三里塚現地でも甚大な被害
　不屈の反対同盟に応え１０・１３へ

60万戸超の停電

　９月９日早朝に暴風雨を伴って関東に上陸した台風15号は、千葉県を中心に大規模で甚大な被害をもたらした。家屋の倒壊、屋根の飛散、車の横転、道路の冠水などが発生し、農作物への被害も著しい。千葉県内では君津市で送電線の大鉄塔２基が倒壊、約２千本の電柱が軒並み倒壊・損傷し、姉崎火力発電所（市原市）など３カ所の火力発電も停止し、約60万戸が停電した。停電に伴う断水は２万４千戸。家屋の損壊は１千戸超に及ぶ。
　電気の復旧は遅れに遅れ、１週間が経過した15日時点でなお14万戸以上で停電が続く。人びとはエアコンも明かりも使えず、自宅で入浴できず、電話やメールでの連絡もままならない生活を強いられている。
　復旧へ向けた現場作業が必死に続けられる中で、東京電力は「想定外の強風」を言い訳として強調し、電力回復の見通しを「11日には」「13日以降には」「27日までに」と二転三転させ、情報を求める人びとを苦しめている。
　東電は福島第一原発事故後の経営悪化で送電関連の設備投資を抑制し、１９９１年に約９千億円投じていたのを２０１５年には２千億円まで抑えた（９月12日付日経新聞）。それが老朽化電柱の倒壊を増やした原因と指摘されている。

政府は無為無策

　被災地では、安倍政権への怒りの声が広がっている。そもそも台風15号が関東を直撃することは事前に予想されており、８日午前には気象庁が「記録的な暴風雨の恐れ」と予告、最大限の警戒を呼びかけていた。だが安倍政権は改憲突撃へ向けた内閣改造しか考えず、台風被害などまったく眼中になかった。関係閣僚会議も開かず、官邸からの指示も出していない。
　９月11日の安倍の動静は、新内閣発足へのイベント（記念撮影、閣僚認証式など）で埋め尽くされ、被害状況などどこ吹く風だ。同日の記者会見で安倍はおざなり程度に台風被害に言及したが、大半は新閣僚を自慢げに紹介することに終始し、改憲に向けた上ずった意気込みをあらわにした。新閣僚らのツイートも有頂天で自らの「決意」を述べるばかりで、被災者を思いやる言葉は皆無だ。

救援カンパを！

　三里塚芝山連合空港反対同盟と三里塚現地闘争本部が受けた被害も甚大で深刻だ。畑の農作物は大きな打撃を受け、ビニールハウスなどが強風で破壊され、産直野菜の出荷が危機に陥っている。天神峰・東峰地区の電気は回復している模様だが、周囲では倒木被害なども放置され、信号が回復していない道路もある。
　現闘の同志たちも家屋損壊と長期停電のもとで生活の基盤が脅かされながらも、反対同盟と共に現地一斉行動・天神峰カフェをはじめ、市東さんの農地を守るため９・24請求異議控訴審（東京高裁）へ、さらに10・13全国総決起集会の大結集へ奮闘している。
　成田空港は９日から10日にかけて、陸の孤島と化す大パニックに陥った。鉄道・バスなどの交通機関が運休し、タクシーも動かない中で、到着便が次々と飛来し、人は増えていく。食堂や売店の食料も尽き、正確な情報もなく、空港から配られた水とクラッカーだけで１万人を超える人びとが固い床に寝るなどして疲弊しきって一夜を過ごした。首都から遠く離れた内陸地に、住民の反対を押し切って巨大空港を設置し、野放図に拡大してきた成田空港がはらむ根本的矛盾が一挙に爆発した形だ。
　反対同盟の53年の不屈の闘いに応え、有事には軍事空港としての正体を表すこの欠陥空港を廃港に追い込もう。市東さんの農地を守ろう。カンパを集中し、反対同盟と現闘の生活と闘いを支えよう。10・13三里塚全国総決起集会に全力で集まろう。
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　以下、反対同盟が呼びかける「４００万円カンパ」の送り先に災害支援カンパもお願いします。
〈郵便振替〉００１３０―０―５６２９８７　三里塚芝山連合空港反対同盟
〈銀行口座〉みずほ銀行成田支店　普通預金２０７４１３５　イトウノブハル
（三里塚現闘へのカンパは前進社でも受け付けます）

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９・２４請求異議裁判控訴審闘争
　９月２４日（火）午前１１時３０分
　日比谷公園霞門集合～東京高裁包囲デモ
　午後２時３０分開廷 東京高裁１０２号法廷

市東さんの農地を守ろう！　空港機能強化粉砕！
改憲阻止・安倍打倒！
１０・１３三里塚全国総決起集会
　１０月１３日（日）正午
　成田市東峰・萩原富夫さん宅畑（市東孝雄さん宅南側80㍍）
　主催／三里塚芝山連合空港反対同盟