三里塚9・24請求異議控訴審へ 「農地奪うな」の霞が関デモを
三里塚9・24請求異議控訴審へ
「農地奪うな」の霞が関デモを
9月24日、市東孝雄さんの請求異議裁判控訴審・第1回弁論が東京高裁の大法廷で開かれる。三里塚芝山連合空港反対同盟が提起する400万円カンパと要望書を集め、霞が関デモに立とう。早期結審を許さず証人調べを勝ち取ろう。
強制執行阻止!
反対同盟・市東孝雄さんは農地法裁判の上告棄却・反動判決確定(2016年10月)にたじろぐことなく、農地強奪の強制執行を阻止する請求異議裁判を提訴した(同年11月)。「請求異議の訴え」とは「判決の執行は正当な権利行使の名に値しないほど不当」と認めさせ、執行を中止させる裁判である。これは市東さんと反対同盟の執念による前人未到の闘いだ。
一審で弁護団は、農業の社会的意義と「過酷執行」の禁止を主張し、強制執行が「信義誠実の原則に反する」ことを鮮明にさせた。
千葉地裁・高瀬順久裁判長は、不当にも18年12月20日、市東さんの訴えをすべて棄却した。反対同盟と支援連は、この日夜から太郎良陽一決戦本部長を先頭に座り込み行動に突入。ひとまず250万円の担保金支払いで執行停止を勝ち取ったが、控訴審開始は実力阻止闘争の開始でもある。
極悪の高瀬判決
すでに市東さんと弁護団は、223㌻の控訴理由書を提出し、高瀬判決を粉砕する闘いに入っている。高瀬判決は極悪だ。
第一に、NAA(成田空港会社)が求める農地強奪強制執行にこれまでにない正当性を与えている。
農地法裁判一審の多見谷判決は、国と空港公団(後のNAA)が「B滑走路建設のために強制的手段を用いない」と確約したことについて、「話し合いが頓挫した場合は別」とNAAが言えないことまでを代弁した。高瀬はさらに「NAAは市東さんとの話し合いの努力を尽くした」と勝手に断定し、「合意に至らなくても強制的手段が取れる」と決めつけた。
第二に、市東さんの離農を前提としたNAAが提示する補償を十分だとして、農地取り上げを合理化した。有機農業と産直運動による営農の重要性、社会的意義を無視し、「金を受け取り農業をやめて出て行けばよい」と言い放った。
第三に、判決は「適法な強制執行は平穏に実施されるべきものだから、過酷執行にはあたらない」と開き直った。国家暴力発動を「平穏に実施」させろ、反対せずおとなしく従えという言い分だ。
第四に、「借地を農業生産の基盤としていたことから離農はやむを得ず」と市東さんの小作権を否定した。これは、親子3代耕し続けた市東さんとすべての日本農民への侮蔑である。
戦後農地改革の精神を受け継ぐ農地法は、「農地は耕作者自らが所有することが適当」として、自作農創設とそれからもれた残存小作地の小作農の保護を柱とし、小作権が所有権に等しい強い権利であると認めた。これを解体し、大資本の農業支配・農地収奪を一層進めようとしている。
東京高裁包囲を
安倍政権は戦争国家づくり=改憲に突進している。労農連帯で実力闘争を貫く三里塚こそ改憲阻止の最前線だ。市東さんの農地強奪は三里塚闘争を破壊して改憲・戦争への道を掃き清めることに真の狙いがある。
新自由主義は、資本による労働者の搾取を無制限に強めると同時に、大資本による略奪的農業の展開、小農民に対する収奪でもある。資本主義は全世界の農業を破壊し、土地を疲弊させ、農民を貧困にたたき込んでいる。農業=農民問題が、現代の帝国主義の基本矛盾として爆発している。
三里塚闘争は、プロレタリア世界革命の不可欠の課題である労農同盟の成否をかけた闘いである。市東さんの闘魂は労働者・農民・学生に勇気と希望を与えている。9月24日、霞が関を席巻し東京高裁を包囲する大デモで第1回控訴審を迎え撃とう! (大戸 剛)
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三里塚裁判日程
◎第3誘導路裁判 9月6日(金)
午前10時30分開廷 千葉地裁
◎9・24請求異議裁判控訴審闘争
9月24日(火)午前11時30分
日比谷公園霞門集合~東京高裁包囲デモ
午後2時30分開廷 東京高裁102号法廷