新たな世界戦争を阻もう 戦争はなぜ起こるのか? どうすればとめられるか? マルクス主義学生同盟中核派・東北大学支部
新たな世界戦争を阻もう
戦争はなぜ起こるのか?
どうすればとめられるか?
マルクス主義学生同盟中核派・東北大学支部
米・トランプ政権は9月1日、中国への制裁関税「第4弾」として1200億㌦(約13兆円)規模の輸入品に15%を上乗せする追加関税を発動した。対する中国・習近平政権もアメリカからの輸入品に追加関税をかけた。昨年来の米中貿易戦争はどんどん非和解化している。その最大の原因は、戦後世界体制の基軸国であるアメリカ帝国主義の没落だ。米製造業の衰退が中間層の没落と社会の崩壊を生み出した。トランプ政権は帝国主義として延命するため、中国を最終組み立て工程としたアジアでの国際分業体制を破壊しようとしている。それは対中国であるとともに、アジアでの生産を生命線とする日本帝国主義への争闘戦としてもある。米中激突は世界経済を破壊し、軍事的衝突と戦争の拡大、世界戦争を不可避とする。この戦争危機が、日帝・安倍政権を改憲攻撃に突き動かしている。戦争を引き起こす根本原因は、資本主義・帝国主義にある。しかもトランプ政権は核兵器使用を公然と宣言している。全世界の労働者の闘いで世界戦争=核戦争を阻もう。戦争の元凶である資本主義・帝国主義をプロレタリア革命で打倒しよう。
レーニン「帝国主義論」
1917年ロシア革命を勝利に導いた革命家・レーニンは、第1次世界大戦(1914〜18年)を「どちらの側から見ても帝国主義戦争(すなわち、侵略的、略奪的、強盗的な戦争)であり、世界の分けどりのための、植民地や金融資本の『勢力範囲』等々の分割と再分割とのための戦争」(「帝国主義論」、1916年)と分析した。そしてレーニンは「帝国主義戦争の必然性」(帝国主義が帝国主義であるかぎり戦争は避けられない)をはっきりさせ、資本主義・帝国主義打倒=プロレタリア革命の実現でしか戦争を終わらせることができないと労働者民衆に訴えた。
「資本家たちが世界を分割するのは、彼らの特殊の悪意からではなくて、集積の到達した段階が、利潤を獲得するためには、彼らをしていやおうなしにこの道をとらせるからである。そのさい、彼らは世界を『資本に応じて』、『力に応じて』分割する。----商品生産と資本主義との体制のもとでは、これ以外の分割方法はありえないのである。ところが、この力もまた経済的および政治的発展につれて変化する」(同)
20世紀に入って資本主義は自由主義段階から帝国主義段階に移行するが、そこでは資本家および列強国による植民地・勢力圏獲得が生存条件となる。重化学工業化による固定資本増大や列強国内市場の独占・分割により、資本家は過剰な資本を海外に輸出せざるをえなくなるからだ。
20世紀初頭にすでに世界中の土地が植民地獲得競争で分割され尽くしている中、新たな植民地を獲得するためには、すでにどこかの国が所有する植民地・勢力圏の獲得=再分割・再編成が必要となった。世界市場の分割・再分割は力関係にもとづいて行われるが、帝国主義段階での各国の不均等発展で力関係は著しく変化する。帝国主義的実力と実際の勢力圏がつりあわなくなる----この矛盾の爆発が第1次大戦だった。
そして、レーニン・ボルシェビキ(社会民主労働党)とロシア労働者階級は、ロシア革命に勝利して第1次世界大戦を終わらせた。
第2次世界大戦の教訓
第1次世界大戦はロシア革命で終わりに導かれたが、続くドイツ革命の敗北、レーニンの死、その後のスターリンによる革命ロシアの簒奪(さんだつ)と変質(「一国社会主義論」の提唱と世界革命路線の放棄)を受け、ロシア革命の世界革命への発展の道は閉ざされた。そうした中、29年10月からアメリカ発の世界大恐慌が勃発(ぼっぱつ)、30年代の深刻な世界的不況を経て第2次世界大戦に至る。
29年大恐慌と30年代大不況に対し、「多くの国で公共事業が、この生産力の増進を始末し得なかった資本主義に対する救済策として採用された」(宇野弘蔵著「恐慌論」)が、「それは決して資本主義自身を救済し得るものではなかった」(同)。帝国主義諸国は、自国の製造業防衛と国内失業問題を解決するため、公共事業の拡大、軍備強化、ブロック化による排他的経済圏形成などの対策をとったが、38年には米英などが再び恐慌状態に陥り、39年9月1日のナチス・ドイツのポーランド侵攻をきっかけに、列強同士が2大陣営に分かれ、植民地・勢力圏の再分割戦をかけて激突する第2次大戦が始まった。
この時、労働者階級はどうしたか? 大恐慌―長期不況の30年代過程は、帝国主義が危機を深め、国際階級闘争が大爆発する時代だった。世界中でストライキやゼネストが闘われ、世界革命の現実性は明白に存在していた。しかし、ソ連・スターリン(主義)は、国際階級闘争を「ソ連防衛」のための手段としてのみ位置づけ露骨な裏切りに走っていく。そして、世界革命へのうねりを血の海に沈めたスターリンは、帝国主義戦争を「ファシズム対民主主義」とねじ曲げて第2次大戦に参戦し、全世界の労働者民衆を戦争に動員していった。第2次大戦は、帝国主義によって引き起こされ、スターリン主義によって拡大された。
労働者が主人の社会を
資本主義・帝国主義はすでに2度の破滅的な世界戦争を引き起こした。資本主義社会であるかぎり戦争をなくすことはできない。「戦争のない社会」をつくるためには、労働者民衆が資本主義を倒し、労働者階級が主人になる社会主義―共産主義社会を建設する以外にない。
そして21世紀の現代、再び全世界を巻き込む戦争=核戦争を許すのか否か----それはマルクス主義とレーニン主義を復権しプロレタリア革命に勝利するか否かにかかっている。
レーニンは第1次大戦勃発直後に執筆した「社会主義と戦争」の中で、戦争に対する革命党の任務を提起している。
「飽食した年とった強盗たちから若い腕っぷしの強い強盗(ドイツ)が略奪するのを手伝うことは、社会主義者のなすべきことではない。社会主義者は、この強盗どもの全部をうちたおすために彼らの間の闘争を利用しなければならない。そのためには、社会主義者は、まず第一に人民に真実を語らなければならない。すなわち、この戦争が三重の意味で奴隷制度を強めるための奴隷所有者どもの戦争であるということを語らなければならない。この戦争は、第一に、植民地の分配をいっそう『公平』にし、今後いっそう『仲良く』植民地を搾取することにより、植民地の奴隷制を強めようとする戦争である。第二に、『大』国自身の国内での他民族に対する圧制を強めるための戦争である。......第三に、それは賃金奴隷制を強化し長引かせるための戦争である。なぜなら、プロレタリアートは分裂させられ、押さえつけられているのに、資本家は、戦争で金をもうけたり、民族的偏見をかきたてたり、反動を強めたりすることによって、得をしているからである」
「平和をのぞむ大衆の気分は、しばしば抗議、憤激、戦争の反動性についての認識の始まりを、あらわすものである。この気分を利用することは、すべての社会民主主義者の責務である。社会民主主義者は、この気分を基盤とするあらゆる運動とあらゆるデモンストレーションに、もっとも熱心に参加するであろう。しかし、社会民主主義者は、革命運動がなくても、無併合の講和、民族の抑圧を伴わない講和、略奪を伴わない講和、いまの諸国政府や支配階級間のあいだの新しい戦争の萌芽をふくまない講和は可能であるという思想を容認することによって人民をだますようなことはないであろう。人民をこのようにだますことは、交戦国政府の秘密外交とその反革命な計画を利するだけであろう。恒久的な民主主義的講和をのぞむ者は、政府とブルジョアジーにたいする内乱に賛成しなければならない」
帝国主義戦争を内乱へ! 新たな「戦争と革命の時代」が始まった今こそ、マルクスとレーニンの思想を復権させよう。これが帝国主義戦争をプロレタリア革命に転化させる道だ。資本主義・帝国主義に未来はない。青年・学生は自らの力で未来を切り開こう。9月14〜15日の全学連大会に全国の学生は集まろう!