まるで戦時の予行演習 G20大阪サミット厳戒態勢 学校休校、自治体動員、警官制圧

週刊『前進』04頁(3056号03面05)(2019/07/29)


まるで戦時の予行演習
 G20大阪サミット厳戒態勢
 学校休校、自治体動員、警官制圧

(写真 6月28日のサミット弾劾デモ )

 6月28、29日の大阪G20サミットに合わせた厳戒態勢は、明確に戦時体制の予行演習でした。
 街中を警察官が制圧し、多い所では交差点に20人近い警察官が配備されました。白バイが編隊を組んでパトロールしていた光景は、まるで軍事パレードです。高速道路だけでなくいたるところで機動隊車両を道路に横断させて通行止めにし、「自転車は降りて通行しろ」という命令も出されました。
 大阪市役所では「テロ等違法行為の未然防止」を口実に自主警備体制が敷かれ、1時間に1回の巡視体制とサミット当日の年休の取得が指示されました。一方、区役所は「市民への説明が必要」という口実で土曜日まで開庁させました。住之江区役所では「外勤禁止」の指示も出ました。
 また、要人の出迎え体制への動員で、空港や新大阪駅に自治体労働者が駆り出されました。同僚は「もう帰ってこれないかもしれない」と冗談を言い、家族にも同じことを言って家を出てきたそうです。
 会場の咲洲(さきしま)には2万人近い人が住んでおり、大きな団地があります。住民全員に身分証の携帯が義務付けられ、外出するたびに職務質問・検問を受けました。咲洲には多くの労働者が働いていますが、建設局・水道局・港湾局などの労働者が働くATCビルでは、職場に入るために身分証明書の作成を命じられ「職場に入るのに30分もかかった」と怒る人もいました。「365億円の経済効果」どころか、街中がいったん強制的にストップさせられたのです。
 「G20サミットにおけるセキュリティの基本方針」によれば、警備は「反グローバリズムを掲げる過激な勢力等による会議の妨害」を対象とし、「2020年東京オリンピックを見据えて」行われたということですが、一切は戦争の訓練であり、労働組合つぶしのための軍事行動だったのです。サミット警備の方針の最初に出された「学校の休校」は、いま思えば「学童疎開」だったのです。
 その中で行ったサミット粉砕デモのビラには、ものすごい反響がありました。区役所の前では「ビラを持って区役所に入ったら怒られるかな」とうれしそうに受け取る人、職場では管理職がビラを見て戦々恐々とする一方、「支持!」と声を上げる人がいました。デモに行くときは「むちゃしないでよ」とうれしそうに同僚が見送ってくれました。デモにも「自分は戦争反対」と青年労働者の飛び入りがありました。
 サミット粉砕闘争を通じて、戦争とはむきだしの暴力であり、労働者はその中で必ず決起すると確信しました。オリンピックをはじめ、あらゆる動きが戦争につながっていると見抜き、絶対反対で闘うことが重要だと思います。
(大阪 自治体労働者・志川隆一)
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