香港 理工大包囲の警察を撃退 「初心貫く」38万人デモ

週刊『前進』04頁(3092号02面02)(2019/12/09)


香港
 理工大包囲の警察を撃退
 「初心貫く」38万人デモ

(写真 学生と連帯する「あなたと一緒にランチ」行動で、労働者たちが昼休みに街頭に出て道路を埋め尽くしている【11月28日 香港】)

 理工大学での攻防戦と区議選の勝利の中で、香港での「五大要求」(「逃亡犯条例」改悪案撤回や警察暴力の責任追及、逮捕者の釈放、普通選挙の実施など)を求める闘いは新たな高揚を迎えている。
 11月28日には香港の中心街で、「理工大学の闘いを応援し、(警察の)包囲解除を求める」集会と「香港人権法を歓迎する」集会の二つが開催された。
 理工大学では26日に大学当局が大学を捜索したが、女性の籠城(ろうじょう)者1人を発見しただけだった。27日夜には籠城者が大学構内で記者会見を行い、籠城を続けて闘い抜く決意を表明した。翌28日から警察が大学構内を捜索したが籠城者を1人も発見できず、労働者・学生の「包囲を解除しろ」との弾劾の中で、とうとう29日に大学包囲を解除して撤退せざるを得なくなった。
 理工大学での不屈の籠城闘争は、労働者民衆の支援と一体でついに勝利したのだ。弾圧は粉砕され、闘争は永続化している。
 また、アメリカで27日(現地時間)に「香港人権法」が成立した。この法律自身は、激化する米中の争闘戦の中で、香港情勢を利用して米帝が中国スターリン主義に圧力をかけるものだ。これはあくまで米帝の利害のための法律であり香港の労働者民衆のためのものではないが、こうした米中対立を利用しようとする運動も存在している。
 「あなたと一緒にランチ」行動が昼デモとして継続的に行われ、膨大な人数の労働者が一斉に街にあふれて連日声を上げている。11月30日には、中学生から老人(「銀髪組」)までが集まって「老幼、ともに手を携えて進む」集会も開催された。この日は8月31日の警察による無差別暴行事件から3カ月目にあたり、太子駅前で警察への抗議行動が行われ、深夜には警察と激突。警察は催涙弾などを民衆に乱射した。
 そして12月1日には、九龍(クーロン)で「初心を忘れない」デモが38万人の参加で勝ち取られた。これは、理工大での闘いと区議選勝利の中で香港の闘いがますます意気高く進んでいることを示している。集会後、車道を占拠しようとするデモ隊に対して警察は催涙弾を撃ち込んだ。デモ隊は警察の弾圧・暴行と立ち向かい、夜遅くまで街頭で闘いが続いた。12月8日には、さらなる大規模デモが予定されている。
 なお、同じ1日、中国政府は11月29日に広東省珠海で中国警察が対テロ訓練を行ったことを明らかにした。38万人デモに驚愕(きょうがく)しての対応だ。11月16日に「清掃」と称して香港市内に出動した駐香港の中国人民解放軍の中に、本来ウイグルなどに駐留している対テロ特殊部隊が紛れ込んでいたことも明らかになっている。
 一方で、香港情勢の中国本土への波及が確実に進もうとしている。11月28日、香港と隣接する広東省の広州で火葬場建設に反対する住民と警察が激突し、中国警察は催涙弾や放水車で徹底的に住民を弾圧した。
 追いつめられた中国政府と香港政府は、最後は「六四」(1989年天安門事件)のような大虐殺に出ることも考えている。弾圧を絶対に阻もう。来年予定されている習近平訪日を許さず、連帯して闘おう!
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