今秋、公務員決戦へ 職場攻防が火を噴いている 11・3大結集で組合再生を 革共同自治体労働者委員会
週刊『前進』02頁(3079号02面01)(2019/10/24)
今秋、公務員決戦へ
職場攻防が火を噴いている
11・3大結集で組合再生を
革共同自治体労働者委員会
(写真 自治労福岡大会の会場前で会計年度職員攻撃粉砕を訴える労組交流センター自治体労働者部会【8月27日 福岡市】)
安倍政権が繰り出すあらゆる攻撃は、戦争へ向けた労働組合破壊だ。逆に労働組合の団結と国際連帯が、私たち労働者の未来を決める。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部弾圧との闘い、動労千葉を先頭とする国鉄1047名解雇撤回、全面分社化・非正規職化との闘いと共に、公務員をめぐる決戦に立とう。闘う労働組合の再生へ11・3集会に大結集しよう。
戦争阻む労働組合の闘い
安倍首相は臨時国会の所信表明で2021年9月までに新憲法を施行すると演説し執念を燃やしている。そうしないと、戦争が世界中で始まる中で日本帝国主義が完全に脱落して生き残れないからだ。しかし「戦争だけは許さない」という世論が当たり前の中で、改憲は容易ではない。安倍はマスコミを使って北朝鮮や中国の脅威を叫び、排外主義をあおろうとしている。しかし日本には韓国、中国、アジアなどからたくさんの労働者が来て共に働き生活している。彼らは私たちと同じ職場の同僚だし、隣人だし、毎日行くコンビニの店員だし、介護してもらう人、そして子どもたちにとっては「クラスの友達で仲良し」だ。だから「敵国」というイメージは労働者の日常生活の中にはないのだ。
安倍と日本会議、在特会が外国人攻撃を行っているが、彼らの「戦争したい」という意図が透けて見えている。このままでは労働者を戦争に駆り立てることはできない。
その上、労働組合が存在している。自治労・自治労連は、労働組合として「戦争反対、基地撤去、原発反対」を当たり前に掲げている。たとえ組合本部を篭絡(ろうらく)したとしても現場は絶対に納得しない。そうやって自治体の労働運動は続けられてきた。
そしてその労働者は日々職場で、子どもたちや市民に、かつての戦争の悲惨さや戦争体験を具体的に伝えることをやっている。これでは頭からいくら号令を出してもまったく貫徹できない。
だから国は労働組合をつぶさないと改憲・戦争に一歩も進めない。自民党政権は中曽根、小泉、安倍と代々労働組合をつぶすことに躍起になってきた。国鉄分割・民営化以来の闘い、そして今、関西生コン支部に対する弾圧との闘いがその真正面の攻防だ。
会計年度職員攻撃と対決
来年4月からの導人が計画されている「会計年度任用職員制度」も安倍の焦りの表れだ。最大の目的は労働組合破壊である。自治体職場には現在多くの非正規職の労働者が働いている。非正規職が全体の4割近いといわれるが、10割の職場もある。雇用形態は多種多様だが、簡単に首を切られる労働者として多く存在している。なぜこうなったのか。自治労本部が認めてきたからだ。本部には「自分たちだけがよかったらいい」とする労働者分断の攻撃に屈した本工主義がある。
たとえば図書館の夜間開館が提案されたとき、正規職の人員を要求するのではなく、当局と一緒に夜間専門の非正規職の司書をつくり出した。「本の貸し出し」という司書の大事な仕事を、「正規職の労働時間を守る」という口実で投げ出したのだ。その結果、非正規職の司書がどんどん増え、貸出業務もデジタル化され、公立図書館の存在を否定する全面民営化攻撃に行きついた。
どの職種、職場でも同じことが進められてきた。保育所では保育時間の延長に対して、パート保育士の導入。ごみ収集の「事業所ごみ」の外注化。ヘルパー、ケースワーカーなどは最初から非正規職だけにしてしまう。そして民営化が前提の「公契約条例」に、労働組合が手を貸し、当局の手先になってきた。
しかし、どんなに組合幹部が裏切っても、現場労働者は仕事に誇りを持っている。非正規職・正規職が団結して自分の職場を守る闘いに必ず立ち上がる。
総非正規化と全面民営化
制度のもう一つの目的は全公務員の非正規職化であり、全面民営化・民間委託に向けた攻撃だ。会計年度職員は1年ごとに評価、更新、試用期間―解雇。もしくは更新回数の上限を決めて解雇。「文句を言う、言うことを聞かない労働者」を排除していく制度だ。組合は労働者が団結して当局と対決する存在だから、組合加入自体がマイナス評価の対象となる。実力闘争に発展する可能性もあるから、特別職のスト権は奪ってしまう。
会計年度職員にはフルタイムとパートタイムがある。当局は正規職の退職後、フルタイム職員に置き換えることを考えている。総非正規職化だ。さらに民間委託を全面化する攻撃がかけられている。
制度の導入は「期末手当の支給など非正規職の処遇改善のため」だという。しかし実際には、基本給の削減分と引き換えに期末手当が支給されてやっと現行なみの収入かそれ以下というのが大半だ。うそが暴かれ多くの自治体で闘いが燃え上がっている。大枠の条例化はしたものの具体的な職種や労働条件、募集要項が定まってない自治体が続出している。攻撃を許すのか正規・非正規の団結で打ち破るのか。今秋が決戦だ。絶対反対の旗を立て、全職場で闘いを進めよう。
安倍の秋闘破壊許さず総決起を
10月11日、安倍政権は地方自治体に国や民間を上回る賃金分の引き下げ、評価制度の徹底を求める閣議決定を行った。その決定を自治体の首長、議会の議長、人事委員会委員長あてに送りつけた。「中立・独立」が建前の人事委員会の頭越しに「閣議決定」をふりかざしたのだ。地方自治を踏みにじり、自治体秋闘の破壊を狙う不当な介入だ。安倍は公務員攻撃を水路に、全労働者の賃金破壊・団結破壊を進め、労働組合のない「独裁国家」にすることを狙っている。
13年、安倍の地方公務員一律7・8%賃下げの閣議決定に対し、自治労は全国ストを構え粉砕した。東京特別区18秋闘は月1~2万円賃下げという史上最悪の勧告の実施をストライキの力で阻止した。一律大幅賃上げ、会計年度職員攻撃粉砕へ19秋闘に立とう。11・3日比谷に公務員労働者の大隊列を登場させよう。