団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(3106号04面03)(2020/02/10)


団結ひろば 投稿コーナー

労働者の血吸うカジノ反対
 東京・江東区役所職員 岸上真寿美

 江東区選出の自民党衆議院議員・秋元司が中国のカジノ企業「500ドットコム」から賄賂を受けとって逮捕された。秋元は当時IR担当副大臣だった。逮捕当日、区役所真ん前の事務所は「報道陣がすごかったよ」と職場で話題になった。14年5月に安倍がシンガポールのカジノを視察し、トランプ会談に合わせ「カジノを日本の成長戦略の目玉に」と発言。カジノ解禁の動きを加速させた。
 1月26日、東京で開催された「日本のどこにもカジノをつくらせない〜カジノ反対/全国交流と総決起の集い」に参加した。大阪、長崎、和歌山、愛知、横浜、北海道、東京と、各地で反対運動をしている方々の発言に感動した。カジノは一晩で2千万、3千万円の借金に行き着く。「パチンコにおぼれ何度も債務整理をする中で家族を失い、仕事をなくし、自殺する人まで見てきた。不幸を拡大する政策にどうして賛同できるのか」と、会の代表幹事の弁護士は話していた。
 東京では石原、猪瀬都知事時代に「お台場カジノ構想」があったが、刑法の壁を突破できないということで「統合型リゾート(IR)」の一部として経済効果を強調するやり方に替えられた。都知事・小池はIR誘致は「メリット、デメリットについて検討中」とカジノを隠している。「オリンピック、パラリンピック後の経済効果」を起爆剤に江東区青海地区を起点に開発案を検討している。
 カジノは労働者の血を吸い取って膨れ上がる巨大な怪物。安倍の腐敗は極まっている。カジノを絶対つくらせてはならない。

奈良で非正規解雇容認判決
 関西 森井哲史

 12月26日に、奈良地裁で奈良市清掃非正規労働者解雇撤回裁判の判決が下った。「パワハラ・セクハラは認める。被告・奈良市に原告Aさんへの100万円の損害賠償の支払いを命ずる。ただし再任用は認めない」というものだった。
 微妙な判決ではあるが、奈良市のダメージは大きいだろうという声も聞かれた。奈良の同志は、Aさんと一緒に悔し涙を流していた。解雇撤回を勝ち取れなかったことは悔しい。それよりも非正規労働者に対する差別と分断をひしひしと感じた。奈良市従の仲間は、「非正規ってなんなんやろう......」とこぼしていた。
 戦争と民営化の攻撃の中で、労働者階級の分断が起こっています。奈良市による会計年度任用職員制度と現業全廃の攻撃に対して共に闘っていきます。
 米帝トランプによるイラン侵略戦争と日帝・安倍による改憲と戦争の攻撃を、奈良の仲間や日本全国・全世界の労働者階級人民と共に粉砕していきましょう。

医療の現場と向き合う映画
 医療福祉労働者 M

 映画「人生、ただいま修行中」を見ました。チケット代1800円を迷いましたが、見てよかった。パリ郊外の看護学校でのドキュメンタリーで106分。性別、年齢、民族も色々な40人のクラスメートとしっかり向き合う中身でした。
 看護師には少し懐かしく、一緒に働くスタッフにはある意味で驚きかもしれません。この映画には労働組合という言葉はまったく出てきません。しかし、医療福祉の現場と真正面で向き合う出発点に立たせてくれます。関西地区生コン支部への弾圧との闘いを描いた映画「棘(とげ)」と併せて見たい映画です。
 それぞれの職種や職場で産業別の労働組合が結成される意義がハッキリするように思いました。医療福祉労働者が現場で日々何と格闘しているか。色んな意味で、それは人間なのだと。
 改めて安倍政権の全世代型社会保障改革や医療福祉分野の成長戦略が、「冷たい現金勘定」の政策であり、医療福祉労働者の敵だと気づかせてくれました。

労働環境の悪化で感染拡大
 杉並区・医師 Y

 中国で流行しているコロナウイルスと新型肺炎は、武漢という一都市を封鎖するまでに至り、WHOは緊急事態を宣言した。
 許しがたいのは日本政府で、このコロナウイルス騒ぎを口実に緊急事態条項のある憲法改正を持ち出している。だいたい疑惑だらけの安倍政権が憲法改正など言う資格もないし、今回のコロナウイルス騒ぎでも対応は後手後手で、「これだけ能力のない政府に緊急事態条項を持たせたら何をしでかすかわからない」とテレビで言われるほどだ。
 このコロナウイルスは相当感染力も強く、重症化も深刻なので、ウイルス自身の特性(変異)も考える必要があるが、やはり問題は労働環境の悪化にある。睡眠時間の減少による免疫力・抵抗力の低下が最大の要因で、特に中国の場合、急激な都市化で医療体制も食糧供給も衛生の維持も追いつかない状態で、感染がこれだけ広がったと考えられる。大事なのは、熱や体調不良の時に、医療機関の罹患(りかん)証明や治癒証明がなくても無条件に休める職場と社会をつくることだ。それが感染拡大を防ぐ最大の力で、そうしたことを現場労働者の団結で闘いとることだ。
 このコロナウイルス騒ぎを機に中国人への差別・排外が公然化し、さらに世界的な経済危機も引き起している。差別分断を許した状態では感染症とも闘えないではないか。資本主義と新自由主義、スターリン主義の危機が感染拡大と差別分断戦争を招いている。
 労働者民衆の連帯と団結で立ち向かおう。

日放労時代の鈴木弁護団長
 徳島星野救援会 仙田哲也

(写真 2016年1月21日に星野文昭さんに面会した鈴木弁護士)

 星野再審弁護団長の鈴木達夫弁護士のお別れの儀で「長崎は今日も雨だった」が流れていて、万感迫るものがありました。徳島刑務所への送り迎えの道で、日放労長崎分会長時代の話をお聞きしていたからです。
 陶山健一氏が著書『反戦派労働運動(下)』で特筆されたバケツ闘争。1967年10・8羽田闘争での山崎博昭さんの死を受けて「財布に痛くなければカンパじゃない」と訴えてのカンパ集めなど。とくに印象深かったのは「労働運動はてくてく、てくてくなんだ」という話です。
 NHKに対する処分撤回のビラをガリ版で刷り、坂の街・長崎の各労組に、てくてく、てくてく歩いて配る。はじめはどこの誰ともわからない若造に、女性の書記さんたちも「あっ、そこに置いといて」とそっけない。それでも、自分に言い聞かせ、2カ月3カ月、てくてく、てくてくと配り続ける。そのうち「ああ、ごくろうさん」と声がかかり、その次はひと言ふた言、言葉を交わせるようになる。やがて夏が来る。路面電車の道が焼けるなか、「暑いのにごくろうさん」と冷たい麦茶を一杯出してもらえる。そうやって、こちらの処分撤回の話を聞いてもらっていった。だから、労働運動はてくてく、てくてくなんだ。
 警察権力に仁王立ちして、一歩も引かない大きな背中の弁護団長でした。遺影の笑顔に、思いを新たにしました。

小出氏の反原発の志に続く
 東京・足立区 高畑 譲

 1月25日、小出裕章氏の「東電福島・放射能汚染の拡大と〝オリンピック〟」と題する講演が江戸川区総合文化センターであり、参加した。最初に神田香織さんがあいさつし、「オリンピックをやっているどころではない。福島第一原発事故から9年になろうとしているが何一つ収束していない」と怒りを表明した。
 講演で小出氏は「福島第一原発の炉心溶融で広島原爆の約168発分のセシウム137を大気中に放出した」と話し、トリチウムをはじめ汚染水の海洋投棄計画の犯罪性を断罪した。
 小出氏は共著『原発のない女川へ』の中で、「(核の)威力のすさまじさを見て、私はそのエネルギーを戦争ではなく、人類の平和のために使いたいと夢想した。しかし......どんな機械も故障や事故から無縁ではない......原発は膨大な放射性物質を抱えており(放射能〔半減期が様々だが何万年もかかる〕は人間にはどうあがいても無毒化できない代物である)......被害が破局的になることは当然である。それに気づいた時、私は、破局的な事故が起きる前に原子力を廃絶させなければならないと考えた」と反原発の志を述べている。これに続くべきだ。
 講演会には労働組合員も多数参加し、定員200人の会場は満杯になった。核問題は革命後も負の遺産として引き受けなければならない。人間が造った最悪のものでも人間が止めなければならない。原発再稼働や核戦争は何としても阻止しなければならない。3・11の大高揚で安倍を倒そう。

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