慰安婦問題で機密文書が発覚 軍の関与示す新資料

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週刊『前進』04頁(3094号03面02)(2019/12/16)


慰安婦問題で機密文書が発覚
 軍の関与示す新資料


 軍隊慰安婦問題で、日本軍の関与と強制を示す決定的資料が明らかになった。共同通信の12月6日付報道によれば、日本の内閣官房は2017年〜18年に慰安婦問題に関連する公文書を新たに23件収集した。
 この中には「支那渡航婦女の取締に関する件」と題する日本外務省の1938年の機密文書13件が含まれている。いずれも在中国の日本領事館が外務省に報告した内容で、「兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」「軍用車に便乗南下したる特殊婦女」などの記述があった。「酌婦」「特殊婦女」は他の報告書で「娼妓(しょうぎ)と同様」「醜業を強いられ」と解説され、慰安婦を指す。
 より具体的な記述を引用すると、済南総領事から外務大臣に宛てた報告書には、「内地人芸妓101、同酌婦110、鮮人酌婦228の多きに達せり」「4月末までには少なくとも当地に500の特殊婦女を集中し」「徐州占領後(特殊婦女)186が軍用車に便乗南下」など詳細な記録があった。青島総領事からの報告書には「海軍側は芸酌婦合計150名位増加を希望し居り、陸軍側は兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」との記載があった。文書の写真の一部も公開された。
 これらの資料は明白に、日本陸海軍のみならず外務省も加わって、日本(内地)および朝鮮半島から女性たちが慰安婦として組織的計画的に強制徴用され、戦地に送り込まれたことを示している。まさに日本帝国主義の国家的戦争犯罪以外の何ものでもない。
 ところが内閣官房は、こうした慰安婦関連公文書の収集を続けてきたにもかかわらず、公表せず、その存在すら隠し続けてきた。
 安倍政権が戦争犯罪を居直り、韓国への排外主義扇動に血道を上げている中で、民間右翼、ネット右翼などは「慰安婦は性奴隷ではない。金目当ての売春婦だった」などと恥知らずなうそを鼓吹してきた。おそらく彼らはこの資料に対しても、高飛車で下劣な表現を使いながら、何度も否定する攻撃をかけるであろう。だが、真実の重みを打ち消すことはできない。
 日中全面戦争が開始された1937年以降、日本軍により強姦事件が相次いだことで慰安所は「戦地」に大量に設置された。太平洋戦争開戦後は、東南アジア、太平洋諸島にも設置が相次いだ。軍がその制度をつくり、管理し、軍が選定した業者が女性を駆り集めた。泥沼の侵略戦争にのめりこむ中で、42年になると陸軍が自ら慰安所設置に乗り出した。慰安婦にされた女性たちは自由を奪われ、兵士との性行為を強制され、拒もうとすれば暴力を振るわれた。
 こうした戦争犯罪と侵略戦争の歴史を美化し、あるいは書き換え、戦争準備、軍備拡張、改憲へと突き進もうとしているのが安倍政権とその手先の右翼どもだ。労働者人民の実力で打ち倒そう!
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