豊洲市場で巨大なひび割れ 鉄量が4割不足の違法建築 耐震偽装追及裁判の結審許すな

週刊『前進』04頁(3104号02面02)(2020/02/03)


豊洲市場で巨大なひび割れ
 鉄量が4割不足の違法建築
 耐震偽装追及裁判の結審許すな




 東京都の豊洲中央卸売市場6街区(水産仲卸売場棟)の建物の建築基準法令違反に対して、建物の除却を含む是正措置を求めて闘われてきた裁判が、2月20日に東京地裁で再開される。清水知恵子裁判長は、耐震偽装の中身の審議を行うことなく、裁判の打ち切りを強行しようとしている。こんな暴挙は許してはならない。
 この裁判は、東京都を被告として、建築基準法に違反した水産仲卸売場棟(6街区)の建物の除却・使用禁止の命令を出すよう義務付けることを求めて仲卸の仲間が提訴した。建物の1階柱脚の鉄量が、1階柱頭の鉄量と等量かそれ以上必要とされているにもかかわらず、実際には56%しかない(44%も不足している)ことを暴き、豊洲市場の不正と対決する仲卸の結集軸としてねばり強く闘われてきた。
 原告の追及に対して、被告である東京都自身が「本件建築物1階柱脚の鉄量は、1階柱頭の鉄量の約59%である(41%不足している)」と自認している。建築基準法令に違反した建物である事実を、被告・都も認めてしまっているのである。
 民間の建築物が違法である場合には、処分を行うべき「特定行政庁」である都道府県の知事が、除却・使用禁止を含む是正措置を命令すると定められている。にもかかわらず、清水千恵子裁判長は東京都の答弁書の詭弁(きべん)を丸ごと認め、「是正命令は違反建築物があれば必ず行わなければならないものではなく」「(都知事が)措置を講じないとしても直ちに法律上の責任を負うものではない」として、都の違法建築物そのものを免罪しようとしている。
 〝都が所有する建物が違法だとしても、都知事に命令する法的義務がない〟という形式的な論理で、審理に入ることすら拒否しているのである。だが、これは市場で働く仲間の生死の問題だ。
 現に、2018年10月に豊洲市場が開場して以降、市場のあちこちで地盤沈下や壁や床に巨大なひび割れが起きている。
 基礎杭の114本中48本が地下の固い地盤まで届いていないことが工事関係者によって暴かれた駐車場のある7街区(水産卸売棟)では、15㌢メートルもの大きな壁のズレや亀裂が発見されたことが1月15日付日刊ゲンダイで報じられた。市場の下で重大な沈下やねじれが起こっているのは明らかだ。
 昨年12月の都議会で、都は国の卸売市場法全面改悪に対応した都の卸売市場条例改悪を強行した。改悪された条例は、市場を介さず生産地と消費者が直接取引する第三者販売の解禁など、すべての規制を廃止して卸売市場を卸売市場でなくするものである。流通の独占支配を狙う大資本のために、卸売市場制度とそこで働く仲卸の存在をつぶそうとしている。仲卸の仲間にまともな説明もせず、反対を押し切って改悪されたが、すべては現場での闘いで決まる。
 「築地を活かし豊洲を止める会」とともに裁判傍聴に全力で結集しよう。結審策動を絶対にはね返そう。
     ◆
豊洲市場耐震偽装裁判
 2月20日(木)午前11時
 東京地裁 419号法廷

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