イラン・中東で高まる戦争危機 安倍の有志連合参加を許すな
イラン・中東で高まる戦争危機
安倍の有志連合参加を許すな
中東ホルムズ海峡とその周辺で連続する衝突は、イラン侵略戦争―中東核戦争の危機の高まりを示している。米トランプ政権が主導し「航行の安全を保障する」と称してつくられようとしている有志連合は、イランに対する戦争行為そのものだ。日帝・安倍政権はこの機に乗じて有志連合に参加し、自衛隊の派兵と改憲を狙っている。改憲・戦争阻止!大行進運動を全国で発展させ、臨時国会での改憲発議を粉砕しよう。
勢力圏争いで激突寸前
イランとホルムズ海峡周辺の情勢は日々変化している。アメリカ帝国主義とヨーロッパの各国帝国主義、ロシア、中国などの大国が資源と勢力圏を争い激突寸前でにらみ合っている。
7月18日、トランプはイランの無人機を撃墜したと発表。撃墜についてイランは否定しているが、アメリカとイランの対立は日々深刻になっている。
翌19日、米国防総省は米軍のサウジアラビアへの駐留を再開すると発表した。部隊は500人規模と見られている。
イランも対抗して、22日にイラン内務省が、米中央情報局(CIA)の下でイラン国内でスパイ活動をしていたとされるイラン人17人の逮捕を発表した。
トランプは、有志連合をつくり「ホルムズ海峡周辺からバブルマンデブ海峡までの航行の安全を保障する」という口実で、米軍主導でイランに対する戦争態勢を構築しようとしている。そのために60カ国に呼びかけてきた。ポンペオ米国務長官が有志連合について「当初願っていたよりも時間がかかる」と表明しながらも、米帝はあくまでもイラン戦争を狙っている。
米トランプ政権が戦争に一気に踏み込めない背景には、米軍自身の軍事力の衰退がある。それを見透かしているからこそ、ヨーロッパの帝国主義国は即座にトランプの呼びかける有志連合に参加せず、独自の利害を貫こうと動いている。
イギリスは、イランとの対立を急速に強めている。7月4日にイランのタンカーが英領ジブラルタル沖で拿捕(だほ)された。これに対抗して、19日にイランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」がイギリスのタンカーをホルムズ海峡周辺で拿捕した。互いに船と船員を拘束し合っている。
イギリスはバーレーンに海軍基地をもち、12日に海軍の艦艇1隻をペルシャ湾へ追加派遣すると発表。さらに「イギリス政府が、イラン政府関連の資金を凍結する経済制裁を検討している」ともいわれている。
背後に米中対立が存在
イラン情勢の背後には、米中対立が存在している。
オマーンにあるドゥクム港は中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)から2億6500万㌦の融資を受けて開発が進められている巨大な港だ。その近くには、中国・習近平政権が巨大経済圏構想「一帯一路」の一環で107億㌦を投資するとオマーン政府と合意した工業地帯がある。一帯一路推進、シーレーンの確保の重要な拠点だ。
また、ロシアも独自の有志連合の枠組みを提起した。外務省が23日、「ペルシャ湾の集団安全保障構想」と題する文書を公表。ペルシャ湾岸諸国とアメリカ、中国、インド、EUに参加をもとめている。中国外務省の報道官は「歓迎する。協力を強化したい」と応じた。
さらに、30日にイランの報道機関が、ホルムズ海峡周辺で年内にもイラン海軍とロシア海軍の合同軍事演習を実施すると報じたことは重大事態だ。
職場と地域から戦争反対の声を
世界大恐慌の中、世界中の労働者人民が貧困と増税、閉塞した社会に対する怒りをためている。日本では、労働組合の解体と職場でのパワハラによって反乱を抑え込まれている。
安倍政権はアメリカの行った有志連合の説明会に代表を送り、あらゆる手を使ってでも有志連合の一員になって自衛隊を派兵しようとしている。韓国への排外主義を日々あおり、改憲と朝鮮半島や中東への侵略戦争に突き進んでいる。
職場からの労働組合を通じた労働者の闘いと、地域での改憲・戦争阻止!大行進運動の発展で、戦争と改憲を阻止しよう。