須賀同志の精密検査実施へ 横浜刑務所が要求に応じる
週刊『前進』04頁(3068号04面03)(2019/09/16)
須賀同志の精密検査実施へ
横浜刑務所が要求に応じる
申入書600通、数週間で集まる
迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧と闘い、無実なのに懲役11年の刑を受け収監中の須賀武敏同志に対し、横浜刑務所当局が行った医療放棄と虐待は断じて許されない。「須賀さんの命を守ろう!」の訴えは急速に広がり、数週間で600通を超える「申入書」が寄せられた。驚きあわてた刑務所当局は追いつめられて態度を変え、専門医の診察と精密検査の要求に応じると回答してきた。
8月28日、循環器の専門医による診察が行われた。7月17日に狭心症の発作と思われる激しい胸の痛みに襲われた須賀同志が、必死に求めてきた診察だ。心電図と血液検査、腫瘍マーカー検査が行われ、その場で冠動脈のCT検査を行うことが認められた。さらに、原因不明の下血に対する胃カメラ検査、腰と背中の痛みに対するMRI検査も行うとの回答がなされた。
これらの検査をいつ、どこで行うかは明らかにされていない。しかし1カ月半にわたって診察も精密検査もかたくなに拒否してきた横浜刑務所が、態度を転換したことは大勝利だ。この検査が口約束ではなく確実に実施されるまで、当局への監視と包囲の輪を緩めてはならない。そして病変が明らかになれば直ちに必要な治療を行わせなくてはならない。
星野闘争の中で培った大きな力
今回の事態は、日本の監獄制度の下での恐るべき人権侵害の実態を改めて示した。須賀同志はこの夏、ハンカチの洗濯が「水の不正使用」として懲罰の対象とされ、酷暑の中を、冷房も扇風機もなく風の通らない独房に20日間以上も閉じ込められた。熱中症で倒れても「まだ意識があるから」と放置された。胸痛発作を訴えても診察もされず、一切の医療を拒否された。横浜刑務所は、星野文昭同志の命を奪った徳島刑務所と同様に、人の命を虫けらのように扱って虐待し続けたのである。だが須賀同志自身の必死の告発と、獄外での怒りの決起がこれを実力で打ち破った。8月冒頭の弁護団の申入書と家族の抗議に始まり、「迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会」による申し入れ行動、そして「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の緊急の呼びかけに応えて、全国36の星野救援会から寄せられた署名入りの申入書が横浜刑務所当局を直撃した。
そこには、星野同志を失ったことへの痛苦の思いとともに、このような獄死攻撃を二度と許さないとの決意がみなぎっていた。この迫力が刑務所を圧倒し、闘いの拡大への恐怖が事態の収拾に向かわせたのだ。
しかしこれで矛を収めることはできない。徳島や横浜で起きたことは全国の刑事施設でも起きている。入管収容所ではもっとひどい虐待が日常化している。この国家暴力を粉砕し尽くすために闘おう。
星野同志を虐殺した国家犯罪を追及する国家賠償請求訴訟は、その先頭に立つ最も決定的な闘いだ。この闘いに絶対に勝利し、全ての獄中同志を守りぬき、現在の非人間的で反人民的な監獄制度の実力解体へ立ち上がろう。