闘いは進む 青年の職場から 職場で討論をつくり訴え、指名ストライキに決起 医療・福祉 関西 福田舞衣

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週刊『前進』04頁(3114号02面04)(2020/03/09)


闘いは進む 青年の職場から
 職場で討論をつくり訴え、指名ストライキに決起
 医療・福祉 関西 福田舞衣


 医療職場で働いていて、労働組合で闘っています。
 私の職場では、この冬季一時金をめぐって半日の指名ストライキを行いました。夏の一時金を0・6カ月と超低額回答したのに対して「冬の一時金で夏の減額分は挽回(ばんかい)する」と経営は公言していました。しかし実際にふたを開けてみると冬季一時金は夏の減額分挽回どころか0・8カ月という再びの超低額回答でした。
●組合員が30分間追及
 団交に向かう過程で各職場の職場委員に「現場から声を上げないと絶対に変わらない」と団体交渉への参加を訴えました。団交に参加したり発言したりするのは組合員にとって、経営に顔を覚えられるという面でかなり緊張感があります。これまでなかなか団交への参加というのは難しかったのですが、今回は職場委員が多く駆けつけ、経営に対して一時金回答や経営の在り方に対して組合員が30分間追及し続けるという感動的なことが起こりました。
 「発言できなくても参加するだけでも経営の圧力になる」と言って団交への参加を組織しましたが、経営の「経営陣の給料カット分は安定経営に回す。職員の一時金アップのためには使わない」という姿勢に対して、「職員の生活を大事にしない職場で安定経営なんてあり得ない。職員あっての経営でしょ!」と怒りが爆発しました。団交で経営の労働者軽視の態度を直接見て、経営とは非和解であることを感じ、経営を追及する自己解放的な経験を多くの組合員が体験し、団交後にはみんな生き生きして自信をつけたように見えました。
 労組では今期になってから、職場委員会を再組織したり、青年部活動をレク的なものだけではなく学習会や集会参加など、組合活動家を組織するものとしてつくってきました。その地道な活動が実り、団交やストライキには職場委員や青年労働者を中心に参加しました。それまでの「興味がある人が参加する」という形式ではなく、「職場の代表として参加している」という意識をみんなが持ち始めており、組合が組織的に運営されてきていることが感じられました。
 この数年間でストライキを復活させてきたことで、組合員の中にスト方針が位置づき、スト方針はすんなりと承認されました。しかし実際には「当日の人員が少ないので迷惑をかける」「ストやっても変わらない」など、管理職や知人からのネガティブオルグがあり、当日になるまでストに入れるか分からない部署もありました。
 しかし、執行部がその部署に出向き、周りの組合員に呼びかけると、人員が少ない中でも組合員は業務分担を変更し、ストに送り出す体制を整えてくれました。
●「参加してよかった」
 ストライキ中は、とくに立ち上がった女性組合員が底抜けに明るく、韓国のトールゲート労働者の明るくたくましい姿と重なりました。ストライキ終了時の集会では、前日まで参加を迷っていた組合員も含めて全員が「参加してよかった」と笑顔で発言していたのは感動的でした。ストライキは労働者の意識を変えるんですね。
 今回の闘いで感じたのは、職場で自分一人では日和(ひよ)ってしまうような状況でも、執行部が当該と団結して討論をつくり訴えれば、応えてくれる労働者は必ずいるし、その一歩が情勢を変えるということです。私の職場でも、自分が指名ストライキに入ることをみんなに訴え、メッセージカードやリボン闘争を呼びかけると、ほとんどの人が協力してくれました。自分の職場で闘いをつくるのにはこれまで壁がありましたが、一歩前に進むことができたと思っています。

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