国鉄・関生決戦に勝利し、労働組合の歴史的再生を 革共同中央労働者組織委員会

週刊『前進』04頁(3098号02面01)(2020/01/13)


国鉄・関生決戦に勝利し、労働組合の歴史的再生を
 革共同中央労働者組織委員会

(写真 昨年11月3日の全国労働者総決起集会。全国の闘う労働組合が旗やのぼりを林立させて登壇した【東京・日比谷野外音楽堂】)

はじめに

 世界は戦争と革命の情勢にある。アメリカとイランをめぐる戦争危機が一気に加速し、これに対する反戦デモがアメリカをはじめ世界中で闘われている。韓国・民主労総ゼネストに始まる「ろうそく革命」とそれに続く世界の労働者の反乱が広がり、帝国主義とスターリン主義の支配の崩壊を促進させている。
 IMF(国際通貨基金)は昨年10月、「世界経済は各国で成長の同時減速を続けており、2019年の成長率は再び下方修正され、08年のリーマン・ショック以降で最も低い3・0%と予測されている」と発表した。世界経済は歴史的な行き詰まりに行き着いた。米トランプ政権の「アメリカ・ファースト」(アメリカ第一主義)や中国・習近平政権の「一帯一路」巨大経済圏構想は、自国の利害をすべてに優先する争闘戦のスローガンである。
 2020年代は帝国主義とスターリン主義の大国間争闘戦が熾烈(しれつ)に進行する。この中で帝国主義の「最弱の環」である日帝・安倍政権は長期政権としての限りない腐敗を深め、その生き残りをかけて改憲・戦争へと絶望的に突き進むしかない。このような激動期における革命党の役割は、労働者の階級的な団結の復活と労働者指導部の建設である。

労働者階級の闘う団結が求められる時代に入った

 資本の論理が貫かれる職場・生産点では、労働者の団結を焦点とした攻防が激しく闘われてきた。1987年の国鉄分割・民営化こそ、その最大の激突点であり、労働者階級と資本家階級の階級戦争であった。
 戦後最大の階級攻防の結果、総評の解散、連合の結成と社民勢力の減退が強制されたが、動労千葉を先頭とした階級的労働運動は、職場の団結を軸に闘いぬいてきた。それが、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉の3労組共闘を生み出し、労働者の闘いを引き継いできたのである。一方、時代は新自由主義が全労働者に襲いかかり、国鉄1047名解雇撤回闘争の解体を狙った2010年4・9政治和解へと進み、地域の団結や連帯も破壊され、「労組なき社会」が日本をおおっている。さらに関西生コン支部への弾圧は、戦後革命によって勝ち取られた労働者の権利を奪う大攻撃となっている。
 だが、労働組合は労働者の基礎的団結体であり、資本がどんなに憎しみを込めて弾圧しようとも、労働者は労働組合を守り発展させてきた。それが労働者の歴史であり、労働者階級と共にある革命党の歴史であった。労働者階級と党は相互的な関係なのだ。
 本質的に労働組合の役割は、労働者を団結させることにある。だが、その団結は連合のような「企業防衛の団結」ではない。このようなブルジョア的な体制維持の意識を労働者に広げるのでなく、職場闘争の中で、「資本家は敵だ」「国も資本家も同じだ」という階級的意識を労働者のなかにつくり、労働者階級全体の団結を強化することだ。そうした労働組合が「階級的」なのである。
 動労千葉がJRの外注化阻止から外注先での組織化に転化して総非正規職化攻撃と闘い、関西生コン支部が労組絶滅の大弾圧に抗して組織を守り抜き、港合同が地域の団結を基礎に改憲・戦争阻止!大行進運動の先頭で闘っている中に、階級的労働運動の団結の実体がある。
 この3労組共闘の闘いが進む中で、多様な労働者の闘いを組織することに成功している。コンビニ関連ユニオンの生きるための時短ストや、広島連帯ユニオン・草津病院支部が職場闘争を土台に評価制度による不当労働行為を認めさせた裁判闘争・労働委員会闘争の勝利、東京・特区連(特別区職員労働組合連合会)の大幅賃下げ人勧(人事委員会勧告)との闘い、郵政での非正規労働者を組織する闘い、マイナンバーカード強制と対決する自治体労働者の闘い、広島の「改憲・戦争阻止!教職員100人声明」、神奈川での改憲・戦争阻止!大行進運動の前進などだ。まだそれは小さな闘いかもしれないが、確実に労働者階級全体に広がっている。
 仙台市社会福祉協議会での非正規職員の大量雇い止めとの闘いや、郵政非正規ユニオン、動労西日本、動労神奈川、動労総連合・新潟などの雇い止め反対の闘いなど、非正規労働を強制されている青年や女性の中で闘いが進んでいる。
 その広がりは、2019年6月末時点での政府統計(厚生労働省労働組合基礎調査)でも明らかなように、低賃金と不安定雇用にさらされながらも労働組合の組合員数が増えていることからもわかる。組合員数は総計1008万8千人で1万8千人の増。そのうちパートタイム労働者の組合員数は133万3千人で、前年より3万7千人増えた。女性の組合員数は2万8千人増の338万5千人となっている。多くの体制内労働組合幹部が屈服するなかで「労組なき社会」化が進んでいるが、この攻撃に抗して労働者は労働組合の団結を求めて闘っているのである。

改憲阻止闘争に総決起し、実力ストライキの復権を

 労働運動への弾圧と改憲の攻撃は一体で進む。1987年の国鉄分割・民営化を、当時の中曽根康弘首相が「国労を解体して改憲をするために行った」と公言したのは有名な話だ。中曽根の遺志を引き継ぐ安倍は、改憲運動の行き詰まりを打破するために、強固な戦闘力を持つ関西生コン支部を意図的に弾圧しているのである。
 戦後革命期以来、憲法9条や基本的人権、結社や表現の自由を具体的に守り闘ってきたのは、労働組合を基礎とした労働者であった。労働者の権利をめぐって資本と実力で対決してきた労働組合こそ、安倍が最も恐れる、改憲を阻む存在なのだ。
 改憲阻止の闘いが労働者民衆の戦闘性を限りなく高揚させ、実力闘争が現実の問題になるとき、体制内労働運動指導部は闘いの制動を策動してくる。議会主義的に収斂(しゅうれん)させようとする日本共産党や、労働者の闘いを職場に押しとどめようとする社民勢力の制動を乗り越えるカギは何か。それは、資本を暴力的に圧倒する労働者のストライキである。
 労働者は職場で資本との熾烈な闘いで実力闘争を学び、街頭でも実践してきた。60年安保闘争や70年安保・沖縄闘争を闘った労働者の実力闘争の背景にあったものは、職場でのストライキ闘争だった。連合の結成により労働者の実力闘争は抑えつけられてきたが、資本が恐れるストライキはいつの時代も労働者の実力闘争を呼び覚ます。実力で職場を占拠し、実力で生産を止めるストライキが復権し、その闘いの経験が改憲阻止闘争と合流することで、安倍の野望は打ち砕かれるのだ。
 そして、労働運動が改憲阻止闘争の発展の基盤となったとき、帝国主義の排外主義的扇動、戦争への突進と対決し、労働者階級の国際連帯を実現することができる。改憲阻止闘争の中で労働者階級の力強い登場を組織し、安倍打倒の闘いを進めることで「改憲阻止・日帝打倒」の革命的スローガンをつかむことができるのである。

労働者指導部として立ち、労働組合の先頭で闘おう

 どのような現実があろうと労働者は闘いを始める。だから労働組合の先頭で党が闘うことで、党は労働者階級のなかに建設できるのである。「労働者階級の解放は、労働者自身の手で闘い取らなければならない」というマルクスの言葉は深い意味を持つ。現実の労働者の状態から出発し、現実の労働者の手で組織をつくり、具体的に運動をつくっていくという労働者の主体性、革命性、自己解放性を信じることを革命党に求めているのである。
 労働者の闘いは広く豊かである。労働者は職場という狭い枠を乗り越え、帝国主義の攻撃と闘う運動を生み出していく。女性差別や部落差別、障害者差別、民族差別と闘い、排外主義や国家主義を退けていく思想が労働者の運動として広がっていく中で、党は労働者の大衆性を学び、労働者階級以外の階層を組織する足場を築くことができる。
 だからこそ階級矛盾を止揚する運動を生み出し資本主義を打ち倒す思想であるマルクス主義を、全階層に広める役割を党は担わなければならない。その要は労働者階級に根差した労働者指導部の形成である。

3・14ダイ改阻止、20春闘に立とう

 日帝による「労組なき社会」と福島圧殺攻撃の最先兵となっているのがJR資本だ。JR東労組の解体と「社友会」の組織化、乗務員勤務制度改悪、運転士・車掌を廃止する「新たなジョブローテーション」提案は、国鉄分割・民営化を超える労働組合の一掃、現代の産業報国会づくりの歴史的攻撃だ。国鉄分割・民営化による不当解雇から33年の2・16国鉄集会に大結集しよう。
 常磐線の全線開通は東京五輪を進める安倍政権と一体となって、原発事故を「もう済んだもの」として被曝と帰還の強制を狙う極悪の犯罪行為だ。動労水戸を先頭にJRの3・14ダイヤ改定―常磐線全線開通による被曝労働を許さない闘いが闘われている。3月ダイ改を許すな。労働者・住民の健康と未来のかかった闘いとして、3・11反原発福島行動に立とう。
 経団連の中西宏明会長は年頭インタビューで、日本企業の国際競争力を高め、生産性を向上するために、「新卒一括採用、終身雇用、年功序列型賃金が特徴の日本型雇用制度全般の見直し」を主張した。終身雇用制と年功序列型賃金の解体とは、資本が解雇を自由に行う総非正規職化であり、大幅賃下げと労働者分断の歴史的攻撃である。新卒一括採用の見直しも同じだ。経団連は20春闘の焦点として年功型賃金の見直しを押し出し、「職務に応じて賃金に格差をつけ、成果をより重視した昇給制度を設ける」ことを掲げた。
 現に、トヨタ資本の手先となってトヨタ自動車労組は今春闘で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)に用いてきた原資を、現行の人事評価を使って5段階に分け、個人ごとに賃上げ幅に差をつける制度に転換することを求めようとしている。評価によってはベアがゼロになる労働者も出る可能性がある。年功序列や横並びを前提としてきた製造業で、約6万9千人の国内最大級労組の転換は日本の賃金制度のあり方を変える契機になる。産業報国会を先取りして春闘を解体し、賃金制度そのものに手をかけて労働者の団結を破壊する重大な攻撃だ。
 20春闘は安倍政権と資本による階級戦争との正面激突となる。「生産性の向上」を掲げて労働者に対する搾取の徹底的強化を狙う働き方改革の攻撃、解雇自由・総非正規職化と賃下げ、8時間労働制と労働基準法の解体を絶対に許してはならない。怒りに燃えて国鉄・関生決戦を闘い、全職場から総決起しよう。
 安倍は1月1日付の年頭所感で「国のかたちに関わる大きな改革を進める。その先にあるのが改憲だ」と主張。全世代型社会保障制度への転換と働き方改革を進めて「1億総活躍社会をつくり上げる」と公言した。20日開会予定の通常国会から、いっそう本格的な改憲攻防がはじまる。「戦争か革命か」をかけ、改憲阻止・日帝打倒へ20年決戦の先頭に立とう。歴史的課題を自覚し、目的意識的に、激しく、そして柔軟で堅実な闘いを進めよう。

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