青年先頭に改憲阻止の大決戦へ 新たな出発点築いた11・3集会 関生支部支援陣形を全国に広げあらゆる職場に闘う労働組合を
青年先頭に改憲阻止の大決戦へ
新たな出発点築いた11・3集会
関生支部支援陣形を全国に広げあらゆる職場に闘う労働組合を
11月3日、東京・日比谷野外音楽堂で開催された全国労働者総決起集会/改憲阻止!1万人行進に会場内外合わせ3900人が参加し、熱気あふれる集会と銀座デモがかちとられた(前号で既報、今号2、3面に集会発言)。呼びかけ3労組の一つである全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への大弾圧が続く中、すべての労働者・労働組合の未来をかけてこの弾圧を打ち破り、関生支部を守り抜くこと、そして全国のあらゆる職場に闘う労働組合をよみがえらせ、国境を越えた団結で戦争を阻止することを誓う場となった。
社会変革へ熱意みなぎる
11月労働者集会は、動労千葉など3労組が呼びかけて1998年に始まってから今年で22回目、韓国・民主労総をはじめ海外の闘う労働組合との国際連帯集会としては2003年以来17回目となり、戦争と新自由主義に反対して原則的・階級的に闘う労働運動の結集軸となってきた。その上で今年は、例年とはまったく異なる新しい情勢のもとで歴史を画する集会となった。会場には、労働者自身の力で戦争を止め、社会を変革するという熱意と躍動感が終始みなぎった。
「労働組合がつぶされたとき、改憲・戦争が現実のものとなる。6千万労働者の労働基本権と未来を守るために関生支部への弾圧を粉砕する、それが今日この場に集まった私たちの最大の課題です。JR職場でも『労組なき社会』『非正規職だけの社会』をつくろうとする総攻撃が吹き荒れています」「関生支部とJR、この二つの攻防にかちぬくことができるか否かに日本の労働者と労働組合の未来がかかっています。労働運動の再生・復権に向け、この焦点に力を結集して下さい」----動労千葉の関道利委員長の鮮明で力強い訴えは、集会参加者の思いを一つにした。関生支部弾圧を許さない闘いを全国に拡大し、あらゆる職場・労組に関生支部支援の陣形をつくりだすことが、今や国鉄闘争と並ぶ階級的労働運動の中心課題となった。
さらに、昨年から新たに集会呼びかけ団体に加わった「改憲・戦争阻止!大行進」が、この1年の間に全国各地で大きく運動を広げ、改憲攻撃と対決する労働者民衆の広範な運動体として登場した。改憲・戦争阻止!広島教職員100人声明をはじめ、職場・地域で闘いを広げてきた多くの仲間の発言が集会を牽引(けんいん)した。
日韓軸に国際連帯を実現
また11・3集会は韓国、台湾、ドイツから来日した労働組合のリーダーや滞日・在日外国人労働者が次々と発言し、日本の労働者・労働組合との国籍や民族の違いを超えた団結のきずなを打ち固める場となった。
今回、民主労総ソウル地域本部の要請に応え、動労千葉国際連帯委員会が呼びかけて、戦犯企業・三菱に徴用工への謝罪・賠償を要求する日韓労働者の共同闘争が午前10時から東京駅丸の内口で闘われた(前号で既報)。この闘いを共にした民主労総ソウル本部のチェウンチョル本部長は、午後の集会で「資本主義・階級社会が続く限り労働者階級の闘いは必然」「安倍政権に対する日本の民衆の闘いと、ろうそく革命を完遂する韓国民衆の闘いは一つ」と確信を込めて語り、会場がひときわ大きな拍手で応えた。日韓労働者の連帯を軸に、排外主義の大キャンペーンを打ち破る歴史的な国際連帯行動がかちとられた意義は非常に大きい。
さらに集会では、正念場を迎えた国鉄解雇撤回闘争や全国各地で奮闘する労働者からの闘争報告、そして今日の日本社会の矛盾の集中点から渾身(こんしん)の訴えが次々と発せられた。東京・過労死を考える家族の会の中原のり子さんは「過労死は社会的な殺人だ」と怒りを込めて訴え、コンビニ関連ユニオンの河野正史委員長は「これ以上仲間を殺させない。元旦には全国でストを行う」と堂々宣言。さらには福島、沖縄、三里塚など、日本中の渦巻く怒りの声が総結集する場となった。
獄中44年を不屈に闘い5月に亡くなった星野文昭さんの妻・暁子さんは、星野精神継承を参加者に呼びかけ、再審請求と国賠訴訟を闘うと表明。全学連の髙原恭平委員長は京大3学生への無期停学処分撤回の大運動の開始を宣言した。あらゆる運動が、この日をもって新たな出発点に立った。
10代、20代の決起始まる
安倍政権は9月の内閣改造で「改憲シフト」を敷き、今国会での改憲発議へ突進しようとしたが、現実はまったく安倍の思い通りに進んでいない。公職選挙法違反を暴露された経産相・菅原一秀が10月25日に辞任したのに続き、31日には法相・河合克行が妻の公選法違反疑惑で辞任、同日開催予定だった衆院憲法審査会も流会となった。このままでは政府・与党は改憲発議どころか国民投票法の改定も見通せない状況となっている。しかも辞任した2閣僚は菅義偉官房長官の子飼いであり、本来なら即刻内閣総辞職の上、安倍もろとも監獄にぶちこまれて当然の連中だ。
そしてさらに重大なのが、安倍の側近中の側近で加計学園事件の中心人物でもある文科相・萩生田光一だ。大学入試センター試験に代わって20年導入予定の「大学入学共通テスト」の英語民間試験で、貧困家庭の子どもや地方在住の受験生が圧倒的に不利になるなどの問題が指摘されたことに対し、萩生田が「身の丈に合わせてがんばってもらえれば」と居直る暴言を吐いて大炎上している。
民間試験を請け負うベネッセなどの大手業者をぼろもうけさせ、子どもたちをますます過酷な競争に追い込み、貧困家庭や地方在住の子どもからは教育を受ける権利・機会すら奪う「教育の民営化」に怒りの声が広がっている。国会開会日の10月4日には「大学入試共通テスト即時撤回」を求める文科省前抗議集会が行われ、中高生を中心に150人が決起。参加した高校生は「民間試験で高校を会場にする話も出たが、先生たちが過労死寸前まで働いているのにそんなことしたら教育自体が破綻してしまう」と語っている。
安倍・萩生田らが土壇場で英語民間試験導入の「延期」を発表したのは、改憲への突進を前にして、中高生をはじめとする青年の怒りが爆発することを恐れたからだ。韓国や香港だけでなく、日本でも10代、20代の新たな決起が始まっている。11・3集会に初参加の学生は「こんな高揚感は人生で初めて」「今までユーチューブで(デモなどを)見てきたが、リアルで見た迫力は本当にすごい」と口々に感動を語っている。
11・3集会に先立つ2日には、同じく日比谷野音で「幼児教育無償化」からの朝鮮学校排除に抗議する集会・デモが闘われ、在日コリアンを中心に集まった5500人が「子どもたちの教育を受ける権利を奪うな」と訴えた。また3日には国会前行動でも改憲反対行動が取り組まれた。安倍政権を包囲する怒りの声は大きく広がり、今年から来年にかけてさらに拡大していくことは不可避だ。
11・3集会の歴史的成功を新たな出発点に、青年・学生を先頭とした改憲阻止の闘いをさらに大きく広げよう。関生支部弾圧に抗議する11・16全国集会(大阪市)に集まろう。