新やぐら裁判 NAAに公共性なし 3人の学者が証言

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週刊『前進』04頁(3106号03面03)(2020/02/10)


新やぐら裁判
 NAAに公共性なし
 3人の学者が証言

(写真 天神峰の畑に立つやぐら)

 1月30日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で新やぐら裁判の証人尋問が行われた。今回は3人の学者・専門家が証言に立ち、それぞれが市東孝雄さんの天神峰の畑に建てられた看板・やぐら(三里塚芝山連合空港反対同盟所有)の正義性、農地強奪攻撃の不当性を強く訴えた。
 最初に専修大学教授の内藤光博さん(憲法学)が証言台に立った。
 内藤さんは「市東さんの農地は、農民としての生存にかかわる重要財産である。そして看板とやぐらは、自らの生存権的財産権を守るための表現活動であり、抵抗のシンボルである」「農地法は農業の保護、耕作者の権利保全のためにつくられたものであり、農地法を悪用して市東さんの農地を暴力的に奪おうとは、本末転倒である」と語った。
 午後からは元立教大学教授の石原健二さん(農業経済学)が証言した。
 石原さんは「市東さんが完全無農薬野菜を年間数十品種栽培していることは、並大抵の努力ではできない。農業者としての市東さんを無視したやり口を認めるわけにはいかない。生産者と消費者を直接結ぶ市東さんたちの農業と産直運動にこそ公共性がある」とNAA(成田空港会社)の不当性を明らかにした。
 3人目の証人として埼玉大学名誉教授の鎌倉孝夫さん(経済学)が証言した。
 鎌倉さんはまず成田空港の発着回数について、現在でも容量の7割しか使われていないなど、容量と実績がずっと乖離(かいり)して推移してきたことを突き出し、「需要があるから機能強化ではなく、機能強化のために需要をつくる」という成田の航空需要の欺瞞(ぎまん)を暴き出した。
 そして、これとは対照的に市東さんの営農について、疎外労働の対極にある人間本来の主体性、意識性に基づいた労働で、社会的にも人間の生活にとって絶対に必要な農業生産活動だと意義づけ、その基盤である土地、宝、命を奪うことは絶対に認められないと語気鋭く強調した。
 次回は3月18日(水)。最終弁論が行われる。
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