関生支部弾圧に反撃を これが改憲の正体だ
関生支部弾圧に反撃を
これが改憲の正体だ
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)に戦後最大の労働組合破壊の弾圧がかけられている。正当な労働組合活動そのものを非合法とし労組絶滅を狙う大弾圧だ。これは全労働組合にかけられた攻撃だ。全国から資金カンパと連帯行動を組織し、絶対にはね返そう。
労働組合の活動を犯罪視
昨年7月から始まった弾圧は、滋賀、大阪、京都、和歌山に拡大し15次に及ぶ逮捕が行われている。逮捕者は組合員など延べ84人、起訴者は64人、捜索箇所は百数十カ所にも上る。警察権力は組合の壊滅を公言し、異様な執拗(しつよう)さで弾圧し続けている。しかし、「事件」などどこにも存在しない。労働組合の団体交渉、ビラまき、企業のコンプライアンス違反摘発、そしてストライキなど正当な労働組合活動が「恐喝未遂」「強要未遂」「威力業務妨害」にでっち上げられているのだ。
これを許すならば、労働組合は存在さえできない。労働者が団結して資本と闘うことそのものが全て非合法とされる。労働組合は社会から絶滅される。絶対に許してはならない。
関生支部と心をひとつにして立ち上がろう!
関生支部への弾圧は、憲法・労働組合法を完全に踏みにじった弾圧である。憲法28条には「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」と規定されている。それに基づく団結権、団体交渉権、団体行動権(争議権)である。この労働3権を実質的に保障するものとして、労働組合法1条2項の「労働組合の団体交渉その他の行為であって、労働者の地位向上や労働条件向上などの目的を達するためにした正当なものについては刑法第35条(正当な業務による行為は罰しない)を適用する」(要旨)という規定がある。つまり、労働組合の正当な活動は刑法の処罰の対象にならない(刑事免責)。これなしに、労働組合を組織する権利は、絵に描いた餅だ。
労働組合の刑事免責は、全世界の労働者階級の命をかけた不屈の闘いで支配階級に強制し、刻み込ませたものである。日本では戦後革命期の闘いのただ中で、戦後憲法と一体で労組法に盛り込まれた。
今、それを正面から踏みにじる攻撃に安倍政権・支配階級が踏み込んできている。関生支部への弾圧は実質的な改憲攻撃である。改憲に突き進む安倍政権との攻防が、労働組合をめぐる正面激突として火を噴いている。
「労組なき社会」許さない
関生支部弾圧粉砕は、「労働組合のない社会」「非正規だけの社会」を狙う安倍「働き方改革」を打ち砕く闘いである。生コンクリートミキサー車の運転手は、ほとんどが日々雇用で非正規職である。関生支部は、このミキサー車運転手を中心に組織し、労働条件改善、生コン価格の引き上げをかちとってきた。そして、中小零細の生コン製造業者を協同組合に束ね、ゼネコンやセメントメーカーに立ち向かう産業政策運動を展開してきた。
関生支部の闘いは、「フリーランス(個人請負)は労働者ではない」とする安倍の「働き方改革」攻撃を打ち砕く現場の団結と闘いをつくり出している。関生支部のような組合をつぶさなければ、安倍の攻撃は貫徹できない。
それゆえに安倍・日帝支配階級は、関生支部への弾圧をしかけてきた。その一方で、JRの運転士・車掌の廃止をはじめ鉄道業務の全面的な外注化・分社化を強行し、それを突破口に自治労、日教組をつぶして「労働組合のない社会」をつくろうとしている。
労働組合がこの攻撃に屈した先にあるのは戦争だ。関生支部弾圧との闘いは、新たな侵略戦争を許すのか否かをかけた闘いである。11月3日、日比谷野外音楽堂で開かれる全国労働者総決起集会に、全国・全産別から1万人の大結集を実現し反撃に立とう。関生支部支援のカンパと連帯行動を全国で組織しよう。
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関生弾圧逮捕・起訴状況一覧表 2019/8/18現在 | |||
逮捕日 | 事件名 逮捕者 逮捕理由 | ||
2018/7/18 | 湖東生コン協同組合事件(滋賀県警組織犯罪対策課) 4(事業者) 恐喝未遂 →起訴3(起訴日8/9) | ||
2018/8/9 | 湖東協組事件 1(組合) 2(事業者) 恐喝未遂 →起訴3(8/30) | ||
2018/8/28 | 湖東協組事件 3(組合) 恐喝未遂 →起訴3(9/18) | ||
2018/9/18 | 宇部三菱大阪港SS事件(大阪府警警備部)16(組合) 威力業務妨害 →起訴7(10/9) | ||
2018/10/9 | 中央大阪生コン事件(大阪府警警備部) 8(組合) 威力業務妨害 →起訴5(10/30) | ||
2018/11/21 | 宇部三菱・中央大阪事件 4(組合) 威力業務妨害 →起訴3(12/11) | ||
2018/11/27 | 大津生コン協組事件(滋賀県警組対) 8(組合) 威力業務妨害 →起訴8(12/8) | ||
2019/2/5 | 湖東協組事件 15(組合) 恐喝未遂 →起訴15(2/26) | ||
2019/2/18 | 湖東協組事件 1(組合) 恐喝未遂 →起訴1(3/8) | ||
2019/4/11 | タイヨー生コン事件(滋賀県警組対) 2(組合) 恐喝 →起訴2(4/26) | ||
2019/6/18 | 日本建設事件(滋賀県警組対) 4(組合) 威力業務妨害 →起訴4 | ||
2019/6/19 | 村田商事事件(京都府警組対・木津署) 5(組合) 2(事業者)強要未遂・恐喝 未遂 →起訴5(7/10) | ||
2019/7/17 | 近畿生コン事件(京都府警組対・南署) 2(組合) 恐喝 →起訴2 | ||
2019/7/17 | フジタ事件(滋賀県警組対) 4(組合) 威力業務妨害 | ||
2019/7/22 | 和歌山広域協組事件(和歌山県警) 3(組合) 強要未遂・威力業務妨害 →起訴3 |
■逮捕 延べ84人(組合76 事業者8) 起訴 延べ64人(組合59 事業者5)