知る・考える 用語解説 東京学校支援機構-公教育を破壊し総非正規職化

週刊『前進』02頁(3057号02面04)(2019/08/01)


知る・考える 用語解説
 東京学校支援機構-公教育を破壊し総非正規職化


 「東京学校支援機構(TEPRO、ティープロ)」は、東京都教育庁が学校をサポートする名目で7月1日付で発足させた新財団。機能は①各学校に教員OBや専門職などを派遣する「人材バンク」、②学校の「懸案事項」に関する法律面での相談窓口、③学校事務の集約実施、である。
 都は、教員の長時間労働などで学校が「ブラック職場視」され、教員採用試験の受験者数が低下(小学校では2013年4・1倍から18年1・8倍に)していると嘆き、新財団設立を「教員の負担軽減」対策として位置づける。
 だがこれは、学校教育を根本から破壊する合理化・総非正規職化の攻撃だ。
 背景には、文科省の「学校における働き方改革」攻撃がある。政府・文科省は財界の要請に応じた教育を効率的に推進するために、教員の業務を細分化し(部活、ICT〔情報通信技術〕教育、給食指導、マル付けなど)、それを非正規職に置き換えようとしている。それは、子どもと向き合う授業・教育を破壊するものでもある。
 その意味で、新財団の機能①「人材バンク」は学校の総非正規職化の突破口である。②法律相談窓口は保護者・住民との対応を想定したものだが、これは保護者・住民と共に子どもを育てる立場ではなく、逆に分断をもたらす。③は学校事務の共同実施(拠点校に学校事務を集中させ、拠点校以外の学校は非正規職を配置)を全面化させる。新財団設置には絶対反対だ。
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