京都地裁が証人採用却下 京大弾圧裁判傍聴団が怒りの弾劾
週刊『前進』04頁(3086号04面03)(2019/11/18)
京都地裁が証人採用却下
京大弾圧裁判傍聴団が怒りの弾劾
京都大学の教室にビラを置いたことを「建造物侵入罪」だとしてでっち上げられている吉田耕さん(全学連)と阿津良典さん(京大退学処分者)の公判が11月8日、京都地裁(寺田俊弘裁判長)で行われました。
検察側証人の尋問が前回公判で終わったため、証拠調べが行われました。ところが検察は、職員が学生を弾圧する場面を撮影した証拠映像を調べる際、「職員のプライバシー保護」のために傍聴人には映像を見せないよう要求しました。
しかし、そもそもプライバシーとは私生活に関する権利であり、国立大学法人の職員が職務として行う行為には該当しません。その証拠に、京大の職員に抗議したことを「公務執行妨害罪」であるとでっち上げられて逮捕・起訴されている学生もいるのです。
検察側の要求に対する弁護人からの異議申し立てについて、検察は「理由がない」などと力なくつぶやくことしかできませんでした。にもかかわらず、裁判所は合議すら行うことなく、異議申し立てを却下しました。まさに検察の言いなりとなった司法の姿をさらけ出したのです。
証拠映像を隠せという検察側のあまりにもむちゃくちゃな要求と、検察と司法とが一体となったあり方に、傍聴席からは徹底的な弾劾がたたきつけられました。
さらに裁判官は許しがたいことに、弁護人が請求した証人5人(山極寿一総長ら大学役員と作部羊平さんら京大生)の採用を却下しました。
職員は口をそろえて、学生への弾圧は「山極総長の決裁の下で職務として行った」と証言しているのに、肝心の責任者から法廷で話を聞くことすらしないというのです。「公正中立」を建前とする裁判所が京大当局・山極総長の責任逃れと雲隠れを擁護することは、刑事訴訟法第1条に定める「真相を明らかにする」に反し、真相を隠蔽(いんぺい)するものです!
次回公判日程は未定ですが、検察による論告・求刑ならびに被告による最終意見陳述が行われます。判決前最後の公判となりますので、ぜひ集まってください。
(全学連委員長・髙原恭平)