第3滑走路・空港機能強化許すな 12・14三里塚現地に集まろう 農地強奪・住民生活破壊やめろ
週刊『前進』04頁(3092号03面01)(2019/12/09)
第3滑走路・空港機能強化許すな
12・14三里塚現地に集まろう
農地強奪・住民生活破壊やめろ
(写真 11月3日、改憲阻止!1万人行進【日比谷野音】で登壇した市東孝雄さんが農地の強制収用を必ず阻むと宣言した)
三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかける12・14現地闘争&団結いも煮会(要項1面)に集まろう。安倍政権による改憲・戦争攻撃の中で、あらためて三里塚闘争を「反戦・反権力の砦(とりで)」として時代の前面に登場させよう。市東孝雄さんの農地を守るための請求異議裁判は高裁段階へ突入した。労農学連帯の実力で、市東さんの農地を絶対に守り抜こう! 第3滑走路=空港機能強化策を粉砕しよう!
市東さんの農地守ろう
12・14闘争のデモコースは、市東さんが日常的に営農に使っているルートだ。 デモの出発点である市東さんの南台農地は、市東さんの営農に欠かせない主力の農地だ(8399平方㍍)。祖父の市太郎さんが開拓し、父・東市さん、孝雄さんと3代100年にわたって耕し続けてきた。市東さんはこの農地で、完全無農薬・有機野菜を年間50種類以上育て、消費者に届けている。団結いも煮会が開かれる市東さん宅前の天神峰農地(4606・96平方㍍)には、離れ、作業場、育苗ハウス、トラクター置き場などがあり、反対同盟が設置した看板と監視やぐら、反対同盟の宣伝カーも置かれている。この2カ所の農地は、農民としての市東さんの「命」に等しい存在である。
成田空港は、これらの農地や開拓組合道路などの「未買収地」を避けてB滑走路建設を進めたため、誘導路は「へ」の字に曲がり、1本の滑走路に3本もの誘導路を接続するという、危険でぶざまな欠陥空港としての姿をさらしている。国家権力の暴力的な空港建設=農地強奪攻撃に抗し、国策を阻み続けて53年。闘う人民の「希望の星」として三里塚闘争は燦然(さんぜん)と輝いている。この地平をたたきつぶすためにかけられたのが、市東さんへの農地強奪攻撃だ。
市東さんの農地への強制執行を許さない請求異議裁判の控訴審第1回が、9月24日、東京高等裁判所第4民事部(菅野雅之裁判長)で開かれた。
市東さんは意見陳述に立ち、「一審判決は、私の生計と生きる希望を断ち切り『農業をやめろ』というものです。農民としての死刑判決そのもの」と弾劾し、天神峰で農業を続ける不動の決意を表した。全国農民の先頭で、生きる権利・耕す権利を掲げ真っ向から闘う市東さんと団結しよう。
裁判闘争の勝利は現地闘争と一体だ。反対同盟作成の新リーフを武器に、要望書と400万円カンパを集め、1月16日の請求異議控訴審第2回に向け東京高裁へ攻め上ろう。
地元住民の怒りと共に
国交省は11月5日、成田空港の「基本計画の改定」を発表し、7日に成田空港会社(NAA)は国交相へ空港施設等の「変更許可」を申請した。その内容は「空港機能強化策」としてこれまで打ち出されてきたものであり、①3500㍍の第3滑走路を新設、②B滑走路を北に1000㍍延伸して3500㍍化、③朝5時から深夜0時半まで滑走路の運用時間を延長、という三つの柱から成り立っている。空港敷地面積は当初計画の約2倍に拡大され、総事業費は5千億円以上。芝山町を中心に1千数百戸の住民を強制的に追い出し、農地・山林・水系などをことごとく破壊し、一帯を人が生きられない騒音地獄にたたき込む大攻撃だ。反対同盟は2013年5月以来、78回を数える空港周辺情宣一斉行動を毎月ねばり強く展開し、地域住民との信頼関係を勝ち取り、「空港との共存・共栄」のうそを暴いてきた。NAAは「移転対象の多くの住民から同意書を取った」「28年度中の完成を目指す」などとうそぶくが、実際にはあまりにもでたらめで一方的な計画推進に対する住民の怒りは日に日に高まり、「空港絶対反対」「反対同盟のように闘えば必ず勝つ」の精神があふれている。12月24日に芝山町で開かれる公聴会をもって、本格的な用地買収、工事着工攻撃との闘いに突入する。
地元住民が総決起して国策と対決し、時の権力を揺るがす「新たな三里塚闘争」が再来する壮大な展望が切り開かれようとしている。その出発点が12・14現地闘争だ。
改憲阻止・安倍打倒へ
機能強化によって、成田は現在のA滑走路(4000㍍)に加え、新たに3500㍍滑走路2本を備える全長12㌔もの巨大空港へと変貌(へんぼう)しようとしている。これは、「有事」=侵略戦争の際の兵站(へいたん)拠点として、軍事空港化完成に向けた決定的な踏み込みだ。改憲・戦争へと突き進む日帝・安倍政権を打倒する闘いとして空港拡張を粉砕しよう。新自由主義のもとで進められる農業破壊・地方切り捨ては、日帝・安倍政権の戦争・改憲・軍拡の攻撃と一対をなしている。福島・沖縄をはじめ、全国の闘う人々が、三里塚の攻防の行方をかたずをのんで見守っている。
「軍事空港絶対反対、農地死守・実力闘争」の原則を貫く反対同盟と動労千葉の労農連帯を軸に、全国の反戦・反基地闘争、反原発闘争などと結びつき、広範な労働者・農民・学生・市民を結集する三里塚闘争の新たな発展を勝ち取ろう。12月14日、市東さんの南台農地に集まろう。
〔土屋栄作〕