京大弾圧裁判 「施設管理権」で弾圧正当化 法廷に怒り充満

週刊『前進』04頁(3074号04面03)(2019/10/07)


京大弾圧裁判
 「施設管理権」で弾圧正当化
 法廷に怒り充満


 9月30日、京都地裁第3刑事部(寺田俊弘裁判長)で阿津良典さん、吉田耕さんの建造物侵入容疑の第6回裁判が行われました。京都大生を先頭に約30人が傍聴に詰めかけました。
 この裁判は、並行して行われている髙田暁典さんと先日保釈を勝ち取った斎藤郁真さんの裁判同様、大学の自由・自治を問うものであり、国の大学改革との最先端での攻防です。
 今回は、大学当局の証人として、菅野隆道(学生課職員)と中村一也(総務課長)が出廷しました。菅野は、弁護士から「なぜ撮影行為を行ったのか、特定のビラを回収することについて、法的整合性や大学当局のうたう『自由の学風』との整合性は考えなかったのか」と問われ、「(ビラ回収の)理由は知らない」「上司の命令で行った。理由は考えていない」と逃げ続けました。
 同学会のビラだけ回収したことやかかわっている人を撮影したことが「法律に違反するとは考えなかったのか」という質問には、考えないという趣旨の発言をし、傍聴席からは「お前は人形か!」「上司の命令なら人も殺すのか!」と弾劾の声が上がりました。
 総務課長の中村は、国立大学法人法を根拠に「施設管理権」の一言で大学が学内で好き放題学生を弾圧することを正当化し、大学空間は総長であり大学の当局のものと主張しました。
 同学会や支援学生への弾圧について、15年の反戦バリストや最近の立て看板などをまとめて「迷惑行為」とののしり、こういった考え方に他の学生が「巻き込まれないように」するために学内のビラを回収すると主張。さらに「価値判断は大学がやる」とまで言ってのけました。問題は思想や主張ではないと言いながら、実態は当局の意思に従わない学生の排除であることをさらけ出しました。
 京大は9月に、新たに3人の学生を無期停学処分にしました。処分理由として、大学に抗議した時の言動をあげつらっています。京大に怒りを燃やす学生が続々と生まれている中で、大学は弾圧の範囲を闘う学生からそれを支援する学生に広げようとしています。
 求められているのは今までの力関係を覆す大きな闘いだ! 10月3日の同学会の処分撤回集会に続き、京大で闘う学生たちの大きな団結を実現しよう! 全国学生運動高揚の突破口を京大闘争勝利で開こう!
(京都大学・A)
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