セブン店主、公取委に集団申告 コンビニ関連ユニオン 24時間強制に怒り

週刊『前進』02頁(3069号02面01)(2019/09/19)


セブン店主、公取委に集団申告
 コンビニ関連ユニオン 24時間強制に怒り

(写真 公取委に集団申告【9月11日 東京・霞が関】)

(写真 河野委員長がセブン本社に署名を提出【千代田区】)

(写真 閉店に追い込まれた東日本橋一丁目店前に設けられた献花台)


 もう我慢の限界だ----。
 コンビニ関連ユニオンが9月11日、セブン―イレブン・ジャパンを独占禁止法違反で公正取引委員会に集団申告した。
 申告したのは、永尾潤副委員長、東大阪南小阪店の松本実敏さんら組合内外の加盟店オーナー7人と、本部社員の河野正史委員長である。河野委員長は、本社の団交拒否を弾劾するストライキを決行しての上京だ。
 申告内容は、①24時間営業の強制、②オーナーが休日をとる際に本部が業務を代行する「オーナーヘルプ制度」の不履行、③おでんなどの強制発注、④近隣に集中して出店する「ドミナント」をしない約束を違反----が独禁法の「優先的地位濫用」、あるいは取引相手(オーナー)をだまして引き付ける「ぎまん的顧客誘引」にあたるとして、これらの違反行為を止めるよう命じる「排除措置命令」を早期に出すよう求めたものだ。

本部が勝手に発注

 具体的には、やむにやまれず時短営業をしようものなら1700万円の違約金を請求されたり、チャージ(本部に支払うお金)率を2%上げられる。さらに、真夏のおでん販売で廃棄が大量に出るにもかかわらず、本部の経営指導員が勝手に大量発注する。まさに本部による「優先的地位」の「濫用」だ。
 また、「オーナーヘルプ制度」を決め手に契約したにもかかわらず、申請しても履行されず、身内の死に目にも立ち会えない。旅行にもいけない。オーナーが入院すれば、残された店舗従業員が一人夜勤になり休憩もとれなくなる。そもそもこの制度のための本部社員は確保されていなかった。詐欺そのものだ!
 しかも永松社長は「オーナーと膝詰めで話し合う」と言ったが、いつ話し合いに来たというのか。40年前に基準値を定めた基本契約には、「社会・経済情勢の変化に対応して、オーナーと話し合って5年ごとに契約を見直す」としているのに、意見を聞いたこともなければ、見直しを行ったことも一度もない。
 オーナーらの生きるための怒りの告発と行動が、うそと自己保身で逃げ回る経営陣の腐り切った姿を暴き出し、追い詰めている。
 さらに経営陣や管理職は、本部社員に対しても「オーナーヘルプ制度」の概要をオーナーに見せないよう文書で通告したり、おでんの特別発注拒否が1千店舗を超える中で、お店に発注を入れるよう強要している。今回の申告では、こうしたパワハラの横行がオーナーを苦しめていることも突き出された。
 コンビニ関連ユニオンは第2次、第3次の集団申告をセブン以外のオーナーにも呼びかけている。今こそ24時間営業強制を終わらせる時だ。行動を起こそう。

1万5千筆の署名

 申告後、河野委員長と尾形副委員長らがセブン本社(東京・千代田区)に「コンビニオーナーさんたちにもゆっくり休める夜をあげてください!」という署名を提出した。全国から1万5千筆も寄せられ、応援のコメントも書かれている。だが永松社長は逃亡して姿を現さず。代わりに本社の管理者が何十人も待ち構えていた。

「弔いの日」として

 この日の行動は、ドミナントで閉店に追い込まれた末、今年7月11日に亡くなった東京の東日本橋一丁目店のオーナーの月命日に合わせた弔いの行動でもあった。家族総出で店を維持しようと努力したが、2014年に長男(当時19歳)が夜勤明けに自ら命を絶った。ご自身も今年3月に失踪し自殺を図っていた。
 閉じられた店の前には近隣住民が設けた献花台が置かれ、道行く人が追悼している。セブン本部は献花台を撤去しようとしたが、住民の反対や関連ユニオンの要求で、遺族との協議なく移動させないことを約束。今後の集団申告は、ドミナントの犠牲になりセブンに殺されたオーナーの月命日に合わせて行われる。

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