デニズさんが7日に再収容 11・3集会で闘いを呼びかけ 〝入管では生きられない〟
週刊『前進』02頁(3087号02面03)(2019/11/21)
デニズさんが7日に再収容
11・3集会で闘いを呼びかけ
〝入管では生きられない〟
(写真 11・3労働者集会で発言するデニズさん【東京・日比谷野音】)
11・3労働者総決起集会で、韓国、ドイツ、台湾の労働者に続き、在日・滞日外国人労働者が登壇した。関西合同労組、広島連帯ユニオン、さいたま合同労組など各地の合同労組で闘っている在日外国人労働者を代表し、クルド人が発言に立った。トルコ国籍のアリさん、デニズさんだ。
26年前、徴兵を逃れて10代で来日したアリさんは、今も仮放免のままだ。トルコ軍は、独立運動をしているクルド人部隊の掃討作戦の最前線にクルド人を使うからだ。11年前に日本人女性と結婚したが、ビザは認められていない。現在、東京地裁で裁判中だ。「裁判で法務省は『もう日本から出て行け』としか言わない。今度の裁判は知り合いの日本人がたくさん来ている。日本人の傍聴者が多いと、裁判官も『外国人だからどうでもいい』という考えが少しでもなくなっていくと思うので、裁判に来てください」と訴えた。1月24日から、アリさんも出演した映画「風の電話」のロードショーが始まる。広島原爆と福島原発事故、津波災害と共にクルド人など難民問題も描いている。
続いてデニズさんが「茨城の入管で3年半、ハンストをやって1回目の仮放免で出て、2週間の仮放免が終わったら(再収容されて)、もう一回3カ月がんばって、ごはんを食べないことでもう一回、仮放免。11月7日でもう一回捕まることがあるかもしれない」と語った。そして11月7日、許せないことに、出頭した東京入管で再収容されてしまった!
難民申請をしているデニズさんは訴えた。「私も国(トルコ)に帰ったら殺されるかもしれない。シリアでミサイルで死んでしまった子どもたちもいっぱいいる。エルドアン大統領は『クルド人はテロリスト』と言うが、絶対、私たちはテロリストじゃない」。
そして、「入管は、私たちのことは嫌いみたい。中で病気になって困っている人が多い。病院に行きたいと申請書を書いても3カ月、4カ月もかかる。体はぼろぼろになって、精神的にも考えが変わって、自殺を考える人が多い。私も何回も自殺未遂をやった。本当に中では生きることはできない。外に出られなくて、どうしようもない。『私がここで死んだら、私のおかげで誰かは出ることがあるかもしれない』と考える」と語り、「皆さんに感謝します。私は7日、また入管に戻るかもしれない。私はここで生きたい」と結んだ。
茨城県牛久市にある東日本入国管理センターで被収容者を支援している牛久入管収容所問題を考える会の田中喜美子さんは、「収容の目的は『日本から追い出す』ことにあるわけですから、収容所は健康を害している外国人に対して、根本的に病気を治すことなど考えていません。無期懲役の星野(文昭)さんに対して、刑務所は『生かすための医療』をしなかったと思いますが、それと同様です」(11月18日付「星野新聞」)と語っている。
今、デニズさんは牛久入管で生き抜いている。彼を殺させてはならない!