東京反核集会 福島で何が起きているのか 白血病、甲状腺がんが増加 現地の医師が講演

週刊『前進』04頁(3056号01面03)(2019/07/29)


東京反核集会
 福島で何が起きているのか
 白血病、甲状腺がんが増加
 現地の医師が講演

(写真 東京反核集会で、福島現地の医師が身の回りでの健康被害の状況をスライドを使って報告した【7月21日 杉並区】)

 福島から立ち上がった医師と合流できました!
 7月21日、東京のセシオン杉並で、福島から渡辺瑞也医師を講師に迎え、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)東京主催による「福島の医師と考える原発と核」と題した講演会を開催しました。参加は100人近くの大盛況でした。
 渡辺氏は南相馬市内の小高赤坂病院で原発事故にあうまでの29年間、診療に励んできた医師です。3・11では104人の患者さんの緊急避難を行い、自身とお連れ合いも共にがんを発症しながら生きてこられました。「思うにこれは放射線由来の健康障害ではないか。病院も廃院となり、私は原発事故被災当事者であり、中立的な立ち位置をとることは不可能」と冒頭に強調されました。
 「東電、県、御用学者、国は『チェルノブイリより放出放射線量は少ない』『線量が少ないから健康被害はない』とキャンペーンし、そのためにデータを隠蔽(いんぺい)したり改ざん、ねつ造している」と弾劾。氏は身近な健康被害について、地道で丹念な調査をされ、その事実をもって反論しています。全国一の福島県の心筋梗塞死亡例、南相馬市の死亡率の急増、自身の出身大学同窓会員の死者数の上昇、南相馬総合病院外来患者の白血病、甲状腺がん等の数値上昇、関係者―知人の急死など、健康被害の具体的状況が述べられました。
 「真実が隠され政治的に収束がはかられているのが福島原発問題だ」と喝破され、「復興庁の『風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略』は、放射能安全神話であり、全省庁あげてのキャンペーンは再稼働に進む現政権の策謀であり、原発版大本営発表だ」と弾劾されました。「嘘(うそ)はいつか明らかになる。世界の良心と手を携え、人間は真実を語ると信じて前に進みましょう」と結ばれました。物静かな語り口調の中に、余りにも無責任な東電や国に対する激しい怒りと鋭い批判、そして人間的良心をにじませる講演でした。
 女性労働者が保養カンパを訴え、元双葉町長の井戸川克隆さんが参加されていて、発言されました。
 質疑応答の後、NAZEN事務局長の織田陽介さんが行動方針を提起しました。「財界と政府は原発・核政策の死活をかけて再稼働と新規建設に舵をきっており、闘いは正念場に入った。改憲阻止と一体のものとして反原発闘争を闘おう。最大の焦点は福島の健康被害と被曝問題だ。フクシマを繰り返すな、東海第二原発再稼働阻止、常磐線全線開通反対の闘いをもっと押し上げよう」と訴えました。8・6広島―8・9長崎に決起しましょう。
(NAZENいけぶくろ・櫛渕秀人)
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