知る・考える 用語解説 ジョブローテーション-鉄道業務の分社化狙うJR東日本の提案
週刊『前進』02頁(3051号02面04)(2019/07/11)
知る・考える 用語解説
ジョブローテーション-鉄道業務の分社化狙うJR東日本の提案
JR東日本は今年3月に「変革2027を踏まえた新たなジョブローテーションの実施について」を提案した。
その中身は、①車掌と運転士の職名をなくし「乗務係」などに統一する、②車掌を経ずに運転士になれるようにする、③同一の業務には10年以上は就かせない、などだ。
ここで想定されているのは、入社後2年は駅で働くが、その後は車掌を経ずに運転士となり、運転士を10年経験したら管理職になるという幹部候補生の昇進ルートだ。
JRは、経営戦略を立てる企画部門だけをJRに残し、鉄道の現業部門はすべて分社化して、幹部候補生しか社員として扱わないようにしたいのだ。採用の段階から運転士の業務は「事務職」というくくりに入れられ、出世のステップとしてしか位置づけられていない。他方、検修や保線などの設備部門は「事務職」とは別枠にされ、「ジョブローテーション」の対象にもされていない。それは、検修や設備部門はJRから切り離し、完全に分社化することが大前提になっているからだ。
幹部候補生として採用されても、全員が管理職になれるわけではない。競争させ蹴落とし合わせ、管理職になれなければ子会社に転籍させる。JRの提案には、労働者がたどる道として「関連会社への出向」も明記されている。
雇用と労働条件を崩壊させ鉄道の安全を全面解体する「ジョブローテーション」を、動労千葉・動労総連合とともに闘い、阻止しよう。