍晋三首相の〝苦肉の策〟」「『復興五輪』を掲げ、政治的命運をかけて推進してきた東京五輪が延期または中止になるかもしれないという危機感から、十分に準備もなく性急に決定した」(3月6日付ハンギョレ新聞日本語版)というのが真相だ。
10日には、政府は2012年制定の新型インフルエンザ等対策特別措置法を今回のコロナウイルスに適用する法改定を閣議決定し、国会に提出した。同法に基づき首相が「緊急事態」を宣言すれば、都道府県知事を通じて、住民への外出禁止要請、学校や福祉施設などの利用停止、土地・建物の強制使用、医薬品や食料品の強制収用などのあらゆる強権的措置をとることができるようになる。
自民党が憲法に新たに導入を狙う緊急事態条項を先取りした内容であり、首相が国会も地方自治も無視して独裁権限を行使できるようにするものだ。この憲法無視の重大法案に立憲民主党と国民民主党は早々と賛成した。これに対し、都教委包囲ネットワークが9日から緊急国会行動を呼びかけ、とめよう戦争への道!百万人署名運動と改憲・戦争阻止!大行進も連日国会行動に決起した。
東京23区で真っ先に公共施設全面休止という異例の措置を決定した杉並区・田中良区長に対しては、予定していた絵画展と講演会の取りやめを余儀なくされた星野さんを取り戻そう!杉並・高井戸の会などが緊急の抗議行動を展開し、区に対して決定の撤回を求め、申し入れを行った。
安倍政権は、集会・デモをはじめ労働者民衆の一切の行動を徹底的に圧殺し、各種イベントなども軒並み〝自粛〟させながら、オリンピックだけは強行し、改憲まで突き進もうとしているのだ。改憲をめぐる攻防は一気に決戦局面に入った。3・22新宿デモに怒りの声を結集しよう。
連合幹部の春闘解体策動はね返し闘う組合再生を
「感染症対策」と称して安倍政権がつくりだしている自粛ムードは、春闘にも大きく影響している。連合は地域の春闘集会や3・3中央集会を中止し、トヨタ労組も例年開催している5千人規模の大集会を中止した。全労連も同じ理由で神奈川での3・1県民集会を中止し、3月3日には「感染拡大防止に、官民あげて尽力すべき局面に入った」と政府に要請して、連合以上に親密な安倍政権との協力関係をアピールした。
さらに新型コロナウイルスの感染拡大を契機に発生した全世界同時株暴落は、08年リーマン・ショック以来、各国の未曽有の「恐慌対策」で隠されてきた世界経済の脆弱(ぜいじゃく)性を一気に露呈させた。こうした中で迎えた11日の集中回答日には、主要企業によるゼロ回答・低額回答が相次いだ。
連合幹部はこれに対し、資本と闘って労働者の命と生活を守るのではなく、企業防衛に走った。自動車大手では、トヨタに続いてマツダとスバルの労組がベアの要求額を非公開とし、統一的な春闘を放棄した。さらにトヨタ労組は、人事評価に応じて従来よりもベアの額に差をつける要求を提出し、ホンダ労組も「従業員の意欲に応じた支給分の増額を求める方針」に転換した。「労働者にとって重要なことは賃上げよりも人事評価だ」と言わんばかりの対応を、労働組合の側から行っているのだ。これでは春闘など意味が無いものになり、労働組合の存在意義そのものが否定されることになる。
電機連合では、これまで主要労組が要求額と交渉日程をそろえて同一のベア回答を引き出す「統一闘争」が慣例であったが、今年の春闘方針では各社の妥結額に差が出ることも認めた。連合主導の春闘はもはや労働者の経済状況の改善や権利拡大を放棄している。
このような春闘の解体は、安倍が狙う「労組なき社会」化の攻撃の重要な柱をなしている。だが、この攻撃をはね返し流れを変える力は職場にある。すでに医療現場では、職場から具体的な要求を掲げて闘いが始まっている。合同・一般労働組合全国協議会が展開している「コロナ関連労働相談」には、多くの労働者から相談が寄せられている。安倍政権や連合幹部の思惑を超え、貧困にあえぐ労働者の反乱が始まろうとしているのだ。
労働者の命と生活を守ることができるのは労働組合なのだ。そして労働者の根源的な闘争である賃金闘争としての春闘が今こそ重要なのだ。賃金により分断され、賃金によって搾取されているからこそ、賃金闘争は労働者にとって資本と対決する契機をつくるものなのである。春闘解体を狙う安倍政権や大資本の攻撃をはね返し、ストライキの復権をかちとろう。
千葉の3・14ストに続き全産別で3月決戦へ
ストライキは労働者の要求を実現するための手段であるだけでなく、社会を動かしているのは自分たちだということを労働者自身が自覚する場であり、バラバラにされていた労働者が一つの階級として行動し団結する、階級形成の決定的な契機となるものだ。今、労働者の階級性を示すストライキが抑え込まれている現状を見れば、日本は階級闘争圧殺の新自由主義攻撃が最も広範に貫徹されている国であるとも言える。だが、そうであればなおさら労働運動を当たり前に実践することが、きわめて重要な階級形成の契機としての意味を持つのである。
当たり前の労働運動を原則的に、階級的に闘ってきた全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧は、ストライキという労働者の根源的な権利を奪い取る攻撃だ。これに対し、関生支部支援運動が全国の職場や地域で広がり、労働組合を階級的によみがえらせる労働者の自己再生運動として展開されている。
「労組なき社会」化を狙う安倍政権との最先端の攻防点であるJR職場においては、東労組解体に続く攻撃として、動労千葉の木更津支部長への不当な減給・強制出向処分が出された。動労千葉は2月20日に木更津運輸区前で緊急の抗議行動を展開し、29日の定期委員会でダイヤ改定当日の3月14日に木更津運輸区を拠点にストを配置し闘う方針を確立した。また2月28日には、JR東日本に対し、ウイルス感染防止策の徹底とそのための人員を確保すること、社員の体調管理を会社責任で行うこと、「感染対策休」は有給とし「自宅待機」とする場合は労働時間として扱うことなどを申し入れた。
不当処分を受けた木更津支部長は、組合員との座談会で次のように語る。
「自分の思いは、安全が一番大事だってこと。鉄道の安全が保たれてきたのは、やっぱり労働者一人ひとりが真剣に取り組んできたからなんだよ。会社がやっているんじゃない。(1988年の)東中野事故では同期の運転士が過密ダイヤで殺された。結局、会社は口だけで、労働組合が安全を守っている。労働組合が弱くなれば、第2の東中野事故がいつ起こってもおかしくない」「動労千葉は労働運動の王道を行ってきた。もちろん大変なこともあった。だけど、それで屈しない。自分たちが闘って道をひらく。それが労働組合の本当の姿だし、労働者としての考え方だと思う。動労千葉のとってきた道は間違っていない。処分があっても、自分は動労千葉で良かったし、誇りに思う」(「日刊動労千葉」8760号から抜粋)。
労働者とその家族が生きるために、今こそ闘う労働組合が必要だ。動労千葉のように労働者が誇りをもって闘える労働組合の登場が、今ほど求められている時代はない。動労千葉と共に3月決戦を闘い、あらゆる職場に階級的労働運動をよみがえらせよう。
全国から3・22新宿デモ、3・29三里塚総決起集会に集まり、反撃ののろしを上げよう!