天皇制と対決し11・3へ 首都戒厳令態勢うち破れ 10・22怒りの銀座デモへ(午前11時30分新橋・桜田公園)

週刊『前進』04頁(3076号01面01)(2019/10/14)


天皇制と対決し11・3へ
 首都戒厳令態勢うち破れ
 10・22怒りの銀座デモへ(午前11時30分新橋・桜田公園)


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 10月22日、4月30日の「退位礼正殿の儀(たいいれいせいでんのぎ)」に続く天皇代替わり儀式として、「即位礼正殿の儀」が行われる。パレードを含めた一連の行事は、むき出しの国家暴力の行使によって首都圏を戒厳令下にたたきこみ、あらゆる反対の声を強権的に圧殺して労働者人民に「祝賀」を強制するものだ。10・22銀座デモで改憲・戦争と天皇制攻撃に巨大な反撃をたたきつけよう。何より安倍は、この天皇代替わり儀式をてこに改憲・戦争攻撃を一挙に推し進めようとしている。この攻撃と対決するのが、今年で22回目となる11月労働者集会だ。排外主義と戦争、差別・抑圧の元凶である天皇制と労働者階級とは決して相いれない。韓国やドイツの闘う労働者を迎えて日比谷野外音楽堂で行われる11・3労働者集会に大結集しよう。

国家暴力行使し祝賀演出

 10月22日午後3時30分からはパレード「祝賀御列の儀」が皇居〜二重橋〜桜田門〜国会正門前〜青山通り〜赤坂御所の4・6㌔、約30分のコースで行われる。宮内庁は、即位礼とは「御即位を公に宣明され、その御即位を内外の代表がお祝いする儀式」であり、パレードは「国民に御即位を披露され、祝福を受けられる」ものとしている。
 しかしその内実は、国家暴力=警察権力の全面発動だ。パレードに向け、警視庁は20年ぶりに警視総監をトップとする「最高警備本部」を設置し、全国の警察から特別派遣部隊が応援に入るなど、最高レベルの警備態勢が敷かれる。さらに「テロ対策」の緊急時初動対応部隊やドローン捕獲部隊などを増強し、パレードの沿道に集まる群衆すべてを対象とした所持品検査を行うという。
 空前の「首都戒厳令」状態をうち破る怒りの行動をかちとろう。一方で全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への組織壊滅型弾圧や京大学生運動弾圧が横行し、他方で安倍政権はマスコミを制圧して批判的報道を封殺している。新聞・テレビは韓国バッシングや排外主義を垂れ流している。「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」再開をめぐり、10月8日に名古屋市長・河村たかしが「陛下への侮辱を許すのか!」などというプラカードを掲げて座り込みパフォーマンスを行った。日本軍軍隊慰安婦(=戦争責任)問題と天皇問題をめぐって言論・表現への弾圧が行われるところに事の本質が表れている。
 改憲・戦争、差別・排外主義と天皇制は同根であり、天皇制は分断と支配の道具だ。われわれ労働者・学生はこんな攻撃に屈するわけにはいかない。10・22即位礼とパレードを怒りの銀座デモで直撃しよう。

戦争のため国民統合図る

 今日、天皇(制)が再び政治の前面に現れたのはなぜか? その根底には日本資本主義の危機がある。
 10月4日開会の臨時国会冒頭の所信表明演説で、安倍は改憲発議に突き進むと宣言した。その焦点は「平和主義」をうたう現行憲法第9条の実質破棄であり、狙いは「二度と戦争をしない」「国家の命令で民衆が殺されてはならない」という戦後の日本の人民の基本的な立場の転覆にある。「この国のために死ぬ(=喜んで命を投げ出す)」というイデオロギーで労働者民衆の意識を塗り替えることだ。国家のもとに「国民統合」を図り、人民の意識を転換させる唯一の手段として天皇制は使われる。
 出発点は2016年8月8日の「天皇メッセージ」だ。前天皇アキヒトは、「天皇が象徴であると共に、国民統合の象徴としての役割を果たす」などと語ったが、天皇が「象徴」すると称する「国民統合」とは何か? 日本社会で誰と誰が「統合」されているのか? 絶対反対の意思を示しているにもかかわらず米軍新基地建設が強行される沖縄は? 高線量放射能汚染地帯に帰還を強制される福島は? 原発マネーを受け取り私腹を肥やす関西電力幹部と、貧困にあえぐ非正規職「アンダークラス」労働者はどうやったら「統合」されるのか?
 アキヒトは社会が1%と99%に分裂して怒りが渦巻いていることを百も承知だからこそ、資本主義社会と天皇制を永続させる立場から労働者民衆に「闘いをやめよ」「天皇のもとに統合されよ」と迫っているのだ。
 1月30日付朝日新聞で、経済同友会代表幹事(当時)の小林喜光(三菱ケミカルホールディングス会長)は「平成の30年間、日本は敗北の時代だった」と資本家の消耗感を吐露したが、日本資本主義が没落した「平成の30年」は労働者民衆が「痛み」を強制される新自由主義攻撃の満展開の時代だった。この新自由主義の大崩壊が革命に転化することを阻止するために天皇制を押し出し、労働者民衆・青年・学生に国家や企業への一層の「滅私奉公」を求めているのだ。

日帝追い詰める米中対決の激化

 安倍の改憲攻撃は、抽象的な「戦争」を問題にしたものではない。これから目前で始まろうとしている世界大戦級の戦争に日本帝国主義が参戦するためのものだ。10月3日付琉球新報が1面トップで「沖縄に新中距離弾配備」「米計画、2年内にも」という衝撃的な暴露記事を掲載した。中距離核戦力(INF)全廃条約が8月に失効したことで、条約が製造を禁じていた中距離弾道ミサイルをアメリカ政府が今後2年以内に沖縄をはじめ日本本土に大量配備する計画があるという。記事は「配備されれば基地機能が一層強化され、核戦争に巻き込まれる恐れが高まり、沖縄の基地負担が飛躍的に増す」「条約撤廃後、米中ロによる新型ミサイル開発競争が進む『新冷戦』といわれる情勢下で、沖縄は日本復帰前に大量の核兵器が置かれ、東西冷戦の最前線だった時代と似た危険な状態に陥る可能性が高まっている」と述べている。
 米中激突を軸とした東アジアをめぐる大激動を前に、日帝は追い詰められている。だからこそ、排外主義と天皇制をフル動員して「国民統合」「階級融和」をもくろんでいるのだ。

今こそ階級闘争が必要だ

 日本の労働者民衆の底力が問われている。必要なのは階級闘争だ。改憲・天皇制攻撃を迎え撃ち、帝国主義の危機を内乱=革命へと転化する労働者・学生の闘いを復権させよう。
 日本共産党スターリン主義の屈服をあいまいにはできない。共産党は今年3月29日に公式サイトで配信した動画で、小池晃書記局長が「共産党は天皇制の廃止を将来にわたって考えていない」「天皇の制度も含めてすべて守る」と明言。同日の党公式ツィッターも「共産党こそ真の愛国者の政党です」と宣言した。6月4日付「しんぶん赤旗」の記事「天皇の制度と日本共産党の立場」では、志位和夫委員長が「憲法上の制度である天皇の制度に対して、儀礼的な敬意を払うのは当然」と、自らが天皇(制)の忠実な臣下だと宣誓した。「儀礼的対応」などペテンだ。戦前の天皇制も、国家権力が「儀礼」を全人民に強制することで強力な支配装置となったのだ。共産党は自らの責任で労働者民衆に「天皇への敬意」を強制するとブルジョアジーにアピールし、自らが革命を圧殺する集団であることを売り込んでいる。
 改憲・戦争を止め、貧困・差別のない社会をつくるために資本主義・帝国主義と天皇制を打倒しよう。人民にはそうした歴史変革の力がある。天皇に屈服する共産党をのりこえ、労働者民衆の生きるための闘いを爆発させよう。
 10・22「即位礼正殿の儀」粉砕の銀座デモから、国際連帯行動として闘われる11・3全国労働者集会へ攻め上ろう!
〔革共同中央学生組織委員会〕

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