韓国  労働改悪阻止へ火ぶた切る ムンジェイン政権と全面対決

週刊『前進』04頁(3084号01面02)(2019/11/11)


韓国
 労働改悪阻止へ火ぶた切る
 ムンジェイン政権と全面対決

(写真 「こんな国会必要ない!」「労働改悪中断しろ!」のボードを掲げる金属労組【10月31日 ソウル】)

(写真 「法外労組」の即時撤回と原職復帰を求めソウル雇用労働庁を占拠して闘う全教組組合員【10月21日】)


 韓国でムンジェイン政権に対する労働者階級の新たな闘いが燃え上がっている。ムンジェインによる「非正規職の正規職化」の正体が、外注化・子会社化と「名ばかり正規職」の量産だったことが暴かれただけではなく、パククネ前政権が推進しようとした労働法の大改悪を今やムンジェインが自ら強行し始めたことに、激しい怒りが広がっている。
 10月31日、民主労総はソウルの国会前で総決起集会を開き、弾力勤労制(変形労働時間制)の改悪案が国会の委員会に提出されれば、直ちに全組織を挙げてゼネスト総力闘争に突入すると宣言した。この法改悪を許せば長時間労働への規制がなくなり、過労死がもっと増大する。さらに労働者の権利を全面的に奪い取る攻撃への突破口となるのは明白だ。集会では金属労組の組合員を先頭に、「こんな国会必要ない! 労働改悪中断しろ」のボードが手に手に掲げられ、絶対阻止への決意があふれた。

全教組でも激突

 労働者の怒りをさらにかき立てたのが全教組(全国教職員労働組合)への非道な仕打ちだ。
 全教組は2013年、解雇者を組合から排除せよというパククネの要求を拒否したために、労働組合としての合法的権利を全て奪われて「法外労組」となることを強制された。ムンジェインはその取り消しを公約に掲げて登場したが、政権発足から2年半の今も状況は何も変わらない。
 全教組の解雇者は、法外労組の即時撤回と原職復帰を求めて10月21日からソウル雇用労働庁での占拠・座り込み闘争に突入した。ところが政府は面談要求にも一切応じないばかりか、29日には警察力を投入して、座り込んでいた18人全員を暴力的に排除・連行した。パククネとどこが違うのか!
 全教組の委員長は「ムンジェインにもっていた一抹の期待を捨てる。暴力警察を動員して労働者を鎮圧するのがこの政権の正体だ。私たち自身の闘争で法外労組取り消し・解雇者復職を絶対にかちとる」と決意を語った。この悔しさと怒りが民主労総の全組合員をとらえている。

民衆総決起再び

 農民団体や都市貧民など多くの社会団体、市民団体も民主労総とともに「民衆共同行動」を組織して立ち上がっている。民衆共同行動は10月30日に記者会見を開いて、パククネを打倒したろうそく革命の理念を裏切ったムンジェイン政権を断罪した。そして「民衆は今、自らの力で積弊清算と社会大改革、社会の不平等を解消するための全面的闘争に乗り出すしかない」と宣言した。
 日本の11・3集会で、民主労総ソウル地域本部のチェウンチョル本部長は「ろうそく革命を完遂する」決意を明らかにし、「団結した民衆は負けません」と述べた(3面参照)。11月9日の民主労総の全国労働者大会に続き、11月末には光化門広場を埋め尽くす民衆総決起闘争が呼びかけられている。新たな前進を開始した韓国労働者民衆と固く連帯して闘おう。

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