緊急条例発動にデモで反撃 香港 不退転の闘い、さらに発展

週刊『前進』02頁(3075号02面01)(2019/10/10)


緊急条例発動にデモで反撃
 香港 不退転の闘い、さらに発展

(写真 緊急条例発動と覆面法施行に怒りデモ【10月4日 香港】)

(写真 実弾銃撃や催涙ガスを発射する警察と対決し闘う香港人民【6日】)

英植民地政府が制定した独裁法

 香港の労働者・学生は、10月1日に中国の「国慶節」(中華人民共和国の建国記念日)と真っ向から対決し、高校生に対する銃撃事件などの大弾圧と対峙(たいじ)して闘いぬいた。この事態に驚愕(きょうがく)した中国スターリン主義と香港政府は「緊急状況規則条例」(緊急条例)の発動を10月4日に決定し翌5日から発動し、さらに「覆面法」を施行した。
 緊急条例は、香港がイギリスの植民地であった1922年、ロシア革命の直後に英植民地政府によって制定されたもので、革命や内乱に対処する反革命法そのものである。その中身は、議会での審議を通さずに事実上行政長官の決定だけで、新聞などの出版、通信や通信手段を規制し、捜査当局の捜査権を拡大できる。さらに逮捕、勾留、海外追放などができ、陸路、水路、空路を規制し、貿易や生産・製造を管理・規制し、財産の没収や管理、処分ができ、法律を改定してそれを施行することさえできるという、まさに独裁法そのものである。ナチスの授権法に匹敵するような条例だ。
 過去には1967年、中国での文化革命当時に、その影響を強く受けて起きた反英闘争である香港暴動の時の一度しか発動されていない。
 覆面法は、あらゆる集会やデモで、顔の全部もしくは一部を隠す覆面を禁じるもので、顔に顔料を塗ることも禁じられている。また「覆面」の判断は警察当局にゆだねられ、警察が身分を確認するために覆面を取ることを要求した際に、それを拒否することは違法とされ処罰される。
 さらに「夜間外出禁止令」や「集会禁止令」なども検討されているという。
 これは許しがたい暴挙であるが、しかし、香港の労働者・学生の闘いに完全に追いつめられた中国スターリン主義と香港政府の悲鳴である。

みんなで覆面をつけ全土で決起

 緊急条例の発動が決定された4日に、香港の労働者学生は、全香港で決起した。「10月4日 みんなが覆面をする日」として、次々とデモが闘われ、深夜まで警察隊と激突した。
 こうした中で、今度は14歳の中学生が左足を私服警官に撃たれた。この私服警官は、火炎瓶をたたきつけられた。中学生は、1日に警察官によって胸部を実弾銃撃された18歳の高校生同様、暴動罪と警察官襲撃罪でただちに起訴された。
 覆面法が施行された翌5日も、香港では覆面をつけたデモが、悪法を恐れずに終日行われた。6日もデモが続いている。
 緊急条例の発動と覆面法の施行は、ますます香港の労働者・学生の闘いに火をつけ、覆面を増大させ、その弾圧の無力さをさらけだすものとなった。政府はどうにもならないところに入っている。警察は、夜3人で道を歩いて話をしていた若者たちを「非法集会」として恫喝して問題となり、さらに覆面ではなく頭巾をしていた青年を覆面法で逮捕している。弾圧は凶暴化しているとともに、明らかに乱調化しつつある。自分たちの悪行に耐えられなくなり、辞めていく警察官も続出しているという。警察という治安機構が崩壊の危機に入ろうとしている。こうした中でたくらまれる、中国政府の武力鎮圧を絶対に許してはならない。
 香港の闘いは、新たな時代の到来、革命の時代の到来を世界に告げ知らせている。今こそ、香港の闘う労働者・学生と団結し、国際連帯を拡大しよう! 11月労働者集会に集まろう!

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