社友会に入ってはならない 就業規則の一方的改悪狙うJR
週刊『前進』04頁(3056号02面01)(2019/07/29)
社友会に入ってはならない
就業規則の一方的改悪狙うJR
JR東日本は、千葉支社や水戸支社で業種系統別の「社友会大懇親会」を開くなど、社友会の本格的な組織化に着手した。乗務中の運転士に、添乗した管理職がしつこく社友会への加入を迫ったという話もある。だが、何があろうとも社友会には絶対に入ってはならない。それは、労働組合をつぶして労働者の賃金や労働条件をどこまでも劣悪化させるために、会社が仕組んだ組織だからだ。
労働条件を切り下げ転籍も
7月3日付東京新聞は、「『名ばかり労働者代表』蔓延(まんえん)」「労働者代表なのになぜか社側が選出」という見出しのもと、会社が労働者代表を勝手に選出する不正が横行している実態を報じている。労働者代表は本来、労働者の自由な意思で公正に選ばれるべきものだ。資本が労働者に残業を強いようとするならば、事業所に過半数労働組合がある場合はその労組と、ない場合は労働者代表と36協定を結ばなければならない。
安倍政権が「70年ぶりの労働基準法の大改革」と称して強行した「働き方改革」も、その多くの項目が、過半数労組か労働者代表の同意や意見聴取を経なければ実施に移せないことになっている。過労死強制の「高度プロフェッショナル制度」がそれに当たる。裁量労働制、フレックスタイム制の導入も同じだ。
しかし、その労働者代表が会社によって勝手に決められ、労働者が知らないうちに36協定などが結ばれている事例は後を絶たない。そんな形で決められた36協定で、労働者は過労死するほどの長時間労働を強いられている。
JRがつくりたいのは、まさにこうしたあり方だ。社友会は、誰が代表者なのかも、規約の有無も、明らかにされていない。その社友会が職場を押さえれば、「労働者代表」を会社が勝手に決め、内容も非公開の「協定」をいくらでも結べるとJRは考えている。
これは明らかに違法だ。だが、労働組合がつぶされ、労働者が抗議の声も上げられなくなれば、それはまかり通ってしまう。
JRが狙っているのは、この手法で就業規則を改悪し、労働条件を徹底的に切り下げることだ。現在は、就業規則の改定に際しては、過半数労働組合か労働者代表の意見を聞き、その結果を労働基準監督署に届け出る必要がある。また、判例も、就業規則の不利益変更には高度な必要性・合理性がいるとしている。
JRは、それを覆し、一方的に労働条件を切り下げて、転籍を強制し非正規職にすることさえできるようにしたいのだ。それは、改悪された労基法も超えて、労働者を奴隷のように扱う新たな労働者支配のモデルをつくろうとする試みだ。
展望示した幕張職場代表選
だが、この攻撃は決定的に破綻する。それを示したのがCTS(千葉鉄道サービス)幕張事業所の職場代表選挙での、動労千葉・関道利副委員長の圧勝だ。JRは東労組を崩壊させることで、東労組が自動的に「代表」になっていた状態を壊した。そのため、JR東日本の各職場で職場代表選挙が行われるようになった。関副委員長は昨年、動労千葉の外注化阻止闘争の実績の上に職場代表に選ばれた。そして、労働環境の問題を労働安全衛生委員会で会社と粘り強く交渉し、その結果を職場の仲間に報告して、環境改善を一つ一つ実現してきた。それが非正規職労働者の圧倒的な信頼を勝ち得たのだ。
資本の攻撃は、労働者があきらめずに闘えば反撃の糸口になる。だから安倍はJRで労組の解体を狙うとともに、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への大弾圧をかけている。
JRでの攻防と関生弾圧粉砕に労働者の未来がかかった。社友会の組織化を許さず、労働組合の力を今こそ取り戻そう。