横浜刑務所の医療拒否弾劾 熱中症を認めず、胸痛・下血も放置 須賀武敏さんが怒りの訴え

週刊『前進』04頁(3060号04面02)(2019/08/19)


横浜刑務所の医療拒否弾劾
 熱中症を認めず、胸痛・下血も放置
 須賀武敏さんが怒りの訴え


 迎賓館・横田爆取でっちあげ弾圧裁判で懲役11年の極反動判決を受け、横浜刑務所で獄中闘争を闘っている須賀武敏同志から、刑務所当局による医療拒否への怒りの訴えが寄せられた。
 須賀同志は、7月16日に「水の不正使用」(時間外にハンカチと眼鏡拭きを洗濯した)を口実にし、懲罰にするか否かの「調査」と称して転房させられ、工場への出役を禁止・房内作業を強制された。家族が8月2日に面会したところ、居房環境があまりにひどく、体調を崩していることが分かった。移動させられた房は風通しがきわめて悪く、室内温度は尋常ではない。めまい、立ちくらみ、食欲不振、吐き気がひどく、立って歩くとフラフラするなど、明らかに熱中症が疑われる状態だった。
 医務への必死の訴えにもかかわらず、当局は無視。その後、房内で作業中に強いめまいと吐き気を生じて倒れ、筋肉がけいれんして動けなくなることも起きた。しかし医務当局は「まだ意識があるので問題ない」として、しばらく横になることだけは認めるが、めまいや筋肉のけいれんが治まったら直ちに作業に復帰するようにと命じた。
 8月7日に懲罰が確定され、獄中処遇が3類から4類に降格になった(面会が月3回から2回に減らされた)。それと同時に元の居房への復帰と、工場への出役が再開された。本人と家族が心配していた懲罰房への移動などはなく、熱中症の重症化と命の危険だけはかろうじて避けることができた。しかし、この間の酷暑のただ中での当局の一連の処置は、須賀同志への虐待以外の何ものでもない。
 横浜刑務所の居房には、冷房装置は一切ない。廊下には扇風機が設置されているが、室内にはない。今年は長い梅雨から一転猛暑日が続いた。こうした中で7月16日から3週間以上、冷房もなく、扇風機もなく、風も通らない室内に一日中閉じ込められ、房内作業を強制させられていたのだ。これはおよそ人間の耐えられる限度を超えている。
 しかも医務当局は、暑さで倒れた須賀同志に対して血圧と体温と脈拍を測ったのみで、「意識はある」から熱中症ではないと強弁した。断じて許せない。
 須賀同志は、こうした熱中症の症状だけでなく、転房させられた翌17日には、横浜刑務所移監後2度目となる胸痛発作が起こった。狭心症と思われるこの発作はニトログリセリンの服用で治まったが、早朝や運動時に胸に圧迫痛が生じる状態が続いている。7月25日には大量の下血により下着が血に染まる事態も起きている。だが当局は、精密検査の要求も、専門医による診察も拒否し続けている。
 須賀同志は「当局の卑劣な虐待にひるまず、診察と検査を実施させるために徹底的に闘いぬく」と訴えている。これは星野同志の獄死、国家犯罪を絶対に許さないという須賀同志の決意でもある。「迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会」は8月9日、横浜刑務所に専門医の診察と検査を求める申し入れを行った。ともに闘い、絶対に須賀同志の命を守りぬこう。
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