香港で連日デモ 林鄭体制打倒へ不屈の闘い
週刊『前進』04頁(3078号04面01)(2019/10/21)
香港で連日デモ
林鄭体制打倒へ不屈の闘い
(写真 13万人の労働者・学生が結集して香港人権法の成立を訴えた中環遮打花園での集会【10月14日 香港】)
香港の労働者・学生の闘いは、緊急条例(緊急状況規則条例)発動で10月5日に施行された 「覆面法」(デモや集会などでの覆面を禁じる法律)とも対決し連日続いている。香港警察は、9日までに「覆面法」違反で90人以上を逮捕した。デモが始まった6月以降の全逮捕者は2300人を超えている。だが、逃亡犯条例改悪の完全撤回や普通選挙の実現などを掲げた「五大要求」は絶対に譲れない。林鄭月娥(りんていげつが)行政長官を絶対に辞めさせなくてはならない。香港では12日〜14日にもデモが各地で闘われた。
警察の性暴力に爆発する怒り
12日のデモは全体で1万人以上が参加した。13日も、警察の激しい弾圧と対決して、労働者・学生が立ち上がった。デモ隊は各地でゲリラ的に行動を起こして警察・機動隊を翻弄(ほんろう)した。「覆面無罪、法案無理」「香港解放、今革命を」などと叫んでデモをした。さらに香港の主要なショッピングモールでの不買運動も呼びかけられている。
14日には、アメリカでの香港人権法の成立を訴える中環遮打花園での夜の集会に労働者・学生13万人が集まった。そして、機動隊と激突し201人が逮捕されるという大弾圧を受けながらもデモを闘い抜いた。
今回のデモはまた、警察官による実弾発砲などの暴力的弾圧に抗議したものだったが、特に性暴力への怒りがたたきつけられた。
香港中文大学では、学生が逃亡犯条例改悪反対のデモに立ち上がる中で、大学当局は学生との対話集会を開催してきた。
10月10日に対話集会が開催された席上で、参加していた呉さんという女子学生が実名と顔を公表の上、8月31日に逮捕され勾留されている時に、自分自身が警察官から性暴力を受けたこと、さらに男性も含めて性暴力が複数の被逮捕者に対して行われていることを暴露した。彼女は「勾留中は、勝手に食べられる魚の肉のようだった」と証言、対話集会は弾劾の嵐に包まれた。
警察を弾劾することに動揺していた学長は、学生の抗議の中で、ついに被害女性と学生に謝罪し、大学として警察を弾劾すると表明した。
中文大学での呉さんの告発は、警察での逮捕者への性暴力に対する香港の労働者・学生の怒りを一挙に爆発させた。
陳彦霖さん追悼集会に1千人
9月に15歳の少女・陳彦霖さんが、失踪の数日後に全裸遺体で海に浮かんでいるところを発見された。彼女はデモにしばしば参加しており、泳ぎも名手だったことから、実は警察に逮捕され性暴力を受けて殺されたのではないかとの疑いが広がっていた。警察は逮捕の事実も含めて公式にこれらの事実を否定したが、この陳さんと思われる女性が逮捕されている写真がネットでは拡散している。11日にはこの陳彦霖さんを追悼して、上水大会堂の空き地で集会が開かれ、1千人を超える人々が参列している。
こうして12、13、14日のデモは、緊急条例をふりかざす独裁者・林鄭月娥行政長官の下で完全に腐敗しきった警察に対するデモとしても闘われている。この権力の暴挙を許さず、弾圧を許さない闘いが、香港の不屈の闘いを生み出しているのである。
なお、10月4日の集会では、デモ隊が「香港臨時行政宣言」を読み上げ、真っ向から林鄭体制の打倒と、新たな政府の樹立、革命を掲げて闘っている。
この香港の労働者・学生の闘いと断固連帯して、11・3労働者集会へ!
(河原善之)