ビキニ66周年3・1反原発集会へ 原発再稼働も核戦争も止める

週刊『前進』02頁(3107号01面03)(2020/02/13)


ビキニ66周年3・1反原発集会へ
 原発再稼働も核戦争も止める


 米帝によるビキニ環礁での水爆実験で第五福竜丸などが被爆した3・1ビキニ事件から66年、全ての核を廃絶し全原発を廃炉にすることを誓い直して立ち上がろう。

福島圧殺を狙う帰還強制許すな

 安倍政権は1月17日、福島県の双葉町、大熊町、富岡町の一部の避難指示を3月に解除することを決めた。「帰還困難区域」では初めての解除だ。居住開始は2022年春からとしているがとても住める環境ではない。帰還困難区域からの避難者2274世帯に対する住宅の無償提供も、3月末で打ち切られる。3月のJR常磐線全線開通と合わせて、放射能汚染地域に帰還を強制する、こんな殺人的暴挙を許してはならない。
 福島の県民健康調査で甲状腺検査を縮小する動きも、県内外からの反対を浴びているとはいえ一貫して続いている。「健康被害などない」という大うそで原発も戦争も核もすべて認めさせようというのだ。これら一切を「復興五輪」の名のもとに、福島で「聖火リレーのスタート」まで強行しようとしている。
 3・11から9年、福島第一原発事故は終わっていない。核惨事は続いている。この怒りで福島圧殺策動を打ち破ろう。福島からの避難者や保養者は分断を乗り越えて懸命に生き、闘い続けている。「ふくしま共同診療所」は「被曝と帰還の強制反対署名」運動に奮闘してきた。常磐線全線開通と帰還強制に対し、動労水戸はともに決起するよう呼びかけている。「福島にフタする五輪返上」の運動も広がっている。東京都民のアンケート調査(19年6月)では、「放射線の影響で福島県民に健康影響が出る」が46・5%にも及ぶ。3・11反原発福島行動に全国から集まり、安倍政権をふっ飛ばそう。

東海第二原発は避難が不可能だ

 東海第二原発の再稼働に向けた防潮堤建設の本着工が4月にも始まろうとしている。近隣に造られた工事事務所には、鹿島、飛島、オリエンタル白石、東亜建設の名が書かれている。日本原子力発電(原電)と地元6市村との間には、再稼働に関する「実質的事前了解」を含む新安全協定が18年3月に結ばれている。しかし、東海村では住民になんの説明もない。工事の遅延から、原電は再稼働時期を21年3月以降から22年12月以降に変更した。原電は焦りいら立って、ますます住民無視、命と健康は二の次という本性をむき出しにしてくるに違いない。
 東海第二は絶対再稼働させてはならない。①政府の地震調査研究推進本部は19年2月26日、「今後30年以内にマグニチュード7・0〜7・5の大地震が起きる可能性は、茨城沖で80%」と予想している。②近くの再処理施設との複合事故になる可能性があり、猛毒のプルトニウムが飛散する恐れすらある。③アメダスのデータでは、東海村の3〜10月の最多の風向きは北東と北北東であり、事故が起これば放射能は東京・関東を直撃する。途中に山のない関東平野では、避難する間もなく総被曝する。④原電には防潮堤工事などの資金はなく、実質上、国営化されている東京電力から2200億円の資金提供を受ける。東電は福島に続いて首都圏での核惨事を引き起こそうというのか。⑤こういう「命より金」の新自由主義と対決し、「非正規職だけの社会をつくらせない」という労働者人民の運動とつながろう。⑥安倍政権が東海第二原発の再稼働に固執するのは、東海村の核施設群の維持と軍用プルトニウムの確保、核武装に狙いがある。怒りを持って訴えよう。

核戦争の危機と対決し改憲阻止

 アメリカ・トランプ政権は、イラン・中東で戦争挑発を強め、核戦争に踏み込む衝動を募らせている。「米国は台頭する中国を牽制(けんせい)するため、破壊力を抑えた『使える核』と称される戦術核兵器のアジア配備を検討している」(1月22日付長崎新聞)
 核戦争の危機が高まる中、安倍政権は改憲に必死になっており、核武装を狙っている。今こそNAZEN運動を飛躍させ、改憲・戦争阻止!大行進運動をともに担おう。
 〈フクシマくり返すな! 被曝からいのち守れ! 再稼働も核戦争もとめよう!〉のスローガンを掲げて闘おう。3・1反原発ミーティングに集まろう。
(NAZEN東京・沢田真言)

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3・1ビキニ事件
 1954年3月1日、アメリカ帝国主義は太平洋のビキニ環礁で広島原爆の1千倍の威力をもつ水爆の実験を行った。その放射能によりロンゲラップ島などのマーシャル諸島住民や日本のマグロ漁船第五福竜丸などが被爆。米帝は5月までに計6回の核実験を行い、世界全体で約1千隻の漁船が被爆した。事件は世界に衝撃を与え、核と放射能への危機感と怒りから東京・杉並で始まった原水爆禁止運動は瞬く間に全世界に広がった。毎年、「3・1ビキニデー」の取り組みが行われている。

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