NAAの墨塗り文書追及 千葉地裁へ反対同盟がデモ

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週刊『前進』04頁(3058号04面02)(2019/08/05)


NAAの墨塗り文書追及
 千葉地裁へ反対同盟がデモ


 7月29日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で耕作権裁判と新やぐら裁判が連続で開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、労働者・学生・市民90人は、天神峰・市東孝雄さんの農地を絶対に守りぬく決意で闘った。
 開廷前の午前9時、千葉市中央公園に集合し、反対同盟・決戦本部長の太郎良陽一さんの司会で決起集会を開いた。
 反対同盟事務局の東峰の萩原富夫さんが発言に立った。「NAA(成田空港会社)の新社長に国土交通省出身の田村明比古が就任し、空港機能強化を20年代半ばにもやりたいなどと言っている。力ずくで第3滑走路を造るという敵の決意表明だ。この10月からはA滑走路で深夜発着時間延長を強行しようとしている。大企業のもうけのため人々の生活をつぶすのを許さない。市東さんの農地・農業を守り、空港建設に絶対反対の声を上げよう」
 動労千葉の川崎昌浩書記長が三里塚労農連帯と関西生コン支部弾圧粉砕を訴え、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会の発言を受け、高らかにシュプレヒコールを上げデモに出発。
 「強制収用阻止! 市東さんの農地を守ろう!」と大書された横断幕を先頭に立て、梅雨明け直後の強烈な日差しと闘いながら、デモ隊は市街地を千葉地裁に向かって力強く進んだ。

耕作権裁判

 10時30分、耕作権裁判が異例の「準備的口頭弁論」として開廷した。この裁判は、市東さんの南台農地の一部をNAAが「不法耕作」と決めつけ(デタラメだ!)明け渡しを求めているが、実際にはNAAの不法・違法の数々を追及する場となっている。
 NAAの卑劣な文書隠しに対する文書提出命令申し立てについて、弁護団が東京高裁に行った特別抗告の結果は出ていない。本来、地裁で手続きを進めることはできないが、焦った内田裁判長が、「準備的口頭弁論」を強引に入れたのだ。
 弁護団は開廷早々、強く抗議したが、そもそもこのような事態に至ったのは、NAAが乙84〜86という重要証拠を墨塗りにしたまま提出したからだ。弁護団は裁判長に「墨塗り文書を任意で全面開示するようNAAに命じよ」と迫るが、裁判長は「高裁の判断が出ていないので」と逃げた。
 次回期日を10月28日、次々回を来年2月3日として閉廷した。

新やぐら裁判

 新やぐら裁判は、陪席裁判官の交代に伴う更新手続きとして、弁護団が意見表明を行った。この裁判は市東さんの天神峰農地に建つやぐら・看板などの四つの物件について、NAAが反対同盟に対し「収去と土地の明け渡し」を求めて提訴したものだが、NAAにそんな請求の権利は一切ない。空港公団(後のNAA)は、市東家に無断で旧地主からの土地取得・買収を行い、そのことを17年間も隠し続けてきたのだ。とんでもない農地法違反であり、取得は無効だ。
 さらに、市東孝雄さんと萩原富夫さんの陳述書を証拠として提出し、天神峰農地の一角を市東さんに借りて反対同盟がやぐら・看板を設置することは何ら問題なく、この農地を力ずくで奪う強制執行や、やぐら・看板の撤去など絶対に許さない決意を明らかにした。
 すでに申し出ている18人を全員採用して人証調べを行うよう要求。次回期日は9月30日となった。

9・24東京高裁へ

 市東さんの農地を守り、安倍政治を打ち砕く闘いとして、9・24請求異議裁判控訴審が当面する重大決戦となっている。反対同盟の呼びかけに応え、東京高裁を包囲する大結集を実現しよう。
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