命の防衛より治安対策を優先安倍政権打倒へ今こそ決起を 3・11福島―3・22新宿デモに立とう

週刊『前進』04頁(3110号03面01)(2020/02/24)


命の防衛より治安対策を優先
安倍政権打倒へ今こそ決起を
 3・11福島―3・22新宿デモに立とう


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 「改憲をやる」という一点で財界や極右勢力に支持され、数々の不正・腐敗を居直って延命してきた安倍政権が、ついにがけっぷちへと追い詰められた。共同通信社の世論調査(2月15、16日)では、政権支持率は41・0%で前月比8・3㌽も急落、不支持率は9・4㌽上昇し46・1%となった。「桜を見る会」をめぐる不正・腐敗、IR疑獄、東京高検検事長・黒川弘務の定年延長や国会での安倍の暴言などに、怒りの声が噴出している。改憲・戦争阻止!大行進実行委員会が主催する3・22新宿デモ(正午から新宿駅南口で大演説会、午後2時30分に新宿中央公園からデモ出発)にすべての怒りを総結集させよう。

感染拡大は情勢の重大な転換点

 新型コロナウイルス感染拡大は情勢の重大な転換点となっている。「ダイヤモンド・プリンセス号」は、今や乗客や世界の科学者から「ウイルス培養器」「浮かぶ監獄」との批判が続出している。科学的知見に基づかず、対応のすべもないまま、「水際対策」演出の政治的パフォーマンスを優先させ、「船内隔離」方針をとった末の大破産だ。
 安倍政権の対応は周辺国と比較しても異常だ。韓国では、「防疫および診断訓練プログラム」を2017年から2年間で作り、その後訓練も積み、新型コロナウイルス発生に対しては訓練通り1カ月で診断キットを作りあげた。また14日以上の入院隔離世帯に対して生活費支援も保障する。マレーシアやシンガポールも様々な形で雇用・生活支援を行っている。
 安倍政権はどうか。8時間労働制解体のために政府と資本家団体が準備してきたテレワークの推奨に利用するのみだ。それどころか、新型コロナウイルス対応など「前例のない緊急事態」を口実に、春闘では自動車、電機などで連合幹部らが統一ベア要求を放棄し、ベアへの人事評価導入を労働組合の側から求める動きが加速している。賃金が上がらず、貧困が一層深刻化し、格差がますます拡大することは明白だ。
 要するに競争に次ぐ競争で、とことん働けということだ。労働者が人間らしく健康を維持して生活していくことすら否定する。本紙前号既報の国立感染症研究所の研究費・経費の削減や公立病院の再編・統合などの医療破壊と一体で、雇用破壊を狙う安倍政権が新型コロナウイルス感染拡大の土壌を生み出している。
 かつて産業革命は、長時間・深夜労働を生み出すと同時に結核を蔓延(まんえん)させた。労働者が生きられない現実が階級闘争とマルクス主義を生み出し、プロレタリア革命の時代を引き寄せた。21世紀現代は再びプロレタリア革命の時代を到来させている。

大恐慌の激化と日本経済の崩壊

 新型コロナウイルス感染拡大は、中国の内需下落とサプライチェーン(国際的部品供給網)の破綻で大恐慌を激化させる。
 例えば米国内で販売されているスマートフォンの8割、ノートパソコンの9割が中国で造られている。しかも一つの製品の生産工程を複数の国が受け持つ分業体制、つまり、日本、韓国、台湾、東南アジアから部品を輸入して中国で組み立てるという構造がある。新型コロナウイルス拡大はこのサプライチェーンに基づく中国、アメリカと世界経済の混乱・縮小を促進している。
 中国スターリン主義・習近平政権は経済危機・体制的危機の爆発におびえ、1兆2千億元(約18兆7千億円)を株式市場に供給することを明らかにした。安倍政権も経済対策を打ち出した。米FRB(連邦準備制度理事会)が再度の利下げに転じる可能性も高い。それらは結局、バブル崩壊の危機を引き寄せる。中国との関係を深めてきたドイツを中心とする欧州経済の危機も深刻だ。
 とりわけ日本経済の危機はすさまじい。10〜12月期のGDP(国内総生産)が年率換算6・3%減となった。上場企業は6・6%の減益である。さらにこれから新型コロナウイルス拡大の影響が露呈する。
 2月7日、日本製鉄が、2020年3月期の連結最終損益が当初の黒字予想から一転して4400億円の大赤字に転落する見通しを発表した。同時に、高炉の休止を決めた呉製鉄所(広島県呉市)を23年9月末をめどに閉鎖すること、和歌山製鉄所(和歌山市など)の高炉2基のうち1基を22年9月末までに休止することを発表した。鉄鋼業界の再編はさらに不可避だ。自動車も同様の事態だ。日本経済が根幹から崩壊に向かっている。
 呉製鉄所の労働者は協力会社を含めて3300人。労働者の生活や地域経済破壊の規模は計り知れない。
 有り余る生産力が社会と生活を破壊していく、資本主義の矛盾が爆発している。これを突破する道は、資本間・国家間の利潤獲得競争のための生産ではなく、労働者人民が必要なものを生産し享受するためにプロレタリア革命をかちとること以外にない。

改憲に延命託す安倍政権許すな

 この日帝の国際争闘戦からの脱落の激しさが安倍を改憲と「働き方改革」攻撃へと激しく駆り立てている。どれだけ絶望的であろうとも、労働組合を解体し、9条改憲で戦争ができる国へと大転換する以外に延命の道はない。
 3月8日予定の自民党大会で採択される自民党2020年運動方針の原案が明らかになった。改憲について「改正原案の国会発議に向けた環境を整えるべく力を尽くす」と明記している。しかも、2012年12月の第2次安倍内閣発足後初めて、憲法を独立した章として前面に打ち出した。21年9月の安倍の総裁任期切れを見据え、改憲に全力をあげようとしている。改憲への怒りと結びつき、改憲・戦争阻止!大行進運動を原則的で柔軟な闘いで発展させよう。
 改憲攻撃は、安保や基地の強化、差別・排外主義の激化や入管体制の強化、生存権の破壊など、あらゆる形で始まり、いたるところで反撃が起こっている。このすべてを改憲阻止・安倍打倒の一点にまとめ、行動する運動体が大行進だ。現にある怒りに依拠し、改憲阻止を「絶対阻止」決戦として愚直に貫こう。
 「働き方改革」攻撃こそ、労働組合を解体するもう一つの改憲攻撃だ。JRでの運転士・車掌の職名廃止との闘いは、その重大な激突点だ。労働基本権を解体する関生弾圧との闘いと一体で、労働運動再生への道を切り開こう。
 3・11反原発福島行動―3・22アベたおせ!新宿デモの高揚で、安倍打倒!の大闘争に立ち上がろう。

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