香港 医療労働者スト処分に反対 54の労働組合が共同声明
香港
医療労働者スト処分に反対
54の労働組合が共同声明
新型コロナウイルスの感染拡大の中、香港で2月3日から7日まで闘われた9千人の医療労働者のストライキは「逃亡犯条例」改悪に反対する昨年6月以降9カ月にわたる香港の闘いを新たな段階に押し上げた。新組合が続々と結成され、次々とストライキや職場闘争に入っている。2月28日には、消防士の新組合が初の組合大会を開催した。
「ストは無罪だ!」
2月28日、医療労働者ストライキへの処分に反対し、54の労働組合が声明を発した。翌29日に合同記者会見を行い、「ストライキは無罪だ。弾圧には理由がない。労働組合は処分を認めない」と訴えた。
声明では、医療労働者は、中国と香港の境界封鎖や病疫拡大への対処、医療労働者への充分な防護設備の提供、労働環境の安全確保などを求めてストライキを行ったが、医院管理局はこれらの「要求への回答を拒絶」し、「合法的ストライキへの参加を『欠勤』として無給にし、『さらに対処を考える』と労働者を恫喝している」と弾劾し、直ちに処分や恫喝をやめ、「処分しない」ことを明らにしろと要求している。
さらに声明は、昨年11月と今年2月、2度のストライキに立ったコンビニ事務労働者を会社が正社員にせずに試用期間を延長し、労働組合が乗り出すやいなやこの労働者を解雇した事件を弾劾し、コンビニ労働者への処分撤回と正社員化も要求している。
強まる弾圧に対し、職種や産別を超えて労働組合が団結し、一致して反撃する行動が力強く始まっているのだ。
追悼行動を大弾圧
昨年8月31日に太子駅で起こった警察による無差別民衆暴行事件から6カ月目にあたる2月29日、多数の労働者・学生が太子駅に集まり、事件の追悼行動を行おうとした。
逃亡犯条例改悪反対の闘いが高揚した昨年8月、5日に香港全土でストライキ、12日に空港占拠闘争、18日に170万人デモが行われた。これに恐怖した香港政府と警察は、31日の大規模デモを許可せず、主催者3人を逮捕する暴挙に出た。
だが集まった数万規模の労働者・学生は警察と激突しつつデモを闘いぬいた。追いつめられた警察は太子駅構内に突入し、電車の中まで入って無差別暴力をふるい、負傷者が多数出た。死者が出た疑いも捨てきれない。
29日、民衆は太子駅に集まり、白い花束を献花しようとした。警察はこれを禁圧しようと献花を妨害し、罰金と逮捕で恫喝した。怒った労働者学生は路上にバリケードを築いて抵抗。警察は催涙弾や胡椒(こしょう)弾を乱射し、激突は翌早朝まで続いた。一晩で115人が逮捕された。
悪政清算の闘いを
前日の28日、昨年8・31集会に参加した容疑で、3人の著名な民主派活動家が逮捕、即日起訴された。
その1人が、元立法会(国会)議員であり、昨年日本の11・2国際連帯集会にメッセージを寄せた香港職工会連盟事務局長の李卓人氏だ。彼は昨秋以来の新労組結成運動を主導し、支援してきた。2・29行動への事前弾圧であり、同時に新労組の結成運動とその発展に対する攻撃そのものである。絶対に許せない。
李卓人氏は、当日起訴後に保釈され、集まった支援者に「悪政清算の闘いは続く。職場を守り、『五大要求』の闘いを堅持しよう」と訴えた。
団結は力だ。弾圧と対決し、不屈に前進する香港の労働者・学生と連帯し、共に勝利しよう!