香港で雨傘革命5周年集会 30万人が政府庁舎を囲む

週刊『前進』04頁(3074号04面05)(2019/10/07)


香港で雨傘革命5周年集会
 30万人が政府庁舎を囲む

(写真 政府庁舎周辺に30万人が結集【9月28日 香港】)

(写真 香港の繁華街、銅鑼【どら】湾でのデモ【10月1日】)


 9月28日夕、香港の添馬公園で雨傘革命5周年の集会が行われ、30万人が集まった。近くの愛丁保広場でも、会場を埋める結集で不当逮捕に抗議する集会が開かれた。集会参加者は、会場近くの香港政府庁舎に接する大通りを占領し、政府庁舎の四方を取り囲んで闘った。
 集会終了後、警察はデモに出発した人々に対して放水し、暴力的な鎮圧を強行した。デモ隊は弾圧に抗しながら、「10月1日にまた会おう!」と叫んでデモを終えた。
 警察は、デモ隊が解散した後も、地下鉄やバスに対する検問と参加者への不当逮捕を強行し、少なくとも5人が逮捕されたと報道されている。
 また先立つ9月26日、香港特別区行政長官の林鄭月娥は、初めての「市民との対話」を行った。それは2万人の応募した市民の中から150人だけを政府が選んで参加させ、さらに30人だけに3分間の発言を許すというもので、まったくのペテンであった。
 だが、この限られた発言者からも警察の暴力に対する独立調査委員会の設置などの「五大要求」が次々と訴えられた。しかし林鄭長官はそれを頭から認めなかった。会場のエリザベス体育館の外では、1千人以上の労働者民衆が集まり、「逮捕した義士たちと対話しろ」とのプラカードなどを掲げて林鄭に徹底抗議した。
 28日の雨傘革命5周年の闘いは、口先で「『逃亡犯条例』改悪案は『撤回』した」と言いつつ、普通選挙の実施や逮捕者の起訴の取り下げなど、ほかの一切の要求は否定し、さらには運動を圧殺して「逃亡犯」改悪案を成立させようとする林鄭と中国スターリン主義の思惑と真っ向から対峙し、警察の暴力的弾圧と対決しながら闘い抜かれた。
 焦点は、10月1日の「国慶節(中華人民共和国の建国記念日)」闘争に移り、激しく闘われた。(記事1面)
 なお、9月29日にも香港ではデモが闘われ、警察との全面的な激突となった。一方この日は、世界20カ国42都市以上でのデモが行われた。台湾でも「香港を孤立させるな!」と、台北、新竹、台南、高雄など各地で支援デモや集会が開催された。
 台湾では全土で10万人がデモに参加した。参加者は香港同様黒い服を着て、「香港解放!」「台湾の学生はともに進む」などの横断幕を掲げて進んだ。さらに中国が主張する台湾への「一国二制度」にも反対の声が上がった。
(河原善之)

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