11月日韓共同行動の地平固め 危機深める安倍政権を倒そう
11月日韓共同行動の地平固め
危機深める安倍政権を倒そう
東京・日比谷野音で開かれた11・3全国労働者総決起集会/改憲阻止!1万人行進と韓国・民主労総主催のソウルでの11・9全国労働者大会は、日韓労働者の共同行動として成功し、改憲・戦争に向かう安倍政権と新自由主義を打ち倒す国際連帯を打ち固めた。安倍は相次ぐ閣僚辞任に続き、首相主催の「桜を見る会」に自らの地元・山口県の後援会員を多数招待していたことが発覚し、政権崩壊の窮地に立たされている。代替わり儀式を使った天皇制攻撃も労働者人民の怒りの高まりの中で大破産している。反撃の時は来た! 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧を打ち破り、今こそ改憲阻止・安倍打倒へ闘おう。
排外主義を打ち破る労働者同士のきずな固める
11・3労働者集会は、職場・大学・地域に渦巻く怒りの声と広く結びつき、闘いを積み重ねてきた上に、社会の根底的変革に向かって突き進む新たな出発点を築いた。そして闘う労働運動の復権と改憲阻止闘争の大発展を宣言し、何よりも全労働者・労働組合の未来をかけて関生支部弾圧に総反撃することを訴えた。
これに続く訪韓闘争は、安倍政権による韓国敵視の排外主義宣伝を打ち破り、「労働者はひとつ」ということを鮮やかに示す闘いとなった。11・9労働者大会には10万人が結集し、民主労総は労働大改悪阻止を掲げてムンジェイン政権との対決を宣言。ゼネスト総力闘争を訴え、「ろうそく革命の完遂」への火ぶたを切った。動労千葉訪韓団120人は、国会へ迫る闘いを民主労総ソウル地域本部と共に闘う中で、日韓の労働者同士は共通の敵である資本と闘う本当の友であることを身をもって示した。
安倍政権は危機を深めるほど排外主義をふりまき、改憲・戦争への攻撃を激化するしかない。東京―ソウルを結ぶ日韓共同行動は、この攻撃に立ち向かう国際連帯を実現した。訪韓した動労千葉の関道利委員長は「この経験を生かし、日本の労働者の闘いに火をつけるような闘いをやろう」と訴えている。韓国における労働大改悪と同様、いやそれ以上に、日本の安倍政権は「働き方改革」で労働者を工場法以前の状況にたたき込み、非正規職だけの社会にしようとしている。「労組なき社会」への転換を狙った関生支部への大弾圧と全力で闘うことこそ、韓国労働者との真の連帯であり、改憲・戦争を阻止する道だ。
「桜を見る会」と天皇行事に人民の怒り沸き立つ
安倍政権は、2閣僚の相次ぐ辞任に続き、2020年度から始まる大学入学共通テストの英語民間試験導入をめぐって安倍の最側近の萩生田光一文科相までもが吹き飛ばされる寸前となり、英語民間試験実施の延期を突如発表して事態の収拾を図った。ところが、今度は「桜を見る会」をめぐって安倍本人が直撃される事態となった。
首相主催で毎年春に東京・新宿御苑で開かれる「桜を見る会」は、皇族や各国大使、国会議員のほか、「各界の代表者」という名目で財界人や大企業経営者、スポーツ選手、芸能人などが招待され、出席者には無料で酒や食事や土産物がふるまわれる。開催予算は14年度以降1700万円程度が計上されてきたが、今年の実際の支出額は5519万円に膨張、来年は予算としても例年の3・3倍以上となる5700万円が計上されていた。
この巨額の税金を投じたイベントに、安倍は地元・山口県の後援会員を多数招待していたのだ。今年はバス17台を連ね約850人が招待され、「あべ晋三事務所」の名義で夕食会から東京観光までセットになったツアーも用意されていた。税金を私物化した「違法接待」そのものだ。そして重要なことは、この「桜を見る会」が、改憲を狙う安倍の政権基盤の強化と影響力拡大の場、すなわち改憲のためのなりふり構わぬ買収工作の場となってきたことである。その腐敗を暴かれ、安倍はかつてない窮地に立たされているのだ。
他方で9日の「天皇奉祝国民祭典」と10日の「即位祝賀パレード」も、安倍の期待に反して盛り上がらず、大破産している。
台風19号の上陸から1カ月、避難者は今も2700人を超え、体育館や公民館での苦しい生活を余儀なくされている。台風で家が全壊しても国の再建支援金は最大でも300万円。これでどうやって冬を越せというのか。自治体労働者の削減と非正規職化で災害対応にあたる職員も不足したままだ。青年労働者も非正規職化で貧困にたたきこまれている。こうした中で、一連の天皇行事に166億円もの税金を使い、8千万円の特注高級車「センチュリー」で贅(ぜい)を尽くしたパレードを強行したことに、日本中で沸々と怒りの声が上がっている。
しかもパレードでは、警察官2万6千人を動員して手荷物検査や交通規制が至るところで行われ、1歳児を金属探知機で調べたり、ペットボトルを持っている人にはその場で一口飲ませて「毒味」させるなど、異様な厳戒態勢が敷かれた。この国家暴力こそ天皇制の正体であり、「国民統合の象徴」など虚構であることを自ら暴露するものだ。
9日の「国民祭典」を主催した「奉祝委員会」は、経団連などの財界代表者や極右・日本会議、超党派の議員連盟などで構成されている。そこには京都大学の山極寿一総長や連合の神津里季生会長も名を連ねている。「祭典」では「万歳」が48回も繰り返され、参加した大学生が「戦争の時代にタイムスリップしたみたい」と語るなど、天皇制のおぞましさを一層際立たせる場となった。
今やこうした事態の一切が、安倍の危機をますます促進している。
関生支部を絶対に守りぬき闘う労働運動復権を
香港の闘いは、警察が学生を虐殺したことへの怒りでさらに爆発し、東アジア全体を揺るがす革命的情勢を生み出しつつある。史上最大の100万人デモでAPEC首脳会議を中止に追い込んだチリの闘いも、中南米に波及している。世界は歴史の転換点に入った。
今や安倍政権は、それにとって代わる政治勢力が存在しないという一点で、かろうじて存続しているにすぎない。労働者階級人民の中に膨大に渦巻く安倍への怒り、資本主義・新自由主義への怒り、このすべてを結集して闘う勢力が鮮烈に登場できるかどうか。この一点にすべてがかかっている。
その最大の核心は、労働組合と労働運動の本来の姿をよみがえらせることだ。新自由主義のもとで労働者の団結が破壊・解体され、階級性が奪われてきた状況を打ち破り、労働者階級が生きる道は団結して資本家階級と闘う以外にないという思想と運動を、全社会に復権させることだ。これを軸にして沖縄、福島などあらゆる闘いを結合させるならば、改憲・戦争阻止、日帝打倒の大闘争を爆発させていくことができる。
韓国・民主労総は「ろうそく革命」後の2年間で組合員を20万人増加させ、100万人を超える組織となった。私たちも「ろうそく革命完遂」をめざす韓国の闘いと連帯し、これに続こう。佐野サービスエリアの労働者は再びストライキに立ち上がった。コンビニ関連ユニオンも元旦ストライキを呼びかけている。労働者が労働組合をつくって闘う時代が来ている。関生支部を絶対に守り抜き、安倍打倒へ突き進もう。